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ヒノキ一等(普及品)無垢フローリングに見られる埋木(うめぎ)という選択

ヒノキ無垢フローリングの節部分に施された丸い埋木。節抜けを補修し、床材としての強度と見た目を整えている コラム
ヒノキの無垢フローリングでは、節が抜け落ちた部分に同系統の木材で埋木を行うことがあります。特に一等材ではよく見られる処理で、歩行時の違和感や欠けの進行を防ぐ役割があります。近くで見ると円形の跡が分かりますが、施工後の使用感にはほとんど影響しません。

ヒノキ一等(普及品)無垢フローリングの前提を整理する

一等(普及品)とはどのような位置づけの床材か

ヒノキの無垢フローリングと一言でいっても、実際には等級によって考え方は大きく異なります。
今回の写真で使われているのは、いわゆる「一等(普及品)」と呼ばれるグレードのヒノキ無垢フローリングです。一等材は、無節材や上小節材のように見た目の均一さを最優先した床材ではありません。

ヒノキ一等無垢フローリングに施された埋木補修の様子。節や欠点部分を埋木で補い、全体として均一な表情に仕上げている
ヒノキ一等(普及品)の無垢フローリングでは、節抜けや欠点部分に「埋木」と呼ばれる補修が施されることがあります。
これは不良を隠すためではなく、床材として安定して使うための一般的な処理です。
全体で見ると意外と目立たず、普及品としてのバランスを重視した仕上げになっています。

節が入り、色味にもばらつきがあり、自然素材らしい表情をそのまま受け入れることを前提としたグレードです。その代わり、価格と供給量のバランスが取りやすく、住宅用途として広く採用されてきた実績があります。
一等材を選ぶということは、完璧な見た目を求めるのではなく、木という素材の個体差を理解したうえで付き合う選択だと言えます。

埋木が前提になる理由を知っておく

一等材のヒノキ無垢フローリングでは、節が抜け落ちた部分や欠点箇所に「埋木(うめぎ)」と呼ばれる補修が行われることがあります。これは特別な処理ではなく、一等材としてはごく一般的な対応です。
節は木が成長する過程で自然に生まれるものであり、乾燥や加工の段階で抜け落ちることもあります。
そのままにしておくと、表面が欠けたり、踏み心地に違和感が出たりするため、床材として成立させるために埋木が行われます。
一等材を選ぶ時点で、埋木がある可能性を理解しておくことが、後悔しない床選びにつながります。

埋木とは何かを正しく理解する

埋木は「欠陥隠し」ではない

埋木という言葉を聞くと、マイナスの印象を持つ方も少なくありません。しかし実際には、埋木は欠点を隠すための処理ではありません。

ヒノキ無垢フローリングに施された円形の埋木補修。年輪がはっきり見える埋木材が使われている
埋木部分を拡大すると、年輪の詰まった木材が使われていることが分かります。
これは強度を確保するためでもあり、柔らかすぎる材を使うと後々凹みや欠けが起きやすくなるためです。
普及品であっても、床材として成立させるための工夫が詰まっています。

節抜けや割れを放置すると、そこからさらに欠けが広がったり、ささくれが生じたりする可能性があります。埋木は、そうした進行を防ぎ、床材として安全に使える状態をつくるための処理です。見た目の均一さよりも、実用性と耐久性を優先した判断だと言えます。
一等材における埋木は、品質を落とす要素ではなく、床材として成立させるための前提条件の一つです。

どのような木材が埋木に使われるのか

埋木には、年輪が詰まり、ある程度の硬さを持った木材が使われます。柔らかすぎる材を使うと、歩行によって凹みやすくなり、かえって不具合が出やすくなるからです。写真で見られるように、円形に加工された埋木材にははっきりと年輪が現れています。
これは見た目のためというよりも、長期的な安定性を考えた結果です。
一等材であっても、床材としての性能を確保するために、こうした配慮が行われています。

写真で見るヒノキ無垢フローリングの埋木

全体で見ると埋木は意外と目立たない

フローリング全体を引きで見ると、埋木はそれほど強く主張しません。節や木目の流れの中に自然に溶け込み、使っていくうちに次第に気にならなくなることが多いです。
一等材はもともと節の存在を前提とした床材なので、埋木だけが浮いて見えることは少なくなります。
施工後の生活の中では、埋木の位置を意識する場面はほとんどありません。

近くで見ると分かる処理の痕跡

一方で、近くで見ると円形の埋木跡が確認できます。これは加工の痕跡であり、あえて消そうとしていない部分でもあります。
完全に分からなくすることも不可能ではありませんが、それを行うと別の不自然さが生まれます。一等材では、あくまで実用性を優先し、必要以上に手を加えないという考え方が取られています。
自然素材としての正直さが、そのまま表れている部分だと言えます。

埋木がある床は本当に問題なのか

日常使用における影響はほとんどない

埋木があることで、日常生活に支障が出ることはほとんどありません。
歩行時の違和感や、家具設置への影響も基本的には気にする必要はありません。むしろ、節抜けを放置した状態よりも、埋木を行った方が床材としては安定します。
一等材を普段使いの床として選ぶのであれば、埋木は受け入れるべき要素の一つです。

見た目をどこまで求めるかが判断基準になる

埋木が気になるかどうかは、見た目に対する価値観によって大きく変わります。
無節材のような均一な床を求めるのであれば、一等材はそもそも向いていません。
一方で、木の個性や自然な表情を楽しみたいのであれば、埋木も含めて無垢材らしさだと感じられるはずです。
床材選びでは、この価値観の整理がとても重要になります。

ヒノキ一等材が向いているケースと向かないケース

向いているケース

ヒノキ一等(普及品)の無垢フローリングは、次のような考え方の方に向いています。

  • 無垢材らしい節や表情を楽しみたい
  • 価格と品質のバランスを重視したい
  • 普段使いの床として気負わず使いたい

向かないケース

一方で、次のような場合には慎重な検討が必要です。

  • 節や埋木が視覚的に気になりやすい
  • 均一で整った見た目を最優先したい
  • ショールームのような完成度を床に求めたい

よくある質問

Q
埋木は経年で取れたりしませんか。
A

適切に施工された埋木であれば、通常の使用で外れることはほとんどありません。床材としての耐久性を確保するための処理です。

Q
埋木があると価値は下がりますか。
A

一等材においては、埋木は前提条件の一つであり、価値が下がる要素ではありません。等級に応じた仕様だと考えるのが自然です。

Q
埋木を減らすことはできますか。
A

可能な場合もありますが、材料選別が厳しくなり、結果として価格が上がることがほとんどです。

自分に合ったヒノキ無垢フローリングを選ぶために

ヒノキ一等(普及品)の無垢フローリングは、誰にとっても正解という床材ではありません。
しかし、木の個性を理解し、実用性を重視する方にとっては、とても現実的な選択肢です。
埋木を含めて素材として受け入れられるかどうか。
そこを一度整理してから選ぶことで、後悔のない床選びにつながります。

もし判断に迷う場合は、自分でできる範囲と、専門家に委ねた方がよい部分を分けて考えることも大切です。
床材選びは、完成した瞬間よりも、使い続ける時間の方が長いからです。

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