国産広葉樹が少ない本当の理由｜マグノリア（ホオ / 朴）が教えてくれる“手間をかける贅沢”

エコロキアでは、北海道産のナラ、カバ、タモを中心に、シイ、サクラ、マグノリア（ホオ / 朴）、チェスナット（クリ / 栗）といった多彩な国産広葉樹の無垢フローリングを取り扱っています。
その中でも今回は、やわらかな木肌と穏やかな色調が特徴のマグノリア（ホオ / 朴）をご紹介します。

「国産材」と聞くと、スギやヒノキを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、日本の森には本来、広葉樹の豊かな世界が広がっていました。それにも関わらず、なぜ国産の広葉樹フローリングはここまで少ないのでしょうか？
今回はその背景と、マグノリアが象徴する“国産広葉樹の価値”についてお話しします。

日本の森が「針葉樹だらけ」になった理由

戦後の拡大造林政策による人工林化

現在、日本の森林の約7割を占めているのはスギやヒノキなどの針葉樹です。
これは戦後の住宅不足を補うため、政府が「拡大造林政策」を進めたことに始まります。成長が早く、建築材として扱いやすい針葉樹が大量に植えられた結果、天然の広葉樹林は減少し、人工的に植えられた針葉樹林が日本の森林の大半を占めるようになりました。

つまり、「国産広葉樹が少ない」のは自然の結果ではなく、人為的な植林政策の影響なのです。広葉樹は成長に数十年を要し、伐採・乾燥・加工にも手間がかかるため、量産には向きません。こうした理由から、現在の日本では広葉樹を安定供給できる体制が整っていないのです。

加工の難しさと高コスト化

広葉樹は針葉樹に比べて硬く密度が高く、加工には高度な技術と時間が必要です。
木目や色合いに個体差が大きいため、選別作業も手間がかかります。結果として、広葉樹の無垢フローリングは生産コストが高く、価格も上昇してしまいます。

一方で、輸入の広葉樹（オークやアカシアなど）は海外での大量生産によってコストを抑えやすく、国内広葉樹材は市場競争の中でどうしても影が薄くなってしまうのです。

しかし、“手間がかかること”を価値として捉えるのがエコロキアの姿勢。
不便を楽しみ、時間をかけて仕上げるからこそ、国産広葉樹には他にない深い味わいが宿ります。

乾燥と歩留まりの問題

広葉樹のもう一つの課題は、乾燥の難しさです。
密度が高く水分を多く含むため、乾燥には時間がかかり、もし急いで乾かすと反り・ねじれ・割れといった「狂い」が発生します。製材後に使えなくなる部分も多く、歩留まり（製品化できる割合）が悪くなる傾向があります。

それでも、丁寧に乾燥・仕上げされた広葉樹は、針葉樹にはない安定感と存在感を持っています。
この“手間”こそが、本当の無垢材の価値なのです。

柔らかく穏やかな木肌｜マグノリア（ホオ / 朴）の魅力

明るいトーンと優しい木目

マグノリア（ホオ / 朴）は、日本では古くからまな板・彫刻材・家具材として親しまれてきた木です。
淡い黄白色から薄い茶色の落ち着いたトーンが特徴で、塗装をしても木目が濁らず、オイル仕上げとの相性も抜群です。

施工直後はナチュラルな明るさがあり、時間が経つにつれて飴色のような深みが出てきます。その経年変化はとても穏やかで、和室にも北欧モダンにも調和します。

狂いが少なく、仕上がりが美しい木

マグノリアは広葉樹の中でも比較的柔らかく、反りやねじれの少ない安定した材質を持っています。加工性も高いため、フローリングとしても扱いやすく、施工後の寸法安定性にも優れています。
素足で歩いたときの“しっとり感”や“温かみ”は格別。その柔らかさと静けさは、まさに「穏やかに暮らすための木」といえるでしょう。

国産広葉樹を使うという選択｜“不便を楽しむ”贅沢

大量生産・大量消費の時代にあって、国産の広葉樹を選ぶことは、手間を惜しまない贅沢を選ぶことでもあります。
1枚1枚、木目も色も違う。
でもその違いこそが、住まいに“個性”と“物語”をもたらします。

スピードや効率を求める時代だからこそ、「手をかけて育てる」「時間をかけて仕上げる」という価値観を取り戻したい。エコロキアでは、そうした想いを胸に、マグノリアをはじめとする国産広葉樹フローリングを全国へ届けています。

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