自然塗料「春風」クリアを初めて見たときの違和感
缶を開けた瞬間に感じる「想像と違う色」
自然塗料の「クリア」と聞くと、多くの方が頭に思い浮かべるのは、うっすら黄色みを帯びたオイル、もしくは乳白色のさらっとした液体ではないでしょうか。
実際、市販されている自然塗料の多くは、亜麻仁油や桐油などを主成分としているため、どうしても黄色寄りの色味になります。そのため、塗料缶を開けた瞬間にグレーがかった液体が現れると、
「本当にこれを床に塗って大丈夫なのか?」
と不安になるのは、ごく自然な反応です。特に杉の無垢フローリングは色が明るく、塗装の影響が出やすい材ですから、なおさら慎重になります。この「違和感」は、知識がある人ほど強く感じやすいポイントでもあります。
経験者ほど一瞬ためらう理由
無垢フローリングの塗装を何度も経験している人ほど、「塗料の色=仕上がりへの影響」を直感的に結びつけて考えます。
黄色いオイルなら少し飴色になる、白っぽいならトーンが抑えられる、といった具合です。
そのため、グレーの塗料を見ると、
「木がくすむのではないか」
「白木感が失われるのではないか」
といった懸念が一気に頭をよぎります。これは決してネガティブな思考ではなく、木と真剣に向き合ってきた証拠でもあります。だからこそ、春風のクリアは、初見で驚かれることが多い塗料なのです。
なぜ「春風」クリアはグレーに見えるのか
色が付いているように見える正体
春風のクリアがグレーに見える理由は、着色を目的とした顔料が入っているからではありません。
主な理由は、原料由来の成分と分散状態にあります。自然塗料は合成樹脂塗料と違い、原材料のばらつきや性質をそのまま受け継ぎます。その中で、光の反射や液体の厚みによって、缶の中ではグレーがかって見える状態が生まれます。
これは「色を付けるためのグレー」ではなく、「塗膜性能を成立させるための結果としての見え方」に近いものです。
塗装後に色が残らない理由
実際に杉の無垢フローリングに塗装すると、このグレーがそのまま木に残ることはありません。

一般的なオイル系塗料のような黄色や乳白色ではなく、グレーがかった色味をしています。
一見すると仕上がりを心配してしまいますが、実際に塗装すると木材本来の色を濁らせることなく、クリアで自然な仕上がりになります。
理由は非常にシンプルで、春風のクリアは木材内部に浸透し、表面に厚い色膜を作らない設計になっているからです。塗料が木に吸い込まれ、余分な成分は拭き取られることで、結果として「色が乗った」という印象ではなく、「木の表情が整った」という仕上がりになります。缶の中で見た色と、塗装後の色を直接結びつけて考えてしまうと不安になりますが、実際の挙動はまったく異なります。
実際に杉の無垢フローリングへ塗装して分かったこと
研磨後の白木に塗っても違和感が出ない
今回、ムクリペで施工した杉の無垢フローリングは、研磨によって一度完全に白木の状態に戻しています。
この状態は、塗装の影響が最も分かりやすく出るタイミングです。
ここで色が濁ったり、グレー味が残ったりすれば、すぐに分かります。しかし実際には、春風のクリアを塗布しても、杉特有の赤身と白太のコントラストはそのまま活き、違和感のある色味は一切感じられませんでした。むしろ、繊維の一本一本が落ち着き、視覚的にも触感的にも「整った床」へと変化します。
「透明」という言葉が一番しっくりくる仕上がり
多くの塗料が「クリア」と名付けられていても、実際には多少なりとも色味を加えます。
しかし春風のクリアは、仕上がりを見たときに「透明」という表現が最もしっくりきます。色を足すのではなく、光の当たり方や木目の見え方を穏やかに整える。その結果、塗装前よりも木がきれいに見える、という不思議な感覚を与えてくれます。
缶の中のグレーを知っていると、このギャップこそが一番の驚きかもしれません。
よくある質問
- Q春風のクリアは本当に無色透明なのですか?
- A
はい。缶の中ではグレーに見えますが、塗装後に木材表面へ色として残ることはありません。実際の仕上がりは無色透明に近く、木本来の色味を損なわないのが特徴です。
- Q杉以外の無垢フローリングにも使えますか?
- A
使用可能です。ただし、樹種によって吸い込みや表情の出方は異なります。特に色味に敏感な樹種では、事前にテスト塗装を行うことをおすすめします。
- QDIYでも扱えますか?
- A
扱えますが、塗布量や拭き取りのタイミングが仕上がりを大きく左右します。不安がある場合は、専門業者へ相談することで失敗を防げます。

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