島根県が誇る木の文化と技術を発信する「神在祭木製品大市」
神在月の出雲で開かれる特別な商談会
島根県が主催する「神々の国 出雲神在祭木製品大市」は、出雲大社の神在月に合わせて開催される特別な展示・商談会です。県内で生産される高品質な木材製品を、関西や東京といった大消費地に紹介してきた島根県が、今回は“地元開催”という形で県外バイヤーを招待。これまで築いてきた信頼関係を軸に、より深く木材の魅力を発信することを目的としています。
私もその一人としてお招きいただき、県内の木工業者の方々と交流する貴重な機会を得ました。山陰の豊かな自然が育んだ木材と、それを生かす職人の技。その両方に触れることで、日本の木工文化の奥深さを改めて感じました。
島根県が目指す「地域材の高付加価値化」
この商談会のテーマは「地域材の高品質・高付加価値化」。つまり、単なる木材の供給にとどまらず、加工・デザイン・ブランド化を通じて“選ばれる製品”に育てるという県の戦略です。持続可能な森林経営と地域経済の循環を両立するこの取り組みは、全国の木工業界でも注目を集めています。
出雲大社での祈願参拝|神々に見守られる新たなスタート
木に携わる者としての原点回帰
商談会の前日には、参加者全員で出雲大社へ参拝しました。神在月に神々が集うこの地で、木に携わる者として祈りを捧げる時間は、まさに“原点に立ち返る瞬間”。木は古来より神の依代(よりしろ)とされ、日本文化に深く根付いています。木と共に生きる私たちにとって、出雲の神々へ感謝と誓いを捧げることは、特別な意味を持ちます。

「つながり」を感じる場所、出雲大社
出雲大社の象徴である「ご縁の神」。木材業界においても、人と人、産地と消費地を結ぶ“ご縁”が最も大切です。今回の商談会が、産地と市場の新たな絆を生むきっかけになると確信しています。
地域材の未来を支える「持続可能な森林経営」
林業から木工業へ、地域の一体化
島根県では、伐採・製材・加工・販売を一貫して地域内で行う「地産地消の木材流通システム」が整いつつあります。これにより、森林資源の循環利用と地域雇用の創出が実現。SDGsの観点からも高く評価されています。
若手職人の育成と地域ブランド化
県内の工房では、若い世代の職人が新しい技術を学びながら、地域ブランドとしての確立を目指しています。伝統を守りながらも、現代のライフスタイルに合う商品開発を進める姿勢に、強い希望を感じました。
木の力を全国へ|これからの展望と決意
島根の木を、もっと多くの人へ
今回の商談会を通じて実感したのは、「地域材には物語がある」ということです。一本一本の木が育った土地、伐採した人、加工した職人──その背景を伝えることで、木製品の価値は何倍にも膨らみます。エコロキアとしても、この“木の物語”を全国へ届けるお手伝いをしたいと感じました。

不便を楽しむものづくりの精神を胸に
僕たちエコロキアは「不便を楽しむ」をコンセプトに、木と人が共に生きる豊かさを伝えています。出雲の地で改めて感じたのは、木は単なる素材ではなく、“祈り”や“つながり”を宿す存在だということ。これからも日本の木文化を未来へ繋ぐため、ひとつひとつの仕事に心を込めて取り組んでいきます。

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