紛争木材とは?ウクライナ危機と木材業界への影響をプロが解説
ウクライナ情勢が長期化する中、木材業界では「紛争木材(Conflict Timber)」という言葉が広く注目を集めています。特に、オーク材を中心に欧州産広葉樹材の供給不安が拡大し、設計事務所や建材流通に大きな影響を及ぼしています。

この記事では、紛争木材の定義から、国際認証団体の対応、日本の木材業界への影響、そして今後の持続可能な対応策まで、エコロキアがプロの目線で詳しく解説します。
紛争木材とは何か?
紛争の資金源となるリスクを持つ木材
「紛争木材」とは、武力紛争が起きている地域、または政治的制裁対象国で産出される木材で、その取引が戦争や人道危機を助長する可能性があるとされるものです。
この概念はかつてアフリカ中部の内戦地域で問題となった「コンフリクトダイヤモンド(紛争ダイヤモンド)」と似た構造を持ち、木材が直接的・間接的に軍資金となる恐れがある場合に「紛争木材」として分類されます。
国際森林認証団体による制裁措置
FSCとPEFCがロシア・ベラルーシ産木材を除外
国際的な森林認証団体であるFSC(Forest Stewardship Council)とPEFC(Programme for the Endorsement of Forest Certification)は、2022年のロシアによるウクライナ侵攻を受け、ロシアおよびベラルーシから供給されるすべての木材を「紛争木材」と判断。森林認証制度からの除外を決定しました。
この決定により、これらの国から輸出される木材は認証材として流通させることができなくなり、サプライチェーンの再構築が迫られました。特に、合板や構造用木材においてはロシア産材の比率が高かったため、世界的に価格高騰や納期遅延が発生しています。
ウクライナ産オーク材の供給減少
ヨーロッパを代表するオーク材供給国が戦火に
ウクライナは、長年にわたりヨーロッパの家具メーカーや建材業者に向けて高品質なオーク材を供給してきました。日本国内でもウクライナ産オークはその美しい杢目と加工性の高さから高級フローリングや家具の材料として重宝されてきました。
しかし、紛争の激化により木材の伐採・製材・輸送すべての工程が停滞し、輸出どころか国内の林業インフラそのものが危機的状況に陥っています。これにより、ウクライナ産のオーク材は入手困難となり、価格は高騰。ヨーロッパ全体のオーク材市場に深刻な供給不足が生じています。
木材業界への影響
ロシア材・ウクライナ材の不足が価格に直結
ロシア産の針葉樹材、ウクライナ産の広葉樹材が市場から消えることで、次のような影響が各地で発生しています:
- 合板の価格が約70%高騰
- 広葉樹無垢材の納期遅延(3〜6ヶ月以上)
- 代替材への需要集中による偏り
- 一部メーカーによる認証材の供給停止
特に日本では、ロシア産カラマツ合板の代替を求めて国産合板や中国産にシフトする動きが見られますが、それでも供給が追いつかず、住宅価格全体の上昇にも波及しています。
日本における国産材への期待と課題
森林大国・日本の可能性
国土の約2/3が森林という日本は、本来であれば国産材で多くの需要を賄えるポテンシャルを持っています。戦後に植林されたスギ・ヒノキが伐期を迎えつつあり、木材の「自給率向上」の絶好の機会といえます。
国産材の積極利用は、以下のようなメリットも持ち合わせています:
- 輸入材依存からの脱却
- 地域経済の活性化
- 林業の雇用創出と次世代育成
- 森林整備による災害リスク軽減
しかし、課題も山積
とはいえ、急な国産材シフトには次のような課題も存在します:
- 乾燥・製材・流通インフラの未整備
- 加工精度や品質管理のばらつき
- 建築側での設計仕様の変更が必要
特に広葉樹に関しては、日本国内で安定供給できる体制は整っておらず、現在も多くを輸入に依存しているのが実情です。
持続可能な木材利用に向けた対応策
1. 合法性の確認
紛争木材を回避するには、木材が合法に伐採・流通しているかどうかの確認が第一歩です。合法木材供給事業者認定制度(SGEC/SGEC-CoCなど)を通じた透明性ある調達が求められます。
2. 国産材の積極利用
建築設計の初期段階から「国産材を使う」という意識を持つことが大切です。自治体によっては、地域材利用に対する補助制度も用意されています。
3. 森林認証の取得と選定
製品にFSCやPEFCなどの森林認証が付いているかどうかを確認することは、消費者にも分かりやすい「安心の目印」となります。エコロキアでも、FSC認証の無垢フローリングを取り扱っております。
木材の選び方が未来を変える
グローバルな紛争が木材の供給にまで影響を及ぼしている今、私たちはこれまで以上に「木の来歴」に目を向けるべき時代に突入しています。単に安さや見た目だけで選ぶのではなく、「どこで」「どのように」育ち、「どう流通してきたか」を意識することで、持続可能な未来への一歩となります。
エコロキアでは、こうした背景を踏まえた上で、信頼できる木材のみを厳選し、お客様にご提案しています。気になる木材がありましたら、無料のカットサンプルもご用意しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
エコロキア株式会社とは
無垢フローリング、ウッドデッキ、羽目板、天井材、レジンテーブルなど天然木を用いた建材を中心に「生涯愛し続けられるもの」をコンセプトにセレクトした商品の輸入、販売、補修、メンテナンスを専門で行っております。
「木のコト」ならエコロキアに訊いてみたら何とかなるんじゃないかな…と皆様に思って頂けるように様々な木に触れて日々学んでおります。
会社名 | エコロキア株式会社 |
住所 | 〒658-0027 兵庫県神戸市東灘区青木5-11-8 |
TEL | 078-862-9936 |
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定休日 | 日・祝 |
公式サイト | https://ecoloquia.co.jp/ |
エコロキア家具 | https://furniture.ecoloquia.co.jp/ |
楽天市場店 | https://www.rakuten.ne.jp/gold/ecoloquia/ |
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