なぜボルドーパインに「10mmの隙間」が必要なのか?
海外では常識?板と壁の間に10mmあける理由
今回ご紹介するのは、大阪府でボルドーパイン無垢フローリングをご採用いただいた施工事例です。施工前にお施主様からこのようなご質問をいただきました。
「私の国では、板と壁の間に10mmの隙間を設けるのが一般的です。日本のパインでも必要でしょうか?」
この質問は非常に本質的です。無垢フローリングは生きた木材であり、湿度の変化によって必ず伸縮します。特にパインのような針葉樹は比較的柔らかく、含水率の変動による動きも無視できません。
日本は四季があり、梅雨や夏場の高湿度、冬場の乾燥という環境差が大きい国です。そのため、海外同様に「逃げ」を確保する施工は理にかなっています。
結果として、日本でも板と壁の間に約10mmのクリアランスを設ける施工を推奨しました。これは美観よりも“長期安定性”を優先した判断です。
日本の気候でも無垢材は動く
「日本の木材は動きにくいのでは?」と誤解されることがありますが、実際にはその逆です。
日本は湿度差が大きく、年間を通して木材にとっては過酷な環境でもあります。
冬に施工して夏を迎えたとき、隙間を取っていなければフローリングが突き上げる可能性があります。逆に夏施工の場合は、冬に隙間が目立つこともあります。無垢材は完璧に固定するものではなく、“動くことを前提に設計する”ものです。
今回の施工では、床用ネジと接着剤を併用する仕様としながらも、伸縮を妨げない設計にしています。見えない部分の配慮こそが、無垢フローリングの品質を決定づける重要なポイントです。
ボルドーパインが生み出すやわらかな空間
和室との相性が良い理由
施工後にお送りいただいたお写真からも分かる通り、ボルドーパインの柔らかな木目と節は、和室の障子や木枠との相性が非常に良い樹種です。

日本の湿度変化にも配慮した無垢フローリング施工で、伸縮に備えながら美しく整った仕上がりとなりました。
パインは明るく、赤みが強すぎないため、空間を圧迫しません。節があることで“自然素材らしさ”が際立ち、どこか北欧の住宅のような温かみも感じられます。和と北欧は意外にも親和性が高く、どちらも自然素材を活かす文化を持っています。
今回の寝室では、ベッド周りに余白を持たせたシンプルなインテリアに仕上がっており、床が主張しすぎず、それでいて存在感のある空間になっています。
結果に満足いただけた理由
施工完了後、お施主様から
「ご協力ありがとうございます。結果に満足しています。」
というメッセージをいただきました。
これは単に材料が良かったからではありません。事前の質疑応答で施工方法を共有し、伸縮対策を含めた設計思想を共有できたことが大きいと感じています。
無垢フローリングは「売って終わり」ではありません。施工方法、環境、住まい方まで含めて考える素材です。今回のように文化や施工常識が異なる場合でも、木の性質に立ち返れば答えはシンプルになります。

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無垢フローリング施工で失敗しないために
ネジ+接着剤施工は正しいのか?
ネジ止めと接着剤の併用は一般的な施工方法ですが、下地条件や含水率によって適切な方法は変わります。全面接着が向いているケースもあれば、ネダレス構造で浮かせる設計が適している場合もあります。
大切なのは「固定すること」ではなく、「制御すること」です。木材は止めるのではなく、動きを読んで逃がす。その発想がないと、数年後に不具合が出る可能性があります。
DIYでもできる?できない境界線
今回のようなケースでは、施工知識があればDIYも可能です。しかし、含水率管理や下地の平滑性確認、防湿対策など、見えない工程が仕上がりを左右します。
DIYで可能なのは「施工そのもの」。難しいのは「環境判断」です。ここを間違えると、材料のポテンシャルを活かせません。
迷う場合は、施工前に一度相談することをおすすめします。
よくある質問
- Qパイン材は他の無垢材より伸縮が大きいですか?
- A
パインは比較的柔らかい針葉樹であり、広葉樹よりも含水率変化の影響を受けやすい傾向があります。ただし、施工方法とクリアランス設計が適切であれば問題ありません。重要なのは樹種そのものよりも、施工設計と環境条件です。
- Q10mmの隙間は必ず必要ですか?
- A
必ず10mmとは限りません。部屋の広さ、樹種、施工時期、地域の湿度条件によって適正値は変わります。ただし、無垢材である以上、壁際に逃げを確保する設計は必須です。
- Q日本で海外基準の施工をしても問題ありませんか?
- A
木材の性質は世界共通です。地域差はありますが、物理的特性は変わりません。むしろ、湿度差の大きい日本では慎重な設計が有効です。
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