無垢フローリングの魅力のひとつが「経年変化」です。
その中でも南洋材は、針葉樹や広葉樹とは一味違う、力強い色の深まりと重厚感のある表情が特徴です。施工直後はまだ若々しい色合いですが、年月とともに落ち着きのあるブラウンや赤褐色へと変化し、住まいにどっしりとした安心感を与えてくれます。
今回は、アカシア・花梨・ローズウッド・メルバウ・マホガニー・インドネシアチーク・ミャンマーチーク・ケンパス・アジアンウォルナットなど、南洋材フローリング9種のリアルなビフォーアフターをもとに、専門店の視点から経年変化の特徴を解説します。
南洋材フローリングが経年変化で深みを増す理由
油分と色素が紫外線と反応し、濃く豊かな色味へと育っていく仕組み
南洋材の経年変化は、針葉樹や一般的な広葉樹と比べても「色の深まり方」がはっきりしています。
その理由は、木材に含まれる油分や色素成分が豊富で、紫外線や空気中の酸素と反応しやすいことにあります。チークやローズウッド、アジアンウォルナットなどは、施工直後は比較的明るい金褐色やブラウンですが、時間とともに分子構造が変化し、深いブラウンや赤褐色へと落ち着いていきます。
こうした変化は単なる日焼けではなく、木が本来持つポテンシャルが少しずつ引き出されていくプロセスだといえます。初めはコントラストが強く見える木目も、経年により色味がなじみ、空間全体のトーンが整っていくことで、より上質で落ち着いた印象へと育っていきます。
時間とともに重厚感と艶が増し、インテリア全体の“格”を上げてくれる
南洋材フローリングが選ばれる理由は、色が濃くなるだけでなく、時間の経過とともに「重厚感」と「艶」が増していく点にあります。
硬く密度の高い樹種が多く、日々の歩行やお手入れを通じて表面がほどよく磨かれることで、人工的な塗膜のツヤとは異なる、しっとりとした自然な光沢が生まれます。数年後には、施工直後にはなかった落ち着きと深みが加わり、床そのものがインテリアの主役になるような存在感を放ちます。
ホテルラウンジや重厚な書斎のような雰囲気を住まいに取り入れたい方にとって、南洋材の経年変化は大きな魅力となります。“使い込むほどに格好良くなる床”を楽しめるのが、南洋材フローリングの面白さです。
アカシアの経年変化|濃淡のある木目が、落ち着いたブラウンへ
施工直後はコントラストの効いたナチュラルな表情が魅力
アカシアは、白太と赤身のコントラストがはっきりと出やすく、施工直後は動きのある木目と明るいブラウンが印象的な樹種です。節や色ムラも含めて個性的な表情を楽しめるため、カジュアルなインテリアやヴィンテージ感のあるスタイルともよく調和します。初期段階ではまだ明るさが勝っているため、空間を軽やかに見せたい場合にも取り入れやすい素材です。照明の当たり方によって色の見え方が変わるため、時間帯によって違う雰囲気を楽しめる点もアカシアならではといえます。
数年で色味がなじみ、ヴィンテージ感のある落ち着いた床へと育つ

紫外線や空気に触れることで、アカシアの色合いは徐々に深まり、2〜3年ほどで落ち着いたブラウンへと変化していきます。初めは強く感じられた白太と赤身の差も、経年とともになじみ、統一感のあるトーンへとまとまっていきます。
その結果、施工直後のにぎやかさは少し抑えられ、ヴィンテージ家具にも似た落ち着きと味わいが生まれます。表面には自然な艶も出てくるため、重厚感とあたたかみを併せ持つ床材として長く付き合っていただける樹種です。
花梨の経年変化|鮮やかな赤から、深い赤褐色へ
施工直後は目を引く鮮烈な赤色で、個性が際立つフローリング
花梨は、数ある木材の中でも特に鮮やかな赤色が特徴的な樹種です。施工直後は朱色に近い明るい赤味を帯びており、ひと目で印象に残る個性的な床に仕上がります。空間に強いアクセントを加えたい場合や、他にはない雰囲気をつくりたい方にとって、とても魅力的な選択肢となります。明るい壁やシンプルな家具と組み合わせることで、花梨の色味がより一層引き立ちます。
時間の経過とともに赤みが沈み、重厚感のある赤褐色へと落ち着いていく

