レジンテーブル制作体験とともに味わう御所の魅力
今回は、レジンテーブル制作体験ワークショップだけではない奈良県御所市の魅力をご紹介いたします。
エコロキアのアトリエがある御所市朝妻は、奈良県の南西部、金剛山と葛城山に抱かれた自然豊かな土地です。この地は、古代の日本神話で語られる「高天原(たかまがはら)」の伝承地とされ、“神が降る里”と呼ばれています。
御所市は、どこか懐かしく、静けさの中に力強さを感じるまち。手をかけてものを作る喜びや、自然と共に生きる豊かさを思い出させてくれます。レジンテーブル制作を通じて、ものづくりと祈りが共存するこの御所の魅力を感じていただきたいと思います。
御所市とは ― 神話と自然が共存する「神が降る里」
高天原伝説が生まれた場所
古事記や日本書紀に記される「天孫降臨(てんそんこうりん)」の神話。
天上界の神々が地上に降り立ち、国づくりを始めた場所が“高天原”とされています。この高天原がある地として有力視されているのが、ここ奈良県御所市の高天地区です。
御所市の地形は、周囲を山々に囲まれた小盆地で、まるで“天と地が交わる場所”のような形をしています。霧の立ち込める朝や、山の稜線に沈む夕陽の姿は、まさに「神が降る」情景そのもの。古代の人々がこの地に神聖さを感じた理由が、今でも肌で感じられます。
自然が教えてくれる「原点に還る時間」
御所市は奈良県内でも特に四季の変化が豊かな地域です。
春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は霧と雪。訪れる季節ごとに風景が変わり、自然のリズムに合わせて暮らす人々の姿があります。
その静かな時間の流れは、忙しい日常を忘れさせ、“ものづくりの原点”を思い出させてくれるようです。
エコロキアのアトリエがこの地にあるのは、そんな御所の空気が「不便を楽しむ」という理念にぴったりだからです。
高天彦神社 ― 神々が降りたと伝わる神聖な地
神々の降臨を今に伝える社
御所市北窪に鎮座する高天彦神社(たかまひこじんじゃ)は、「神が降る里」という呼び名の由来ともなった場所。
主祭神は高皇産霊神(たかみむすびのかみ)で、天地創造に関わった“最初の神”のひとりです。

樹齢数百年の杉が並び、神話の舞台に足を踏み入れたような荘厳さを感じます。
背後の白雲峯(しらくものみね)は御神体山とされ、その山を仰ぎ見る位置に神社が建てられています。
参道には樹齢数百年の杉が立ち並び、足を踏み入れるだけで心が鎮まるような静けさに包まれます。
自然そのものが“祈り”となる空間
高天彦神社の魅力は、装飾的な派手さではなく、自然と神が一体となった“素のままの美しさ”にあります。
木漏れ日が差し込む石段、風に揺れる杉の葉音。そのすべてが、まるで神話の一節を体現しているかのようです。

レジンテーブル制作の前に訪れれば、心が静まり、ものづくりへの集中力が自然と高まる――まさに「創造の始まり」にふさわしい神社です。
葛城一言主神社 ― “一言の願い”を叶える神
一言で叶う願い、心を込めた祈り
御所市森脇にある葛城一言主神社(かつらぎひとことぬしじんじゃ)は、「どんな願いでも一言だけなら叶えてくれる」と伝わる神様を祀る社。この“一言信仰”は、日本人の慎ましい祈りの姿を象徴しています。

一言主大神は、善も悪も語り分ける力を持つとされ、誠実な願いには力を貸してくれる神様。
商売繁盛、家内安全、健康成就など、参拝者の願いはそれぞれですが、どれも“ひとつの言葉”に心を込めて祈ります。
樹齢1200年の大イチョウと古代伝承
境内の御神木「大イチョウ」は樹齢1200年を超えるとされ、秋には黄金の葉をまとって神々しく輝きます。「乳銀杏(ちちいちょう)」とも呼ばれ、母乳や子育ての守護神としても信仰を集めています。

