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【山御影マンション】1960年代団地を蘇らせるスケルトンリフォーム。オーク無垢フローリングが生み出す温もりの空間

照明や配管が見えるリビングの施工後の様子。奥には白いタイルのキッチンが見える。 オーク(ナラ / 楢)
スケルトンリフォームによって構造を見せるインダストリアルな仕上がりに。木のぬくもりと無骨さが調和しています。

スケルトンリフォームで古い団地を新たな住まいに

古い構造体を活かす再生リフォームの魅力

今回ご紹介するのは、神戸市の「山御影マンション」で行ったスケルトンリフォーム工事です。
この建物は1960年代後半に建てられた団地タイプで、当時の施工方法や配管構造の影響から、リフォームの難易度が非常に高い物件でした。
電力容量が少なく、過去に何度もリフォームが行われているため、配線や配管の経路が複雑に入り組んでおり、実際に解体してみないと状況が把握できないという課題もありました。

そんな中、エコロキアでは建物の骨組みだけを残す「スケルトンリフォーム」を採用。
既存の壁・天井・床をすべて撤去し、構造体から見直すことで、安心して長く暮らせる空間へと再生しました。

解体後の広い室内空間。スケルトン状態で間仕切りの骨組みだけが残っている。
既存壁や床を撤去し、配線・配管を一新するためのスケルトン状態。ここから新しい空間づくりが始まります。

不陸のあるスラブを調整し、無垢フローリングの美しい仕上がりを支える

レーザー墨出しによる水平確認

解体後の現場で最初に行うのは、床の高さを正確に測る「レーザー墨出し作業」です。
1960年代の団地では、スラブ(コンクリート下地)の不陸が生じているケースが多く、わずか数ミリの誤差が後々の仕上がりに影響します。

解体後の山御影マンションのリビングスペース。スラブの不陸を確認するためレーザー墨出し器を設置した様子。
解体直後の状態。1960年代の団地構造特有の不陸を確認しながら、レーザーで水平基準を取っていく重要な工程です。

レーザーを使って水平を出し、職人が一枚ずつ下地を調整することで、無垢フローリングを施工するための完璧な基礎を整えました。

地道な下地づくりが最終仕上がりを左右する

フローリング施工は見た目の美しさだけでなく、歩いたときの心地よさにも直結します。
下地の精度を上げることで、床鳴りやたわみを防ぎ、長期的に快適な空間を保つことができます。
こうした地道な作業こそが、無垢材を扱うプロの技術力を支えています。

リフォーム中の現場で、職人が壁下地の施工を行っている様子。
複数の職人が連携し、古い構造を活かしながら新しい空間を作り上げていく現場の一瞬です。

オーク(ナラ / 楢)150mm幅の乱尺無垢フローリングを採用

幅広タイプならではの迫力と温もり

リビング・ダイニングスペースには、オーク(ナラ / 楢)150mm幅の乱尺無垢フローリングを採用しました。
幅広タイプのオークは節や杢目の表情が豊かで、光の当たり方によって自然な陰影が生まれます。
天井高が低い団地特有の空間でも、広い板幅が奥行きを感じさせ、ゆったりとした印象を与えます。

施工中のリビング。オーク無垢フローリングが張られ、天井の配管や照明レールもデザインの一部として活かされている。
古い建物の構造を活かしたスケルトンリフォーム。
天井のダクトや配線をデザイン要素として見せる仕上げにしています。

リボス クノス(白木)オイル仕上げによる自然な風合い

仕上げには、ドイツ・リボス社の自然塗料「クノス(白木)」を使用しました。

クノスは植物油と天然樹脂を主成分とした高品質なオイルで、木の呼吸を妨げず、内部から保護する特徴があります。白木仕上げにより、オークの持つ本来の明るく柔らかなトーンをそのまま活かし、経年変化も穏やかに。塗膜で覆うのではなく、木肌に浸透してマットな質感を生み出すため、素足で歩いたときの心地よさは格別です。

また、リボスのオイルは安全性が高く、小さなお子さまやペットのいるご家庭でも安心して使用できます。
「塗る」という作業そのものが、木を育てるような楽しみになる──それが自然塗料の魅力です。

空間に合わせたフローリングの使い分け

90mm幅ユニフローリングで落ち着きを演出

寝室やプライベートルームには、90mm幅のユニタイプを採用しました。
木目が穏やかで上品な印象を与え、リラックスできる空間づくりに適しています。
同じオークでも、幅や張り方を変えることで空間の印象が大きく変わります。

