自然素材である杉の無垢フローリングには、実は“等級”があります。そしてその中でも最も希少で、美しいとされるのが「無節(むぶし)」と呼ばれるグレード。この記事では、無垢フローリングの等級の違いと、無節の価値について解説していきます。
杉の無垢フローリングとは?
日本を代表する針葉樹「杉」
杉(スギ)は、日本各地に広く分布する国産材の代表格。軽やかな色合いと、やわらかな木肌、そして芳しい香りが特徴で、古くから日本建築の内装材や建具、家具などに使われてきました。
無垢フローリングとしての杉の魅力
杉はやわらかく足ざわりが良いため、特に素足で過ごす和風住宅や、子どもや高齢者のいるご家庭に人気です。また、断熱性や調湿性に優れており、夏はさらりと、冬はほんのり暖かく感じられるのも杉材ならではの利点です。
無垢フローリングの等級とは?
等級は“節”の量で決まる
天然木である以上、杉には「節(ふし)」と呼ばれる枝の痕が多く含まれます。フローリング材として製材される際、この節の量や大きさ、配置によって等級が分けられます。大まかには以下のような区分があります:
- 無節(むぶし):節が一切入らない最上級グレード
- 上小節(じょうこぶし):小さな節がわずかに入る
- 小節(こぶし):比較的目立たない小さめの節が入る
- 節あり(源平・特一など):節が多く入るが、味わいとして楽しまれる
見た目だけではない節の影響
節は視覚的な印象を左右するだけでなく、木材の加工や仕上がり、経年変化にも影響します。例えば、無節材は塗装ののりが均一で、高級感のある仕上がりに。また、節部分は乾燥によって割れやすかったり、樹脂のにじみが出ることもあるため、住宅のデザインや用途によって選び分けることが重要です。

「無節」の希少性と価値
一本の丸太からわずかしか取れない
杉の無垢フローリングの中でも「無節」グレードは非常に希少です。なぜなら、木というのは成長過程で必ず枝を伸ばしていくため、節が生まれます。無節材を確保できるのは、枝打ちの手間をかけて育てられた樹齢の高い木や、幹のごく中心部分など限られた場所のみ。

一本の丸太から無節材が取れる量はわずかで、全体の数パーセント程度といわれています。
板目・柾目の美しさが際立つ
無節材は、木目の美しさが際立ちます。特に柾目(まさめ)取りされた無節の杉材は、一本の線のような流れる木目が続き、空間に圧倒的な統一感と上質さをもたらします。和の空間だけでなく、ミニマルで現代的なインテリアにもよく調和します。
高価格帯での取り扱いが中心
このような希少性から、無節グレードは価格帯も高くなります。節あり材の数倍することもあり、特に長さや幅が広い材ではその傾向が顕著です。しかし、その分価値は非常に高く、ホテルや旅館、茶室や社寺仏閣といった格式のある空間で多く採用されています。
どんな人におすすめ?
- 素材や空間にこだわる建築士・設計士の方
- 高級旅館やこだわりの住宅を建てたい方
- 和の美意識を大切にしたい方
- 節のない、すっきりとしたインテリアを求める方
無節の杉フローリングは、目に見える美しさだけでなく、空間全体の空気感を整える効果があります。シンプルで上質な空間にこだわる方にとっては、他にはない贅沢な選択肢となるでしょう。
節あり材との比較を楽しむのもまた一興
無節の美しさと対照的に、節のあるフローリングには“木そのものの個性”が現れます。ナチュラルで温もりのある空間には節ありもまた魅力的な選択。価格とのバランスを見ながら、部屋ごとに使い分けるのもおすすめです。
無垢フローリングのことならエコロキアへ
エコロキアでは、節の有無や木目の好みに応じた杉フローリングをはじめ、さまざまな無垢材をご提案しています。プロの目利きが厳選した無節材の在庫もご用意可能です。無料のカットサンプルも承っておりますので、お気軽にご相談くださいね。


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