経年変化により、花梨の赤色はゆっくりと深まり、やがて落ち着いた赤褐色へと変化していきます。
日当たりの良い場所ほど変化が早く、数ヶ月〜数年のうちに、初期の鮮やかさがやわらぎ、重厚感のある大人びた表情に育っていきます。最終的にはクラシックな家具とも相性の良い色合いとなり、空間全体に落ち着きと風格を与えてくれます。変化の幅が大きいため、「経年変化をしっかり楽しみたい」という方に特におすすめの樹種です。
ローズウッドの経年変化|濃淡が深まり、妖艶なダークトーンへ
施工直後は赤紫と黒褐色のコントラストが美しい個性派
ローズウッドは、赤紫がかった色合いと黒褐色の縞模様が重なり合う、非常に個性的な表情を持つ木材です。施工直後は、濃淡のはっきりとしたコントラストが目立ち、床そのものが印象的なインテリア要素として空間を彩ります。高級家具や楽器にも用いられてきた樹種で、その独特の色味と木目は、他の木では代わりがききません。重厚でありながら華やかさも併せ持つ、数少ない存在といえます。
経年で色が締まり、艶やかなダークトーンへと成熟していく

時間の経過とともに、ローズウッドの赤紫は落ち着きを増し、黒褐色の部分との一体感が生まれていきます。
数年が経つころには、全体として深みのあるダークブラウン〜黒褐色へまとまり、しっとりとした艶のある大人の表情に育ちます。照明の当たり方や見る角度によって色のニュアンスが変わるため、日々の暮らしの中で木の表情の変化を楽しめる樹種です。書斎やリビングをぐっと落ち着いた雰囲気にしたい方に向いています。
メルバウの経年変化|赤褐色から、重厚なダークブラウンへ
施工直後は濃い赤褐色で、存在感のある床に仕上がる
メルバウは、施工直後からしっかりとした赤褐色を持つ、重厚感のある南洋材です。
木目は比較的落ち着いており、色そのものの力で空間を引き締めるタイプの樹種といえます。店舗やホテルなど、強い存在感を求められる場面でも多く使われており、住宅でも「落ち着きのある高級感」を演出したいときに適しています。初期段階から暗めのトーンを好まれる方にとって、非常に扱いやすい素材です。
年月とともに赤みが落ち着き、味わい深いこげ茶色へと変化する

経年変化により、メルバウの赤みはやや抑えられ、深く締まったダークブラウンへと変化していきます。
硬く耐久性の高い木材のため、表面が大きく傷むことは少なく、色の変化だけが静かに進んでいくイメージです。数年後には、落ち着きのあるこげ茶色に近いトーンとなり、より一層高級感のある空間へと育っていきます。長期間にわたり、安定した表情で使い続けたい方にぴったりの樹種です。
マホガニーの経年変化|赤みと艶が増し、クラシックな佇まいへ
施工直後は上品な赤褐色で、ストレートな木目が美しい
マホガニーは、まっすぐ通った木目と上品な赤褐色が特徴的な木材です。施工直後から落ち着いた印象があり、クラシックな家具や伝統的なインテリアとの相性が非常に良い素材です。
光を受けたときに柔らかく反射する木肌は、空間に穏やかな高級感をもたらします。床材として使用することで、家具と床が一体となった統一感のある雰囲気を演出できます。
時間の経過とともに赤みが濃くなり、奥行きのある深紅へと育っていく

経年変化が進むと、マホガニーの赤褐色はさらに深みを増し、上質な深紅に近いトーンへと変化していきます。
同時に自然な艶も増していくため、長年使い込まれたクラシック家具のような味わいを床全体で楽しむことができます。色の深まりと艶の両方が進むことで、空間の雰囲気は一層落ち着き、居心地の良い大人の住まいに変わっていきます。経年変化そのものをインテリアとして楽しみたい方に、とても適した樹種です。
インドネシアチークの経年変化|金褐色から、落ち着いたブラウンへ
施工直後は明るい金褐色で、軽やかな高級感を演出
インドネシアチークは、施工直後は明るい金褐色の木肌が特徴で、上品さと軽やかさを併せ持った印象を与えてくれます。木目は比較的おだやかで、過度に主張せず空間になじみやすい樹種です。高級感は欲しいけれど重くなりすぎたくない、という方にとってちょうど良いバランスの色味と質感を備えています。
明るい壁材やシンプルな家具とも合わせやすく、幅広いインテリアスタイルに対応できます。
ゆるやかな経年変化で、しっとりとしたブラウンへ落ち着いていく

