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【制作の裏側】レジンテーブルの美しさを支える「木枠づくり」という地味で大切な工程

完成した複数の木枠が積み重ねられた作業台の上の風景 お役立ち情報
すべての木枠が整然と積み上げられた作業台。これらの枠にレジンが注ぎ込まれ、やがて美しいテーブルが形になります。

レジンテーブルの魅力は「流し込み」の瞬間だけではない

レジンテーブルと聞くと、透明な樹脂(レジン)が天然木の杢目を包み込み、光の角度によって色彩が変化する――そんな美しい仕上がりを思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし実際には、そこに至るまでに多くの地味で丁寧な下準備が存在します。その中でも特に重要なのが、「木枠づくり」です。

この木枠は、レジンを流し込むための型として機能します。わずかな歪みや隙間でも、硬化後のテーブル面に影響が出てしまうため、精度と強度の両立が欠かせません。

エコロキアでは、日々の制作過程を通じて「見えない部分ほど手を抜かない」という姿勢を若手にも伝えています。今日は、新入社員が初めてこの木枠づくりに挑戦しました。

木枠づくりの基本|材料と構造の選び方

合板を使う理由とは

木枠には、一般的に合板(ラワンベニヤなど)が使用されます。
その理由は、反りや狂いが少なく、加工がしやすいためです。レジン硬化時には発熱や収縮が起こるため、木枠の強度が不十分だと膨張して形が崩れることがあります。

合板の層構造は、こうした歪みを抑え、直線性を維持するのに非常に適しています。さらに、樹脂の漏れを防ぐために、内部にはシーリング剤を丁寧に塗り込み、防水性を確保します。

寸法精度が命

レジンテーブルの完成サイズが「1000×500mm」であれば、木枠の内寸はそれに対してわずかに余裕を持たせた設計が必要です。例えば、5mm単位の誤差でも、硬化後の削り出しや研磨工程に大きく影響します。

木枠は一度使うとレジンが付着して再利用が難しくなるため、製作するテーブルごとに新しい木枠を作るのが一般的です。写真のように、同時に複数の枠を準備することで、効率的な生産体制を整えています。

新入社員が挑戦|地味な作業にこそ宿る職人の精神

目立たない仕事ほど丁寧に

今回の作業では、新入社員がインパクトドライバーを手に、板材の組み立てから固定までを担当しました。
一見シンプルな作業に見えますが、角の直角を出すためには慎重な確認が欠かせません。ネジの締めすぎで板が割れたり、微妙なズレでレジン漏れが発生することもあるため、「早さ」よりも「正確さ」が重視されます。

新入社員がレジンテーブルの型枠を電動ドライバーで組み立てている様子
ひとつひとつの枠を手作業で確認しながら組み立てる新入社員。表には見えないこの工程が、完成時の美しい仕上がりを支えています。

エコロキアでは、こうした地味な工程を「職人の基礎トレーニング」と位置づけています。どんなに小さな工程でも、最終的な作品の完成度を左右する重要な要素なのです。

チームで支える制作現場

作業場には常に先輩スタッフが立ち会い、正しい手順や注意点を共有します。
木屑の掃除ひとつ、ネジの位置ひとつにも意味があることを、実践を通して学んでいきます。
積み重ねた木枠の山を見ると、そのひとつひとつに努力と緊張感が詰まっているのが伝わってきます。

木枠づくりがもたらす完成後の違い

レジン漏れを防ぎ、仕上がりの精度を上げる

木枠の完成度は、レジンを流し込む際の密閉性に直結します。
隙間からレジンが漏れると、硬化中に気泡が入り、仕上がりにムラが出てしまいます。
しっかりと作られた木枠は、レジンの流れを均一に保ち、美しい透明感と滑らかな表面を実現します。

木の個性を引き立てる“静かな土台”

レジンテーブルの主役はあくまで天然木ですが、その個性を最大限に引き出すのがこの木枠の役割です。「どこにレジンを流すか」「どの角度で木を配置するか」といった設計段階でも、木枠が基準になります。
地味で目立たない工程こそが、最終的な芸術性を支えているのです。

見えない部分にこそ「ものづくりの心」が宿る

レジンテーブルの製作は、まるで料理の下ごしらえのようなもの。
手間を惜しまず準備を整えることで、初めて「美しい一皿(作品)」が生まれます。

レジンテーブル制作に使用する木枠を合板で丁寧に組み上げた様子
レジンを流し込むための木枠は、寸法ごとに正確に組み上げます。見えない部分の精度が、最終仕上がりを大きく左右します。

今日の木枠づくりを通して、新入社員もまた一歩、職人として成長しました。
レジンテーブルの制作体験やオーダーをご検討の方も、こうした“裏側の丁寧さ”を感じていただければ嬉しく思います。

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