無垢フローリングを床暖房に使いたい…そう考える方は年々増えています。しかし、「床暖房対応」と書かれていても、果たして本当に安心して使えるのでしょうか?この記事では、無垢フローリングの専門家として、その実情と注意点、さらに床暖房の種類別の特徴も交えて詳しくご紹介します。
床暖房対応とされる根拠とは?
多くのメーカーが「床暖房対応」と表記している無垢フローリングには、以下のような試験結果があります。
社内試験・第三者機関による試験
- 一定温度(40〜60℃)で加熱を行い、収縮・膨張を測定
- 数日間にわたる加熱・冷却の繰り返しで安定性を確認
しかし、これらはあくまで試験データであり、
“この製品は床暖房で絶対にトラブルが起こらない”
という保証ではありません。つまり、「床暖房対応」という表記は、“一定条件下では問題がなかった”というに過ぎないのです。
明確な基準は存在しない
実は、日本国内において「〇%縮んだらNG/OK」といった明確な基準は存在しません。各社が自社の試験結果に基づき、“比較的安定している”と判断したものにラベルをつけているのが現状です。
試験結果の一例
- 幅90mmのフローリング材が0.9mm縮む → 収縮率1%
- これが許容されるかどうかは各社判断
このため、同じ「床暖房対応」でも、品質にはバラつきがあると言えるでしょう。
実はさまざまにある「床暖房の種類」
「床暖房」と一口に言っても、実は以下のようにいくつかのタイプがあります。

温水式床暖房
ボイラーやヒートポンプで温水を温め、それを床下に巡らせるタイプです。
- メリット:温まりがやわらかく、広範囲に対応可能
- デメリット:初期費用が高く、施工が大がかり
- 注意点:局所的に熱が集中すると、無垢材にムラが生じやすい
電気式床暖房
電熱線や面状発熱体を床下に敷き、通電して暖める方式。
- メリット:施工が簡単で、薄く設置可能
- デメリット:電気代が高め、部分使用向き
- 注意点:急激な加熱や高温設定は無垢材に悪影響
蓄熱式床暖房
夜間の安価な電力で熱を蓄積し、日中に放熱するタイプ。
- メリット:ランニングコストが抑えられる
- デメリット:温度調節が難しく、常に一定の熱が床に加わる
- 注意点:無垢材には不向きなこともあるので要注意
床暖の種類によって、無垢フローリングとの相性も変わってきます。温水式であれば広葉樹の安定した樹種、電気式であれば急激な温度上昇を避ける制御機能が重要です。
樹種やサイズによって異なる安定性
無垢フローリングの安定性は、樹種や幅にも大きく左右されます。
安定性の高い樹種
- チーク
- アッシュ(タモ)
- アカシア
動きが大きい樹種
- メープル(カエデ)
- ブラックウォルナット
- 杉・桧・パインなどの針葉樹
また、同じ樹種でも幅広材(120mm以上)になるほど変形リスクは上がります。
エコロキアの考える3つの施工ポイント
無垢フローリングを床暖房で使う際には、下記3点を特に重視すべきです。
1. 適切な樹種とサイズ選び
- 安定性の高い広葉樹を選び、幅は90mm以内を目安に
2. クリアランスの確保
- 巾木下や壁際には5mm以上の隙間を必ず確保
- 伸縮を吸収できるようスペーサーの使用も有効
3. 温度管理の徹底
- 表面温度は28℃以下が目安
- 急激な加熱や高温の持続は避ける
実際の導入事例から学ぶポイント
実際にエコロキアで床暖房に対応した無垢フローリングをご採用いただいたお客様からは、以下のような声をいただいています。
「施工前のヒアリングで、我が家の床暖の種類に合わせた樹種を丁寧に選んでもらえたので、冬でも安心して過ごせます」
特に、温水式床暖房とチークの組み合わせは安定性が高く、トラブルが少ない傾向にあります。
カットサンプルで実際に体感を
無垢フローリングは、質感や表情を手にとって初めて分かるものです。エコロキアでは、無料のカットサンプルをオンラインで簡単にご請求いただけます。
気になる樹種があれば、ぜひ比較してみてください。見た目だけでなく、手触りや色味の違いが分かります。
信頼できる施工と床暖の種類選びが鍵
「床暖房対応無垢フローリング」とは、魔法の言葉ではありません。重要なのは、その表示の裏にある試験内容を理解し、床暖房の種類に応じた設計と管理を行うことです。
エコロキアでは、床暖房と無垢フローリングの両立を実現するため、実績ある製品とノウハウをご提供しています。無料カットサンプルもございますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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