時間の経過とともに、インドネシアチークの金褐色は少しずつ深まり、落ち着いたブラウンへと変化します。
油分を多く含むため、変化は比較的ゆるやかで、急激に印象が変わってしまうことはありません。2〜3年ほどで色味は安定しはじめ、表面にはしっとりとした自然な艶が現れます。湿度変化にも強く、反りや割れが少ないため、長く安定して使える床材として安心感の高い樹種です。
ミャンマーチークの経年変化|黄金色から、重厚で品格のあるブラウンへ
施工直後は“世界最高峰”と呼ばれるにふさわしい黄金色が魅力
ミャンマーチークは、世界最高級の木材として知られ、施工直後の黄金色の美しさは格別です。
木目はおだやかでありながら表情豊かで、床に張ると一枚一枚の板が柔らかく光を受け、上質な雰囲気を演出します。船舶や高級ホテルでも長く愛用されてきた歴史を持ち、その見た目と性能のバランスは他の木材と一線を画しています。床材として採用することで、住まい全体の印象が一段階引き上げられるような存在感があります。
年月とともにブラウンが深まり、落ち着きと風格をまとった床へ育つ

経年により、ミャンマーチークの黄金色は徐々にブラウンへと変化し、やがて重厚感のある深みを持った色合いへと育っていきます。
油分が豊富なため、使い込むほどに表面にはしっとりとした艶が生まれ、足元から感じられる質感にも厚みが出てきます。変化の過程そのものが美しく、“育てる喜び”を強く感じさせてくれる樹種です。長く大切に住まいと付き合いたい方に、特におすすめできる素材です。
ケンパスの経年変化|明るい橙色から、やさしい赤褐色へ
施工直後は柔らかな橙色で、あたたかみのある空間づくりに最適
ケンパスは、施工直後は明るい橙色のやわらかな色合いが特徴で、空間にあたたかみをもたらしてくれる樹種です。
木目は比較的おだやかで、強い個性を主張しすぎないため、家具や壁材と調和しやすい点も魅力です。南洋材らしい存在感を持ちながらも、軽やかさを感じさせる色味のため、ナチュラルな雰囲気と相性が良い素材だといえます。
時間の経過とともに赤みが増し、落ち着いた赤褐色へと変化していく

経年変化により、ケンパスの橙色は徐々に赤みを増し、落ち着いた赤褐色へと変化していきます。
硬くて傷がつきにくい性質を持つため、長年使っても床全体の印象が大きく崩れにくく、色の成熟を素直に楽しめる樹種です。数年後には、初期の明るさは少し抑えられ、やわらかく沈んだトーンとなり、穏やかでくつろぎのある空間をつくってくれます。暮らしとともにゆっくりと育つ、安心感のある南洋材です。
アジアンウォルナットの経年変化|明るい茶色から、深いウォルナット色へ
施工直後はやや明るめのブラウンで、取り入れやすい印象
アジアンウォルナットは、施工直後は灰褐色をしており、非常に硬質な樹種です。木目には適度な動きがあり、落ち着きのなかにも表情が感じられるため、シンプルなインテリアにもよく馴染みます。ダーク系の床に憧れつつ、最も頑丈な無垢フローリングが欲しいという方にとって、ちょうど良いスタート地点となる色合いです。
紫外線の影響で劇的に濃くなり、高級感のある深いブラウンへと育つ

経年変化が進むと、アジアンウォルナットの色味は紫外線の影響を受けてやや浅くなり、数年のうちに灰褐色へと変化していきます。
変化の幅が大きいため、「10年後が一番格好良い床材」といっても良いほど、経年による育ち方が魅力的な樹種です。色が深まるにつれて空間全体のトーンも落ち着き、重厚感と高級感のある雰囲気が生まれます。時間とともに印象が大きく変わる床を楽しみたい方に、非常におすすめの素材です。
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