吉野杉が持つ歴史と魅力
奈良県産の吉野杉は、日本の木材文化において特別な地位を占める存在です。その歴史は室町時代まで遡り、戦国時代にはすでに人工林として計画的に植林されていたと伝わっています。吉野の山々では「密植・多間伐・長伐期」という独自の育林技術が受け継がれており、細かく揃った年輪、均質な木目、そして美しい赤身が特徴です。
建材としての吉野杉は、柱や梁といった構造材はもちろん、今回のようなフローリング材としても高い評価を得ています。杉特有の柔らかさと温かみがあり、素足で歩いた際の心地よさは他の樹種にはない魅力です。
吉野杉と「和」のイメージを覆すデザイン性
一般的に「吉野杉」と聞くと、和風建築や純和風の空間をイメージされる方が多いかもしれません。しかし、今回の事例のように着色を施すことで、まるでヴィンテージの洋館やログハウスを思わせるような独特の雰囲気を演出できます。
自然塗料である「ESHA エシャカラーオイル F-31 ウォルナット」を使用することで、吉野杉が持つ柔らかい木目に深みが加わり、シックでモダンな印象に変化しました。節や木目が美しく浮かび上がり、まさに「和」と「洋」が融合した新しいデザイン空間を実現しています。
使用された自然塗料「ESHA エシャカラーオイル F-31 ウォルナット」
今回の施工で採用されたのは、ターナー色彩がかつて展開していた自然塗料ブランド「ESHA エシャカラーオイル」のF-31ウォルナット色です。油絵具でも有名なターナー色彩が開発した塗料で、天然由来成分を活かしながら木材に深みのある色合いを与えることができます。

ヴィンテージ感のある空間に仕上がっています。
残念ながら現在このF-31ウォルナットは廃盤となってしまいましたが、近似色として「U-OIL H05 ライトブラウン」などで代替が可能です。自然塗料は木材に浸透し、木の呼吸を妨げないため、吉野杉の調湿作用を最大限に活かせる点も大きなメリットです。
実際の施工地と住宅の概要
- 所在地:大阪府交野市
- 物件名:新築一戸建て 個人様邸
- 樹種:奈良県産 吉野杉
- 形状:一枚もの 無垢フローリング
- グレード:普及品
- サイズ:15×112×2000mm
- 塗装:ESHA エシャカラーオイル F-31 ウォルナット
- 梱包入数:1.79㎡(8枚)/箱
普及品グレードとはいえ、吉野杉特有の年輪の美しさと柔らかな質感は十分に感じられます。特に一枚ものフローリングは、継ぎ目が少ないため空間全体がすっきりと仕上がり、木材本来の美しさをより一層引き立てます。
吉野杉を選ぶ理由
- 温もりある質感
杉材は柔らかく、素足で歩いたときに温もりを感じられるのが特徴です。冬場でもひんやりしにくく、小さなお子様や高齢の方にも優しい素材です。 - 調湿作用
吉野杉は湿度を調整する働きがあり、梅雨時期には余分な湿気を吸収し、乾燥時には水分を放出して快適な空気環境をつくります。 - 経年変化の美しさ
無垢材ならではの魅力は、年月とともに深みを増す色合い。今回のように着色していても、その下地にある吉野杉の質感が経年でさらに味わいを増していきます。
現在選べる塗装と今後の提案
ESHAの廃盤により同じ色合いを完全に再現することはできませんが、U-OILやオスモカラーなど多様な自然塗料からお好みの色を選択することが可能です。エコロキアでは無料カットサンプルをご用意し、実際に塗装仕上げを確認いただける体制を整えています。
吉野杉はそのままのナチュラルな雰囲気を活かすこともできますし、今回のように濃色で仕上げて洋風空間に取り入れることも可能です。設計やライフスタイルに合わせた柔軟な提案ができるのも、吉野杉の大きな魅力といえるでしょう。

奈良県産 吉野杉の一枚もの無垢フローリングは、伝統と歴史に裏打ちされた日本の銘木でありながら、現代的な住宅にも幅広く対応できる柔軟性を持っています。自然塗料との組み合わせによって、和風から洋風、モダンからヴィンテージまで、さまざまなテイストを表現できます。
今回の大阪府交野市での施工事例は、吉野杉の持つ新しい可能性を示す好例といえるでしょう。
エコロキアでは、このような吉野杉フローリングの施工事例を多数ご紹介しており、無料カットサンプルのご請求も承っております。ぜひ実際に手に取って吉野杉の魅力を感じてください。
