古代エジプト文明は、ピラミッドやミイラなど、壮大な建築や死生観を象徴する数多くの文化遺産を残しました。
その中でも、今回の木のうんちくではファラオや貴族たちが眠る木棺に注目してみたいと思います。
これらの木棺は、単なる埋葬道具ではなく、信仰や美意識、技術力を反映した重要な工芸品でした。
そんな古代エジプトの木棺に使用された樹種とその背景について詳しく解説します。
古代エジプトの木材事情
古代エジプトの地形は、砂漠が広がる乾燥地帯で、木材資源は非常に乏しいものでした。

ナイル川流域では一部の樹木が育つものの、大型の木材が必要な工芸や建築には現地の資源だけでは対応しきれませんでした。
そのため、多くの木材は交易によって輸入されていました。

特に木棺の製造には高品質の木材が求められたため、以下のような樹種が使用されました。
ファラオの棺に使用された主な樹種
スギ(Cedar)
スギ(レバノンスギ)は、古代エジプトで最も重宝された輸入木材のひとつです。
スギは耐久性が高く、香りが防虫効果を持つため、棺の材料として非常に適していました。
- 輸入元: レバノン山脈を中心とした東地中海沿岸地域。
- 特徴: 均一な木目、加工のしやすさ、防虫性。
- 使用例: ツタンカーメンの墓から発掘された木棺の一部にスギが使用されていることが確認されています。
アカシア(Acacia)
アカシアはエジプト国内で自生していた数少ない木材のひとつで、現地で入手可能な貴重な資源でした。
硬く耐久性があるため、木棺だけでなく家具や道具の製造にも使用されました。
- 生育地: ナイル川沿岸の乾燥地帯。
- 特徴: 硬質で腐りにくく、小型の部材に適している。
- 使用例: 貧富に関わらず、多くの木棺に使用されていたと考えられます。
エボニー(Ebony)
エボニーは非常に高価な黒色の木材で、特に王族や貴族階級の木棺に使われました。
装飾や象嵌技術で美しく仕上げられることが多く、その黒色は死後の世界や再生を象徴していたとも言われています。
- 輸入元: 南部アフリカ(現在のスーダンやエチオピア)。
- 特徴: 重厚で美しい黒色、硬度が高く耐久性に優れる。
- 使用例: 高位のファラオや貴族の棺材として使用。
シカモア(Sycamore Fig)
シカモア(エジプトイチジク)は、エジプト国内で栽培されていた木材の中で最も一般的なもののひとつです。
棺材として広く使われたほか、死者の書に関連する彫刻や絵画の下地にも使われました。
- 生育地: ナイル川周辺の湿地帯。
- 特徴: 軽量で加工が容易。
- 使用例: 一般庶民の棺材としても使用され、高価な輸入材の代替品として活用されることがありました。
木材の選択と宗教的意味
古代エジプトでは、使用される木材の種類が宗教的な意味合いを持つことがありました。
たとえば、シカモアは「生命の木」として神聖視され、再生や保護を象徴する意味がありました。
また、スギの香りは死者を悪霊から守る力があると考えられ、木棺に適した素材とされていました。

さらに、黒色のエボニーは死後の再生や永遠の命を象徴する色として特別な意味を持ち、王族や貴族の棺に多く採用されました。
木材の選択には、単なる実用性だけでなく、このような信仰的要素も深く関わっていたのです。
木棺の構造と装飾技術
古代エジプトの木棺は、単なる死者を入れる箱ではなく、複雑な装飾や象徴が施された精密な工芸品でした。
構造
木材を複数枚組み合わせて箱型に加工し、その上に漆喰を塗って絵画や彫刻を施しました。
高価な棺では、金箔や宝石を用いてさらに豪華に仕上げられることもありました。
装飾
- 死者の書: 棺の内側や外側には、死者の復活や死後の旅を助ける呪文が描かれていました。
- 神々の姿: 死者を守護するアヌビスやホルスなどの神々が描かれることが多かったです。
- 象嵌技術: エボニーや象牙を用いた象嵌が、棺にさらなる美しさを加えました。
現代に伝わる木棺の意義
古代エジプトの木棺は、単なる埋葬用具ではなく、職人の技術力や死者に対する敬意が込められた重要な文化遺産です。
木材の種類や装飾から、古代エジプト人の信仰や社会的階級の違いを読み取ることができます。