60mm幅のヘリンボーンで玄関からの導線をデザイン

玄関ホールには60mm幅のヘリンボーンを採用。

オークのヘリンボーン張りフローリングと150mm幅のナラ無垢フローリングの見切り部分。
異なる張り方の無垢フローリングを見切り材で美しく切り替え。空間の表情が一気に変わります。

緻密に組み上げられたパターンが、来客を迎える空間に上質な印象を与えます。
隣接するリビングとの境目にはアルミ製の見切り材を使用し、異なる張り方を美しく仕上げました。
職人の精度が求められる部分ですが、その分完成後の印象は格別です。

水に強く、天然木の質感を再現するSPCフローリング

今回のリフォームでは、キッチンや洗面、脱衣所などの水回りには「オーク柄のSPCフローリング」を使用しました。
SPC(Stone Plastic Composite)フローリングは、石粉とPVC(塩化ビニル樹脂)を組み合わせた高耐水性の床材で、見た目はまるで天然木のように美しい木目を再現しています。

木目調の床材の継ぎ目をアップで撮影。フローリングの伸縮に対応するためのクリアランス部分が見える。
下地の微調整と丁寧な張り合わせが必要な場面。無垢材とは異なる動きを考慮して施工されています。

無垢材のような温かみを保ちながらも、水に強く、膨張や収縮がほとんどないため、湿気の多い空間でも安心して使えるのが特徴です。

白タイルのキッチンと無垢フローリングの調和

素材のコントラストが生むデザイン性

キッチンには白いサブウェイタイルを使用。
オークの木目とステンレスの質感が組み合わさり、ナチュラルとインダストリアルが共存する空間に仕上がりました。
見せる配管やブラックの照明レールがアクセントとなり、無骨ながらも洗練された印象を与えます。

リビングからキッチンを望む全体像。グレーの建具とナチュラルなオークの床が調和する落ち着いた空間。
ナラの無垢フローリングとマットグレーのドアが相性抜群。古い団地の印象を一新するモダンリノベーションです。

無垢材がもたらす「やさしさ」と「統一感」

木の温もりは金属やタイルといった無機質な素材をやわらかく包み込みます。
異素材の組み合わせによって、冷たくなりがちな空間にも居心地の良さをプラスしています。

グレーの建具とオークの床がつくる落ち着きのあるリビング

モノトーン×ナチュラルのバランス

建具や壁にはマットグレーを採用。
派手さを抑えつつ、オークの色味を引き立てる絶妙なコントラストを実現しています。
グレーと木の組み合わせは、団地リノベーションで人気の高いデザイン手法のひとつです。

照明計画にもこだわった立体的な空間づくり

スポットライトやダクトレールを用いた照明は、光の方向を変えることで空間に陰影を生み出します。
夜になると木の表情が一層際立ち、昼とは違った落ち着きのある雰囲気を演出します。

見えない部分にこそ職人の技術が光る

解体して初めてわかる課題と向き合う

スケルトンリフォームでは、解体してみないと分からない問題が必ず現れます。
今回の現場でも、既存の配線が途中で途切れていたり、古い配管が使われていたりと、多くの課題がありました。
しかし、木材・構造・電気・設備すべてに精通したエコロキアの職人たちが、現場で柔軟に対応し、一つひとつ解決していきました。

手間を惜しまない施工が品質をつくる

効率を優先するのではなく、丁寧に仕上げることを大切にしています。
時間をかけてでも、正しい手順で施工することが、結果的に長く愛される空間につながります。

不便を楽しむリノベーションという贅沢

手をかけるほど愛着が深まる住まい

エコロキアが大切にしているのは「不便を楽しむ」という考え方です。
手間を惜しまず、素材に向き合い、木と共に暮らす喜びを感じられる住まい。
それこそが、本当の意味での豊かさだと考えています。

経年変化を楽しむ暮らし

オークの無垢フローリングは、年月とともに色艶を増し、住む人とともに成長していきます。
経年によって深まる表情こそが、このリフォームの最大の魅力です。

CTA見出し無垢の温もりで、住まいをまるごと再生しませんか?

エコロキアでは、オークをはじめとした無垢フローリングのご提案から施工、メンテナンスまで一貫対応しています。
築年数の経った団地や中古マンションでも、スケルトンリフォームによって新築以上の心地よさを実現。
木が呼吸する自然素材の空間は、時間とともに味わいを深め、暮らすほどに愛着が増していきます。
「不便を楽しむ」というエコロキアの理念のもと、木の温もりに包まれた上質な住まいづくりをお手伝いします。
ぜひお気軽にご相談ください。

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