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「研磨では消えない黒ずみ」──フローリングの奥に潜むカビの正体と正しい対処法

黒ずみの原因を確認するため、無垢フローリングの一部を剥がして内部構造を調査している現場。 お役立ち情報
黒ずみの原因を特定するため、一部を剥がして内部を確認。カビが木材の内部へ深く浸透しており、下地まで達していることが分かりました。

無垢フローリングの黒いシミは研磨で消える?それとも張り替えが必要?

フローリングの表面に現れる黒いシミ。見た目にはただの汚れのようでも、実は木材内部で進行しているカビであるケースが少なくありません。今回は、エコロキアに寄せられた「研磨で落ちますか?」というご相談から、現地調査を経て判明した“張り替えが最適解”となった事例をご紹介します。


表面だけを削っても消えないカビの深刻さと、その見極め方、さらに再発を防ぐための正しい対処法について解説します。

現場調査で判明したカビの深刻な浸食

一見汚れに見える黒ずみの正体とは

お客様宅のバーチ(カバ / 樺)の無垢フローリングには、表面に黒いシミが点在しており、最初は表面的な汚れではないかと考えられました。しかし、表面はウレタン塗装が施されており塗膜を除去しても消えないため内部カビの可能性が浮上。木の表面を少し削ってみると、黒ずみは下層にも続いており、単なる表面汚れではないことが明らかになりました。

無垢フローリングを研磨しても黒ずみが完全には消えず、内部にカビが残っていることが分かった状態。
研磨でどこまで黒ずみが除去できるか試しましたが、結果的に内部にまでカビが浸透しており完全には消えませんでした。
表面再生では難しく、張り替えが妥当と判断しました。


無垢材は呼吸する素材のため、湿気を吸放出します。そのため、長期間の結露や漏水があると、表層ではなく内部でカビが繁殖するのです。

フローリングを剥がしてわかった5ミリ以上の浸食

実際に一部のフローリングを剥がしてみると、サネ(実)部分まで黒く変色しており、その深さは約5ミリ以上。ここまで浸食している場合、研磨で削れる範囲(通常0.4〜1.0mm)では除去できません。
さらに、カビは木材の導管を通って広がるため、周囲のフローリング材にも感染している可能性があります。研磨で表面を整えても、時間が経つと再び黒ずみが浮き出るリスクが高く、見た目だけの補修では根本的な解決にならないのです。

研磨で再生できるケースと張り替えが必要なケース

研磨で対応できるフローリングの状態

研磨で再生できるのは、あくまで表面の劣化に留まる場合です。具体的には、日焼けやワックスの劣化、軽度の水染みなど。
サンディングマシンで表層を通常0.4〜1.0mm程度削り、新たな塗装を施すことで、無垢材本来の美しさを取り戻すことができます。オイル仕上げであれば再塗装も容易で、メンテナンスを繰り返しながら長く使うことが可能です。
ただし、研磨は万能ではなく、下層まで変色が及んでいる場合には限界があります。

張り替えが必要な判断ポイント

今回のようにカビがサネの内部まで侵入している場合、研磨では再生不可能です。

黒ずみの原因を確認するため、無垢フローリングの一部を剥がして内部構造を調査している現場。
黒ずみの原因を特定するため、一部を剥がして内部を確認。カビが木材の内部へ深く浸透しており、下地まで達していることが分かりました。

また、フローリング全体に黒ずみが点在している場合や、触ると柔らかく沈む箇所がある場合は、下地合板にまで湿気が及んでいるサイン。カビが残れば再発は避けられず、健康面にも悪影響を及ぼします。
このような場合は、下地から張り替えを行うことで根本的にリセットするのが最善です。

カビの再発を防ぐための環境改善

湿気をためない室内環境づくり

カビは湿度60%以上、気温20〜30℃の環境で活発に繁殖します。特に家具の下や窓際など、空気が滞る場所は要注意です。
換気をこまめに行うほか、除湿器やサーキュレーターの活用も効果的。床下に断熱材を入れることで結露を軽減できるケースもあります。
また、室内干しが多いご家庭では、長期間にわたる湿気滞留がカビの原因になるため、湿度管理は最も重要なポイントといえるでしょう。

