コラムトチノキムクリペ研磨施工事例

無垢材は甦る|栃の一枚板テーブルを磨き直して分かった「本物の木」の力

集塵機付きサンダーで栃の一枚板テーブルを研磨している様子。粉塵を抑えながら均一に表面を整えている。 コラム
粉塵を抑えながら研磨できる集塵機付きサンダーを使用し、木目を潰さないよう慎重に磨き直します。仕上がりを左右する重要な工程です。

無垢材の魅力は、フローリングだけにとどまりません。
一枚板のテーブルや天板といった家具においても、無垢材は「手をかけることで甦る素材」です。今回はエコロキアにご依頼いただいた栃(トチ)の一枚板テーブルの磨き直し事例を通して、無垢材が持つ本来の力と、その美しさがどのように再生されるのかをご紹介します。

無垢材のテーブルは磨き直しで本当に甦るのか?

「削れる」ことが無垢材最大の強み

無垢材の家具が長く使える理由は非常にシンプルです。
それは表面を削って再生できる素材だからです。合板や突板仕上げの家具では、表面材が薄く、傷が入ると修復が困難ですが、無垢材は違います。数ミリ単位で研磨することで、内部に眠っていた新しい木肌が現れます。

側面から見た栃の一枚板テーブルの研磨作業。木目の流れを確認しながら磨き直している様子。
研磨はただ削れば良いわけではありません。木目の流れや杢の出方を見極めながら、均一になるよう調整していきます。

今回の栃の一枚板テーブルも、長年の使用によって表面に細かな傷や色ムラが見られました。しかし構造的な問題はなく、磨き直しによって十分に再生可能な状態でした。

「古くなる」のではなく「育つ」素材

無垢材は時間が経つと劣化する素材ではありません。
正確には、経年変化によって表情を変えていく素材です。色合いが深まり、木目がよりはっきりと浮かび上がる。これこそが無垢材が「味わい深い」と言われる理由です。

今回の栃の一枚板テーブル再生事例

研磨によって現れた栃特有の美しい杢目

今回ご依頼いただいた栃の一枚板テーブルは、サイズ・厚みともに非常に立派な個体でした。
経年によってやや白けた印象になっていましたが、研磨を進めることで栃特有の流れるような杢目が再び現れました。

栃の一枚板テーブルをオービタルサンダーで磨き直している作業風景。表面の色ムラを均一に整えている工程。
長年使われた栃の一枚板テーブルを、専用の研磨機で丁寧に磨き直していきます。無垢材は表面を整えることで、本来の木肌が再び現れます。

栃は光の当たり方で表情が変わる木です。磨き直しによって、その個性がはっきりと蘇ります。

プラネットカラー仕上げで新品のような輝きへ

研磨後は、木材の質感を活かすためにプラネットカラーで仕上げました。
過度なツヤを出さず、木の温かみを残しながら、しっかりと保護する仕上げです。結果として、まるで新品のような清潔感と、無垢材らしい深みを両立することができました。

塗装済み(左)と未塗装(右)の栃の一枚板テーブルの比較。仕上げによって色味と杢目の立体感が変化している様子。
左側が塗装済み、右側が未塗装の状態。仕上げを施すことで、栃特有の杢目が際立ち、色味と奥行きが大きく変わることが分かります。

無垢材の魅力とは何か?

「手入れすれば一生使える」という価値

無垢材最大の魅力は、使い捨てにならないことです。
フローリングでも家具でも、適切なメンテナンスを行えば、数十年、場合によっては世代を超えて使い続けることができます。

表面の傷さえも「失敗」ではなく、「次に磨き直す理由」になる。これが人工素材にはない価値です。

栃はなぜ高級材とされるのか

栃は古くから「神の木」とも呼ばれ、神社仏閣や高級家具に用いられてきました。
柔らかな光沢、複雑な杢目、時間とともに増す風格。これらが合わさり、空間に自然な高級感をもたらします。

一枚板テーブル磨き直しの重要ポイント

  1. 表面の傷を取る工程
    まずは既存の塗膜や傷を均一に除去します。この工程は機械任せではなく、木の状態を見ながら慎重に進める必要があります。
  2. 木目を最大限に引き出す
    研磨番手の選定は非常に重要です。粗すぎれば荒れ、細かすぎれば木の表情が眠ってしまいます。栃の個性に合わせた研磨が必要です。
  3. 仕上げで寿命が決まる
    仕上げに何を使うかで、触感・耐久性・経年変化の仕方が大きく変わります。用途と好みに合わせた選択が不可欠です。

無垢材だからできること、できないこと

できること

・磨き直しによる再生
・色味や質感のリセット
・部分補修
・経年変化を楽しむ

できないこと

・大きな構造割れの完全修復
・薄く削りすぎた天板の再生
・合板や突板家具の磨き直し

無垢材は「再生できる贅沢」

無垢フローリングだけでなく、一枚板のテーブルも、無垢材であれば磨き直しによって美しさを甦らせることができます。
今回の栃の一枚板テーブルも、再び新たな時間を刻み始めました。無垢材は、使い捨てではなく、手をかけながら付き合う素材です。

無垢材を「買い替える前」にできることがあります

無垢材の家具やフローリングは、「古くなったから終わり」ではありません。
表面を整え、適切な仕上げを施すことで、素材が本来持っている美しさは何度でも甦ります。ただし、すべてが再生できるわけではなく、木の状態や過去の加工履歴によって「できること・できないこと」ははっきり分かれます。
エコロキアでは、無垢材を熟知した立場から、磨き直しが可能かどうかを正直に見極めたうえでご提案しています。買い替える前に、一度だけ「再生できる可能性」を確認してみませんか。

よくある質問(FAQ)

Q
一枚板テーブルは何回くらい磨き直せますか?
A

一般的な厚み(40〜60mm)の一枚板であれば、数回の磨き直しが可能です。使用状況や過去の研磨履歴によって異なります。

Q
自分でサンディングしても大丈夫ですか?
A

軽い表面ケア程度であれば可能ですが、本格的な磨き直しは機材と経験が必要です。ムラや波打ちの原因になります。

Q
栃以外の一枚板も対応できますか?
A

はい。ウォルナット、オーク、モンキーポッドなど、多くの樹種で対応可能です。

Q
再塗装は必須ですか?
A

はい。研磨後は必ず仕上げ塗装を行います。無塗装では汚れや水分を吸いやすくなります。

Q
磨き直しの期間はどれくらい?
A

天板サイズや状態にもよりますが、1〜2週間程度が目安です。

Q
一枚板テーブルの磨き直しは、どこで作業するのですか?
A

磨き直しは、お客様の状況に合わせて2つの方法からお選びいただけます。
ひとつは、出張してご自宅で磨き直しを行う方法です。設置場所から動かせない大型テーブルや、搬出が難しい場合に適しています。もうひとつは、エコロキアのアトリエへお送りいただき、設備の整った環境で磨き直す方法です。状態やサイズ、仕上げ内容に応じて、最適な方法をご提案しますので、まずはお気軽にご相談ください。

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