お役立ち情報カキノキ花梨

銘木でつくる自分だけの箸づくり体験|パドウク・パープルハート・縞黒檀

ベルトサンダーで箸先を細く仕上げている手元のアップ お役立ち情報
手袋越しに伝わる木の感触を確かめながら、先端を繊細に削り出していきます。

銘木の魅力を手に感じる一日

本日は祝日を利用して奈良県御所市にあるエコロキアのアトリエで「銘木を使った箸づくりワークショップ」を開催しました。今回使用したのは、左からパドウク(Padauk)、パープルハート(Purpleheart)、そして縞黒檀(しまこくたん / Macassar Ebony)の3種類。どれも家具や楽器、レジンテーブルなど高級木工で使用される銘木で、それぞれが個性的な色と手触りを持っています。

パドウク、パープルハート、縞黒檀を使用した箸づくり用の木材3種類
左からパドウク、パープルハート、縞黒檀。色味や質感の違いが際立つ、美しい銘木たち。

赤みが強く温かみのあるパドウク、鮮やかな紫色が特徴のパープルハート、そして高密度で深い艶を放つ縞黒檀。並べただけでも木の世界の奥深さを感じさせてくれます。天然木の香りに包まれながら、世界にひとつだけの箸をつくる時間は、まさに「手仕事の贅沢」。木と向き合う楽しさが凝縮された体験です。

銘木を選ぶ時間もものづくりの一部

参加者の皆さんは、まず自分の好みの木を選ぶところからスタート。光の当たり方で印象が変わる天然木の表情を観察しながら、直感で「これだ」と思う一本を手にします。木は一本一本違う個性を持っており、まっすぐな木目や微妙な色のグラデーションは、まさに自然が描いたアート。選んだ時点で、すでにその箸には“自分らしさ”が宿っているのです。

ベルトサンダーで整える箸の形

荒削りの工程で見えてくる木の個性

最初の工程はベルトサンダーを使って木材を削る「荒加工」。
この段階でお箸の全体シルエットを決めます。削りすぎると細くなりすぎてしまうため、力加減とバランスが重要。パドウクは比較的柔らかく削りやすい一方、縞黒檀は非常に硬く、しっかりとした刃圧が必要です。

木材をベルトサンダーで削ってお箸の形を整える作業風景
均一な太さに整えるため、慎重に研磨していく作業。木の香りと音が工房に広がります。

粉塵と木の香りが工房に広がる中、皆さん集中して形を整えていきます。ベルトサンダーのリズムに合わせて木の角が丸くなっていく様子は、見ていても心地よい瞬間です。

角を落とし、手に馴染む形を追求

角材から徐々に六角、八角と形を変えながら、持ちやすく手になじむ形状を作っていきます。

ベルトサンダーでパープルハート材を研磨する様子
ベルトサンダーを使い、お箸の形を丁寧に整えていく工程。滑らかな仕上がりを目指して少しずつ削ります。

この作業には根気が必要ですが、削るたびに現れる木目の変化が楽しく、飽きることがありません。木が語りかけてくるような瞬間があり、その声を聴きながら少しずつ形を整えていく――そんな感覚こそ、木工の醍醐味といえるでしょう。

紙やすりで磨き上げる繊細な仕上げ

手の感覚で確かめる滑らかさ

ベルトサンダーで形を整えた後は、紙やすりを使った仕上げ磨きへ。
粗い番手から細かい番手へと順に変え、指先で表面の滑らかさを感じながら磨き上げます。この工程こそ、機械では出せない“手仕事の質感”を生み出す大切な時間。磨くほどに木肌が滑らかになり、光沢を帯びていく様子に参加者の皆さんの表情も自然と笑顔に変わっていきます。

箸先のバランスと強度を整える

箸先は繊細な部分。削りすぎると折れやすくなるため、慎重な作業が求められます。

縞黒檀で作った箸を手に持って仕上がりを確認する様子
手にしっとりと馴染む縞黒檀の質感。重厚感がありながらも使いやすい一膳です。

今回はやや細めに整えることで、豆や刺身などを掴みやすくしました。仕上げ磨きを重ねると、まるで指先に吸い付くような質感に。木の種類によって摩擦の感覚も違い、同じ形でも使い心地がまったく異なるのが面白いところです。

蜜蝋ワックスで自然な艶を与える最終仕上げ

Odie’s Oilで木の呼吸を生かす

仕上げには天然素材の蜜蝋ワックス「Odie’s Oil(オーディーズオイル)」を使用しました。

オーディーズオイルで仕上げ塗装を行う黒檀の箸
自然由来のオーディーズオイルを塗布して艶を与え、木の表情をさらに引き立てます。

このオイルは木の呼吸を妨げず、食品にも安全な成分で構成されています。少量を布で伸ばし、表面に薄く塗り込むと、瞬く間に木目が際立ち、深い艶が生まれます。人工塗料では出せない自然の光沢が、銘木の魅力を一層引き立ててくれます。

手に馴染む自然な艶と香り

オイルを塗ってから数分置き、柔らかい布で磨き上げると、指にしっとりと吸い付くような質感になります。蜜蝋独特の甘い香りと、木本来の香りが混ざり合い、まるで森の中にいるような心地よさ。日常使いする箸としての実用性と、工芸品のような美しさが共存した一膳が完成しました。

体験を通じて感じた、木と向き合う時間の豊かさ

縞黒檀の重厚感と存在感

僕が選んだのは、硬く重い縞黒檀。持った瞬間にその密度を感じ、普段使っている箸とはまるで違う感覚でした。少し鋭めに仕上がった先端は、繊細な動きに反応してくれます。

完成した縞黒檀の箸を手に持った仕上がり写真
丁寧に磨き上げ、蜜蝋で仕上げた縞黒檀の箸。手仕事ならではの温もりと上品な光沢が魅力です。

重みがある分、食材をしっかりと掴み、使い込むほどに手に馴染んでいく。これぞ銘木の力だと感じました。

木と触れ合うことが仕事を豊かにする

エコロキアでは無垢フローリングやウッドデッキ、レジンテーブルなど、日々さまざまな木材を扱っています。しかし、実際に手で削り、磨き、仕上げるという体験を通してこそ、木の本質が見えてきます。木は生きている素材です。湿度で変化し、削り方ひとつで表情が変わる。今回の箸づくり体験は、改めて“木と向き合う喜び”を感じる一日となりました。

ご希望があれば、箸づくり体験ワークショップも開催しています

初心者でも安心の木工体験

今回のような箸づくりワークショップは、初心者の方でも安心してご参加いただけます。工具や材料はこちらで用意し、スタッフが丁寧にサポートします。お子さま連れのご家族や、企業のチームビルディングとしての参加も可能です。自分で削り、磨き、仕上げた箸は、贈り物としても喜ばれます。

天然木に触れる贅沢なひとときを

天然木の魅力を手の中で感じながら、世界にひとつだけの箸をつくる時間は、何ものにも代えがたい体験です。銘木の香りに包まれながら、手を動かし、心を整えるひととき。木工の世界に少しでも興味のある方は、ぜひ一度体験してみてください。お問い合わせはエコロキアまで。
あなたも、天然木のぬくもりを感じる一膳をつくってみませんか?

コメント