和にも洋にも合う「吉野杉」の魅力
今回の施工は、大阪市内の賃貸マンションにご採用いただいている吉野杉の無垢フローリングの部分補修です。吉野杉というと和の空間を想像される方も多いかもしれませんが、実はとても柔らかく、有機的な表情を持つ素材であり、ミニマルでシンプルな空間にもよく馴染みます。
今回のお部屋でも、杉の木目が空間にあたたかさを与え、ナチュラルで落ち着いた雰囲気を作り出していました。しかしその反面、杉は針葉樹のため柔らかく、生活の中でどうしても凹みや傷がつきやすくなります。
全面研磨ではなく、必要な箇所だけ丁寧に
全面的な張替えや研磨までは必要ないけれど、「部分的なへこみや節割れが気になる」ということで、今回はピンポイントでの補修をご提案しました。
凹み補修の工程
1. 表面の軽研磨
まず、凹み部分の表面をサンドペーパーで軽く削り、汚れや古い塗膜を取り除きます。

2. 水を含ませる
へこんでいる部分に水を含ませます。木材は水を吸うと繊維が膨張する性質があり、これを利用して凹みを復元します。

3. 雑巾+アイロン
水を含ませた部分に濡らした雑巾をのせ、その上からアイロン(中温)でゆっくりと押さえます。ジュッという蒸気の音とともに、木の繊維が少しずつ元に戻っていきます。

4. 乾燥と再研磨
十分に乾燥させたあと、再度サンドペーパーで整えて完了です。しっかりと水分と熱が入ることで、深い凹みも驚くほど目立たなくなります。

節割れの補修工程
1. 節割れの清掃
割れの中に入り込んだホコリや異物を取り除きます。

2. 木工用パテで補修
杉の色味に近い無垢材用のパテを使用し、割れた箇所に充填します。ヘラでしっかり押し込み、表面をならします。

3. 乾燥と研磨
乾燥後、周囲との違和感が出ないように研磨し、滑らかに仕上げます。

吉野杉フローリングをお使いの方へ|特長と日々のお手入れのコツ
吉野杉はとても柔らかく、足触りが優しい反面、凹みやすく傷がつきやすいのが特徴です。無垢材のため、湿度の変化にも敏感で、乾燥する季節には割れやすくなります。
日々のメンテナンスとしては、以下のようなことを意識すると、より長持ちします:
- 定期的に乾拭きを行う(濡れ雑巾は避ける)
- 冬場は加湿器を使用して湿度を保つ
- 家具の脚にはフェルトを貼る
- 荷物の引きずりはNG、持ち上げて移動する
それでも生じてしまう小さな凹みや割れは、今回ご紹介したような方法で補修できます。大切なのは「傷をゼロにする」のではなく、「味わいとして受け入れつつ、必要に応じて手を入れていく」ことだと思います。
同じようなお悩みをお持ちの方へ|補修のタイミングとご相談の目安
「無垢材だから傷は仕方ない」と思って放置していませんか?
たしかに、無垢フローリングは時とともに表情を変えていく素材ですが、放置した傷や割れが原因で板そのものが反り始めたり、割れが進行してしまうこともあります。
以下のような症状があれば、一度ご相談いただくことをおすすめします。
- 節の割れが広がっている
- 凹みが黒ずんでいる(汚れやカビが入っている)
- 床に引っかかりや段差が出てきた
- 足元の違和感が気になり始めた
早めの処置が、床材を長く使うことにつながります。
無垢フローリングの補修は“住まいを育てる”ということ
無垢の木は、ただの床材ではなく、共に暮らし、変化し、味わいを深めていく「家族のような存在」です。
エコロキアでは、無垢材に精通した専門スタッフが、お客様の住まいに最適な補修方法をご提案しています。全体研磨、部分補修、塗装のメンテナンスなど、ご要望に合わせた対応が可能です。
「ちょっと気になる傷がある」「節の割れが進行しないか心配」など、些細なことでもお気軽にご相談ください。
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