エコロキアとはコラム

SNSで話題の“レジン床動画”を本気でやるとしたら?エコロキアがリアルに試算したら50万円/㎡!?

エコロキアとは
Screenshot

最近、Instagramやリール動画で「床にボトルやガラスを敷き詰め、レジンを一気に流して固める」という映像をよく見かけます。

「床+レジンなので、両方とも専門のエコロキアさんならできますか?」

というご相談を、実際にいただいています。

結論から言えば――技術的には可能です。

しかし、動画のようなやり方は物理的に不可能です。
その理由と現実的な費用・工程を、正直にお伝えします。

SNSのレジン床動画はなぜ現実的ではないのか

気泡処理をせず色々なものを置いている

脚をセットして
丸太の輪切りを配置して
砂利を敷き詰めています

この動画では輪切りにした丸太を並べて、周囲に砂利を敷き詰めています。
他の動画ではバーナーで焼いた板やLED、ビンや花などを入れていましたが、リアルにこれを制作する場合、あらかじめ気泡処理を行う必要があります。
またレジンは水よりも重いため入れるモノが浮いてくるため、浮かないように仮止めも必要です。

一気に流し込むことは物理的に成立しない

動画では、まるで水のように大量のレジンを一気に流し込んでいます。

さらにコケまで入れて
ホースでレジンを流し込み
硬化させるようです

しかし実際のレジンは、水とはまったく性質が違います。
高粘度であり、化学反応によって発熱しながら硬化する素材です。一度に大量に流し込めば内部温度が急激に上昇し、硬化不良やクラック、黄変、最悪の場合は発煙や発火の危険性もあります。そのため実際の施工では、必ず何層にも分けて注入し、硬化時間を確保しながら慎重に進めます。動画のような「バシャッと流して完了」は、物理的にも化学的にも成立しません。

火で炙るだけで気泡が消える?現実は全く違う

バーナーであぶって気泡を除去
ポリッシャーで磨くとピカピカの透明感
こんな魔法のようなポリッシャー欲しいです

動画では、バーナーで炙ると一瞬で気泡が消えていますが、気泡が消える段階はまだレジンが完全硬化していないため、当然土足で上がるなんてできません。また現実の施工では、気泡は単純な表面現象ではありません。下地の含水率、封入物の形状、温度差、層の厚みなどによって、内部から継続的に発生します。
そのため一層ごとに脱泡処理を行い、完全硬化を待ってから次の層を重ねる必要があります。

また、封入物が多い場合は内部に空気が残りやすく、固定処理も必要です。表面だけを炙っても内部の気泡は消えません。レジンは「重ねて、待って、確認して、また重ねる」素材です。透明度を出すためには時間と管理が不可欠です。瞬間的に完成する映像は、現実の施工工程を大幅に省略した演出、あるいは生成AIによる映像表現である可能性が高いと言わざるを得ません。

ポリッシャーだけで透明になる?現実は全く違う

レジンテーブルの研磨は各社によって多少の差はあるでしょうが、エコロキアの場合は#40から#240までは空研ぎ、#320~#10000までは水研ぎ、そしてコンパウンドを経てバフ掛け…と相当時間と労力を要します。

もしこんなに簡単に透明度が出るポリッシャーがあるのならぜひ欲しい!ですね。

家具を配置して
完成

本当に施工するならどれくらいの規模になるのか

施工期間はおよそ2ヶ月

10㎡規模のレジン床を実際に施工する場合、まず防水処理を徹底します。その後、封入物の固定、第一層の注入、硬化待ち、脱泡確認、次層注入という工程を繰り返します。レジンは完全硬化までに時間が必要で、層を重ねるごとに管理が求められ、その間、室温を20℃~25℃程度に保ったうえで、埃ひとつ落とせません。

この工程を省略すれば失敗します。

逆に丁寧に進めれば、唯一無二の床が完成します。実際には各層の硬化時間を含めて約2ヶ月を見込む必要があります。動画のように1日や数日で仕上がることはありません。レジンはスピード施工の素材ではなく、管理施工の素材です。

研磨工程は想像以上に過酷

完全硬化後、全面を平滑に研磨します。レジンは高硬度であり、面積が広がるほど作業負荷は急増します。10㎡の全面研磨は、レジンテーブルの何十倍もの作業量になります。粉塵対策、騒音対策、機械管理も必要です。

動画ではサンディングマシンが一度通過するだけで鏡面仕上げになりますが、実際には粗研磨から中研磨、仕上げ研磨へと段階を踏みます。透明度を出すには工程の積み重ねが必要です。ここを軽視すると、曇りや波打ちが残ります。美しいレジン床は、時間と根気の結晶です。

エコロキアだからこそ出来ること

床用レジン・デッキ用レジンの取り扱い

エコロキアではフロアー用レジン、さらに屋外ウッドデッキ用の耐候性レジンも取り扱っています。レジンテーブル制作で培った層分け技術や脱泡管理、全面研磨技術を応用することが可能です。また、無垢フローリングやウッドデッキにレジンを塗装することで、保護層やデザイン層を形成することもできます。

つまり「床全面を10cm埋める」という極端な方法でなくとも、レジンを活かす選択肢は多数あります。現実的な予算と工期で、美しさと機能性を両立させる提案が可能です。極端な演出ではなく、実用と美観のバランスを取るのが私たちの仕事です。

1㎡で最低50万円という現実

仮に6畳(約10㎡)の空間に厚み10cmでレジンを流し込むとすると、体積は約1㎥になります。比重を1.1と仮定すると重量は約1,100kg。
レジンが1kgあたり3,000円のものを使用した場合、レジン代だけで330万円。更にレジンの重さに耐えうるための下地補強、中に封入するものやLEDなど電気工事を要する場合はそれら費用も必要となります。

そして材料費約330万円に加え、施工管理費、工程管理、機械設備、保証対応などを含めると、10㎡で最低500万円規模になります。㎡あたり約50万円以上です。これは誇張ではなく、現実的なミニマムな数字です。

それでも「本気でやりたい」という方には、私たちは真剣に向き合います。軽いノリではなく、本気のプロジェクトとして。SNSの幻想ではなく、実在する空間として。

よくある質問

Q
レジン床は商業施設に向いていますか?
A

演出性は高いですが、重量増加や補修性の問題から慎重な構造検討が必要です。構造計算と防水計画を前提とすれば可能ですが、一般的な内装床とは設計思想が異なります。

Q
無垢フローリングの上にレジンを塗れますか?
A

可能です。ただし動きのある無垢材に対しては伸縮対策を講じた設計が必要です。全面固定型ではなく、制御型の塗装設計が求められます。

Q
屋外ウッドデッキにレジンは使えますか?
A

耐候性タイプを使用すれば可能です。ただし紫外線劣化や温度変化を考慮した厚み設計とメンテナンス計画が必要になります。

レジン床、本気で検討していますか?

SNSの映像のような魔法はありません。
しかし、本気で設計し、本気で施工すれば、唯一無二の空間は作れます。
全面レジン床という選択肢もあれば、無垢フローリングやウッドデッキにレジンを活かす方法もあります。
予算、構造、用途を整理しながら、現実的な提案を一緒に考えませんか?
「できるかどうか」ではなく、「どうすれば成立するか」を一緒に考える。
それがエコロキアの姿勢です。

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