定期的な点検と早期メンテナンス

黒ずみや異臭が出始めた段階で早期に対応することが再発防止につながります。
表面の変色だけでなく、フローリングの隙間や浮きをチェックすることも大切です。エコロキアでは、研磨・張り替えだけでなく、部分的なカットサンプル調査も行っており、カビの進行具合を正確に見極めることが可能です。

エコロキアが提案する“本当の再生”

木の状態を見極めた正しい選択

私たちは、お客様のご予算や希望に応じて「研磨」と「張り替え」の両方を提案します。
しかし、今回のように木の内部まで黒ずみが浸透している場合は、見た目の修復ではなく、長期的な安心を優先する判断が求められます。
エコロキアでは、現場確認・含水率測定・下地チェックなどを行い、木の健康状態を数値と経験から判断します。

無垢材の魅力を長く保つために

無垢材のフローリングは、適切なメンテナンスを行えば半永久的に使える素材です。
しかし、放置すれば腐朽やカビによって寿命を縮めてしまうことも。
研磨や張り替えの判断は「木を長く活かすための手入れの一環」であり、単なる修理ではありません。
木の呼吸を感じながら、長く付き合う住まいづくりを、私たちエコロキアがサポートいたします。

黒ずみの原因を正しく見極めることが再生の第一歩

黒ずみの原因が「表面汚れ」か「内部カビ」かで、施工内容は大きく変わります。
表面研磨で解決できる場合もあれば、今回のように下地から張り替えることが唯一の選択肢となるケースもあります。
フローリングの黒ずみが気になる方は、まず現場確認から始めましょう。

CTA見出し無垢フローリングの黒ずみ・カビ・研磨のご相談はエコロキアへ

無垢フローリングの黒ずみやカビでお悩みではありませんか?
表面の汚れだと思っていても、実際には木材の内部までカビが浸透しているケースも少なくありません。研磨で再生できるのか、それとも張り替えが必要なのか——。その判断には、専門家による現地確認が欠かせます。
エコロキアでは、床材の状態を正確に診断し、最適な再生プランをご提案します。黒ずみを隠すのではなく、木の健康を取り戻すための施工をお約束します。お気軽にご相談ください。

よくある質問と回答

Q
無垢フローリングの黒ずみは、研磨すれば必ず消えますか?
A

黒ずみの原因が「表面の汚れ」や「ワックスの劣化」であれば、研磨によってきれいに除去できます。
しかし、木材の内部までカビが浸透している場合は、表面を削っても再び黒ずみが浮き出てくることがあります。
特に黒カビは導管を伝って広がるため、サネ部分まで達している場合は張り替えが必要です。

Q
黒ずみがある床をそのまま放置するとどうなりますか?
A

放置するとカビが内部で繁殖を続け、下地合板や根太にまで被害が広がる恐れがあります。
また、見た目だけでなく室内の空気環境にも悪影響を及ぼす可能性があり、健康面にもリスクがあります。
黒ずみが拡大する前に、早期の点検と適切な処置を行うことが重要です。

Q
張り替えをするとき、どの範囲まで交換が必要ですか?
A

カビの進行具合によって異なりますが、一般的には黒ずみが見られる範囲+周囲1〜2枚を目安に交換します。
また、カビが下地合板まで達している場合は、下地も含めて全面的に張り替えを行う方が安心です。
部分補修にとどめると再発するリスクがあるため、現地調査で範囲をしっかり判断します。

Q
張り替えと研磨では、どちらの費用が高くなりますか?
A

一般的に研磨の方が安価ですが、再発リスクを考えると一度で根本的に解決する張り替えの方が結果的にコストを抑えられる場合もあります。
エコロキアでは、床材の状態を確認した上で「研磨で再生できるか」「張り替えが必要か」を明確にお伝えし、最適な方法をご提案します。

Q
黒ずみやカビを防ぐために、普段からできることはありますか?
A

今回は食べこぼしなどの放置が原因かと思われますが室内の湿度管理が最も重要です。
家具の下や窓際など通気性の悪い場所は特に湿気がこもりやすく、結露や水漏れにも注意が必要です。
除湿器やサーキュレーターを使って空気を循環させ、日常的に乾燥環境を保つことでカビの発生を大幅に防げます。また、定期的な清掃とメンテナンスオイルの使用も効果的です。

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