今年最後の御所市アトリエへ向かう理由
道具を神戸へ持ち帰るという区切り
今年もいよいよ終盤。
御所市のアトリエへ向かう道中、「多分これが今年最後だな」と思いながら車を走らせました。年末年始に制作しなければならないレジンテーブルの道具はすでに神戸へ持ち帰っており、御所市での作業はここで一区切り。
何度も通ったこの場所ですが、こうして区切りを意識すると、いつもとは少し違った景色に見えてきます。アトリエは単なる作業場ではなく、考え、悩み、形にしてきた時間の積み重ねそのもの。木とレジンに向き合った一年を、静かに振り返る場所でもあるのです。
御所市という土地がくれる集中力
御所市のアトリエは、都会の工房とは違い、どこか時間の流れが緩やかです。
音も少なく、作業に集中するには理想的な環境。木目を眺め、レジンの粘度や温度を確かめながら、自然と呼吸が深くなっていきます。今年も数え切れないほどの作品がここから生まれましたが、そのどれもが、この場所でなければ生まれなかったと思えるものばかり。
だからこそ「今年最後」という言葉が、少しだけ名残惜しく感じられたのかもしれません。
レジンテーブル制作体験、最大の山場
色を決める時間が一番楽しい
岐阜からお越しくださった受講者さんのポプラのレジンテーブル。
いよいよ色付きレジンを流し込む工程に入りました。この瞬間は、制作体験の中でも特に盛り上がる場面です。
「ブルーにしようか」
「グレーもいいですね」
…と、完成後の姿を想像しながら色を悩む時間は、ものづくりの醍醐味そのもの。正解はひとつではなく、その人の感性や暮らしに合った答えを探していく過程こそが、この体験の価値だと感じています。
選ばれたのは、上品なゴールドパール
最終的に選ばれたのは、ゴールドのパールカラー。

ギラつかず、光の当たり方で表情が変わる上品な仕上がりに。
一言でゴールドと言っても、ギラギラした派手さではなく、光の当たり方で静かに表情を変える、あくまで上品な色味です。写真ではなかなか伝わらないのですが、実物を見るとその違いは一目瞭然。
ポプラの柔らかな木肌と相まって、落ち着きのある、それでいて特別感のある一枚になりそうな予感がします。こうした「微妙な色のニュアンス」を共有できるのも、対面で行う制作体験ならではです。
ポプラという素材の魅力
個性が強いからこそ、作品になる
ポプラは決して均一で扱いやすい木ではありません。
節や表情の出方に個体差があり、同じものは二つとない素材です。しかし、その不揃いさこそが、レジンテーブルとの相性を高めてくれます。どこを主役にし、どこをレジンで包み込むか。木と相談しながらデザインを決めていく工程は、既製品にはない面白さがあります。
レジンが引き立てる、木の存在感
レジンテーブルというと、どうしてもレジンに目が行きがちですが、エコロキアでは「木が主役」であることを大切にしています。ポプラの淡い色合いや自然な凹凸は、透明感のあるレジンによってより際立ちます。

レジンはあくまで引き立て役。木の魅力をどう見せるかを考えることで、作品全体の完成度が大きく変わってくるのです。
土曜日の楽しみ、さんろくカフェ
作業の合間のご褒美ランチ
午前中に作業を終え、土曜日のお楽しみといえば御所市のさんろくカフェ。
この日のランチは絶品のビーフシチューでした。じっくり煮込まれた深い味わいは、午前中の集中した作業の疲れを一気にほどいてくれます。

NHK奈良「ならナビ」を観たよ、と声をかけていただけるのも嬉しい時間。
こうした「楽しみ」があるからこそ、ものづくりの時間にもメリハリが生まれるのだと思います。
地域のコミュニティに溶け込む喜び
「NHK奈良の『ならナビ』観ましたよ」と声をかけていただき、常連さんたちに紹介してもらえる場面もありました。
少しずつですが、この土地のコミュニティの一員として受け入れてもらえているようで、素直に嬉しい気持ちになります。仕事を通して人とつながり、地域と関わっていけることは、エコロキアが大切にしている価値観のひとつです。
神戸に戻って、次の制作へ
直径50cm、丸テーブルの挑戦
御所市での作業を終え、そのまま神戸へ戻り、次は直径50cmの丸テーブル制作に取り掛かりました。
使用するのは個性的なカイヅカイブキ。形も表情も強い素材だからこそ、デザインはシンプルかつ大胆に。周囲を「海」に見立てたレジン表現にすることで、木の存在感をより引き立てる構成にしています。
年明け納品へ向けた“お正月の宿題”
まずは下地として、深さを表現するための濃いめのブルーグリーンのレジンを流し込みました。

完成形ではありませんが、この一層目があるかどうかで、最終的な奥行き感が大きく変わります。年明け早々に納品予定のこのテーブルは、いわばお正月休みの宿題。ゆっくりと、しかし確実に仕上げていく予定です。
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