さらに、乾燥したエジプトの気候のおかげで、現在でも多くの木棺が保存されており、それらは当時の生活や技術を知る貴重な手がかりとなっています。
まとめ
古代エジプトの木棺に使用された木材には、レバノンスギやエボニーのような輸入材から、アカシアやシカモアのような地元産の木材まで、さまざまな種類がありました。
これらの木材は、宗教的な象徴や社会的な地位を反映しながら、職人の卓越した技術によって美しく仕上げられました。
現代に伝わるこれらの木棺は、古代エジプトの文化と技術力を語り継ぐ重要な遺産です。
その背景にある木材の選択や加工技術を理解することで、古代エジプト文明へのさらなる興味と敬意が深まることでしょう。
エコロキア株式会社とは
無垢フローリング、ウッドデッキ、羽目板、天井材、レジンテーブルなど天然木を用いた建材を中心に「生涯愛し続けられるもの」をコンセプトにセレクトした商品の輸入、販売、補修、メンテナンスを専門で行っております。
「木のコト」ならエコロキアに訊いてみたら何とかなるんじゃないかな…と皆様に思って頂けるように様々な木に触れて日々学んでおります。
会社名 | エコロキア株式会社 |
住所 | 〒658-0027 兵庫県神戸市東灘区青木5-11-8 |
TEL | 078-862-9936 |
FAX | 078-862-9946 |
営業時間 | A.M.9:00~P.M.6:00 |
定休日 | 日・祝 |
公式サイト | https://ecoloquia.co.jp/ |
エコロキア家具 | https://furniture.ecoloquia.co.jp/ |
楽天市場店 | https://www.rakuten.ne.jp/gold/ecoloquia/ |
Amazon店 | https://www.amazon.co.jp/ecoloquia |


効率化や自動化がもてはやされる現代。
しかし一見ムダに見えることや手間の中にこそ人生を楽しむためのエッセンスが詰まっている。
エコロキアはそう考えています。
「手はかかるが愛着がある…」
「思い入れが芽生えてしまって手放せない…」
五感をそなえた生身の人間が日々の暮らしを深く味わうこと。
これこそ人類共通の幸福ではないでしょうか。
エコロキアはそんな人生を味わい尽くす至上の喜びを追求します。


エコロキアの使命はお一人おひとりの人生を豊かに彩る本物の自然素材や、オンリーワンの商品をご提案すること。
天然木ならではの、味のある杢目のカッコよさ、足裏に温かみを感じる、やさしい肌当たり。
時を経るごとに美しく変化し、場になじんでいく移ろい。
本物に囲まれて暮らす日々は、人生を豊かに彩ります。


私たちは、モノとの出会いにときめく人の琴線、モノを慈しむ心を尊重します。
「ときめきは、モノとの偶然の出会いから生まれる。」
モノをただ使うだけじゃない。その一つひとつに触れるたび、心が躍る。私たちは、あなたの「ときめき」と「慈しむ心」を大切にします。

私たちは、お客様のこだわりや偏愛、マニア志向を尊重し、一緒に楽しみます。
「あなたの偏愛が、私たちの喜びです。」
何かに夢中になる姿は、いつだって美しい。好きなものに囲まれているときのあの瞬間を、私たちは一緒に楽しみたい。

私たちは、ヒトやモノの数だけストーリーがあると信じ、一つひとつの物語を紐解きます。
「モノには語るべき物語がある。」
そのモノが生まれた背景や、その手に渡るまでのドラマ。そのウンチクを語り合うことで、新しい発見があると信じています。ヒトもモノも、みんなストーリーテラー。
ショールーム来店予約
エコロキアのショールームは完全予約制となっております。下記フォームよりご予約頂くか078-862-9936までお電話下さい。
ショールームでは様々な無垢フローリング、羽目板、ウッドデッキをはじめレジンテーブルのデザイン見本もご用意しておりますので是非ご予約の上お越し下さい。
また施工、補修やメンテナンスに関してもご相談承っておりますのでお気軽にお尋ね下さい。
パートナー募集
天然木の建材、インテリア、エクステリアから木のおもちゃや雑貨などこだわりのある商品を弊社の楽天市場店やAmazon店で通信販売させて下さい。
また無垢フローリングやウッドデッキ、一枚板の天板やレジンテーブルをはじめ弊社で取り扱っている天然木の商品を販売したい方、施工、補修、メンテナンスのお仕事をしたい方、法人、個人は問いません。
弊社はまだまだ小さな会社ですが目標は日本全国、そして世界中の「木」を取り扱えるチームを作りたいと思っており、皆様のチカラをお借りさせて頂ければと思います。ご興味のある方は是非ご連絡下さいませ。
コメント