また、境内の東には「蜘蛛塚(くもづか)」と呼ばれる史跡があり、古代の“土蜘蛛伝説”を今に伝えています。この地に眠る神話の痕跡が、御所というまちの深い歴史を感じさせてくれます。
高鴨神社 ― 全国の加茂社の総本宮
古代より続く「鴨の神」の信仰
御所市鴨神に鎮座する高鴨神社(たかかもじんじゃ)は、全国にある加茂・賀茂神社の総本宮とされています。
主祭神は阿遅志貴高日子根命(あじしきたかひこねのみこと)で、天照大神の系譜にも連なる古代神。生命力の再生や蘇りの象徴として信仰を集めています。
本殿は室町時代の建築で、国の重要文化財に指定。境内の池「宮池」に浮かぶ社殿の姿は、まるで鏡のように空を映し、神秘的な静けさに包まれています。
蘇りの神が宿る癒しの社
高鴨神社は“蘇りの神”としても知られ、病気平癒や心身の回復を願う人々が多く訪れます。
春には境内に約2,000鉢もの日本サクラソウが咲き誇り、ピンクの花が社殿を彩る光景は圧巻です。
レジンの透明な世界と同じく、“清め”や“再生”というテーマを象徴するこの神社は、制作体験と深く共鳴する場所といえるでしょう。
郵便名柄館 Tegami Cafe ― 明治の記憶が息づくカフェ
郵便局からカフェへ、時を超えて残る風景
御所市名柄にある郵便名柄館 Tegami Cafe(テガミカフェ)は、明治時代の旧郵便局をリノベーションしたカフェ。
白壁と木造の建物に赤い丸ポストが映える、絵本のような佇まいです。

館内には当時の郵便資料や道具が展示され、日本の近代化の記憶が静かに息づいています。過去と現在が交錯する空間で、
手紙を書くように心を整える時間が流れます。
地元食材を活かした「テガミランチ」
看板メニューの「テガミランチ」は、御所産の野菜や奈良県産の米・豆腐・卵を使用した手作りの定食。
彩り豊かで栄養バランスも良く、旅の途中でホッと一息つける優しい味わいです。

木の温もりあふれる店内で食事をすれば、“便利”ではないけれど“心地よい”時間を過ごす贅沢を感じられます。
さんろくカフェ ― 里山に溶け込む癒しの空間
風景ごと味わう、御所の時間
御所市増にあるさんろくカフェは、築60年の古民家をリノベーションした温かみのあるカフェです。「さんろく自然塾 うめだファーム」が運営し、自家栽培の野菜や地域の食材を活かした料理が人気です。
大きな窓からは、季節ごとに表情を変える田園風景が広がり、都会では味わえない“ゆるやかな時間”が流れています。
食と自然がつながる体験

ランチプレートには旬の野菜を中心としたおかずが並び、食材の一つひとつに土地の恵みを感じます。
また、カフェの隣では農業体験やワークショップも行われており、自然と人が共に生きる御所の暮らしを体感できます。
御所市で感じる「手間を楽しむ」という贅沢
便利さではなく“豊かさ”を選ぶまち
エコロキアのアトリエがある御所市朝妻は、都会の喧騒から離れた“静かな贅沢”を感じられる場所。
木の香り、風の音、レジンを磨く手の感触――そのすべてが、御所の自然と共鳴しています。
ものづくりと祈りが交わる時間
神社で心を整え、カフェで人の温かさに触れ、アトリエで作品に命を吹き込む。
その過程のすべてが“手間を楽しむ”ことそのものです。
御所市は、「便利さを求めず、手をかけることを楽しむ」そんな生き方の豊かさを教えてくれるまち。
レジンテーブル制作体験をきっかけに、ぜひ“神が降る里”御所で、心を満たす時間を過ごしてみてください。


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