水による黒ずみとカビが発生したオーク無垢フローリング
鉢植えの跡が残るフローリングの黒ずみ
芦屋市岩園町の戸建住宅で、オーク(ナラ / 楢)無垢フローリングの研磨補修をご依頼いただきました。現地を確認すると、床面には丸いシミのような跡が複数あり、よく見ると黒カビが点在していました。原因は、長期間置かれていた鉢植えの底から染み出た水分。木材に含まれる水分が逃げずにこもり、通気性の悪い部分にカビが発生していました。

鉢植えの跡が原因で黒カビが発生していました。ムクリペでは、このような症状も現地で確認し、再生の可否を見極めます。
無垢フローリングは自然素材ゆえに、呼吸をしています。湿気を吸ったり吐いたりして室内環境を調整しますが、特定の箇所に長期間水がたまると腐朽菌やカビの温床になります。表面の塗装が守ってくれるのはあくまで一時的なもの。内部まで湿気が入ると、木目に沿って黒ずみが広がっていきます。
カビキラーを使うと黒ずみが悪化する理由
カビが生えたとき、つい「カビキラーを使えばきれいになる」と思われがちです。しかし、これは無垢フローリングにとって致命的なミス。カビキラーなどの塩素系漂白剤に含まれる成分が、オークなどの広葉樹に多く含まれるタンニンと化学反応を起こし、逆に黒く変色してしまうのです。
一度黒ずんだ部分は研磨以外で改善することが難しく、下手をすると木の内部まで反応が進行します。無垢材にとって最も大切なのは、自然の成分で安全に対処すること。エコロキアのムクリペでは、化学薬品に頼らず、天然成分の防カビ処理を採用しています。
ムクリペの研磨補修で木目を蘇らせる
研磨で表面のカビを丁寧に除去
今回の現場では、フローリングの張り替えまでは必要ありませんでした。幸い、腐朽は表層にとどまっていたため、研磨によって再生可能な状態でした。ムクリペでは専用のサンディングマシンを使用し、木目を傷めないように慎重に表面を削り取ります。数回に分けて段階的に研磨を行うことで、黒ずみやカビを完全に除去し、木肌本来の美しさを取り戻します。
研磨後には、天然由来の防カビ剤を塗布して仕上げます。これは木材の呼吸を妨げず、カビの再発を防ぐ優れた処理方法です。一般的な防カビ塗料と違い、石油系溶剤を含まないため、化学臭や人体への悪影響もありません。小さなお子さまやペットのいるご家庭でも安心して施工できます。
張り替えが難しい場合でも再生可能
無垢フローリングの良いところは、研磨することで再び使える点にあります。合板フローリングのように表面が薄い化粧板では一度傷むと張り替えしか選択肢がありませんが、無垢材なら再生が可能です。

化学薬品ではなく、天然成分の防カビ剤で木材を保護することで、素材の美しさと安全性を両立しています。
今回のように黒ずみやカビがあっても、研磨と自然処理で蘇るケースが多いのがムクリペの強みです。張り替え工事に比べて費用を抑えられ、施工時間も短縮できるため、住みながらのメンテナンスにも対応できます。
オーク無垢フローリングを長持ちさせるためのポイント
鉢植えや加湿器の設置場所に注意
オークは堅く美しい木目が魅力の人気樹種ですが、湿気に弱い一面もあります。今回のように鉢植えの水や加湿器の蒸気が当たる位置に設置すると、黒ずみやカビの原因になります。
木材は常に湿度を吸収・放出しており、水分を含んだまま密閉されると内部で腐朽菌が繁殖します。鉢の下には必ず水受け皿を敷くか、通気性のある台に乗せるのが理想です。また、定期的に床面を拭き、木目に沿って風を通すことも大切です。
定期的なメンテナンスで長く美しく
無垢フローリングは時間とともに色味が変化し、経年美を楽しめる素材です。しかし、定期的なメンテナンスを怠ると汚れやカビが定着し、再生に大きなコストがかかってしまいます。
エコロキアのムクリペでは、研磨・再塗装だけでなく、定期点検や部分補修の相談も可能です。小さな異変を早めに発見し、最小限の工事で美しさを維持することが結果的に一番の節約になります。
木の魅力を守るために、正しい知識を
自然素材を長く使うための心構え
無垢フローリングは“手をかけるほど美しくなる”素材です。木は生き物のように呼吸をしており、気温や湿度、使う人の暮らし方によって表情を変えます。だからこそ、少しの知識と気遣いが長持ちの秘訣になります。
「カビが出たから洗剤で拭く」「黒ずんだから漂白剤で落とす」といった対処は、短期的には効果があるように見えても木を傷める原因になります。天然木を扱うプロとして、私たちは“再生できるメンテナンス”を提案し続けています。
ムクリペが提案する“暮らしの再生”
エコロキアのムクリペは、単なる研磨サービスではありません。時間とともに味わいを増す無垢フローリングを、住まいの歴史として再生することを目的としています。
「張り替えるよりも、磨いて蘇らせたい」――そんなお客様の想いに寄り添い、一枚一枚の木と丁寧に向き合う。それが私たちの仕事です。


コメント