エコロキア家具コラム

数千年眠っていた木を、暮らしの中へ 神代木という素材とレジンテーブルの関係

神代ニレ一枚板素材を俯瞰で撮影 レジンテーブル素材としての全体バランスが分かる エコロキア家具
形状や割れの入り方を見ながら レジンの使い方を検討していく段階の素材です

神代木という名前を初めて聞いた方へ

神代木(じんだいぼく)という言葉は、普段の暮らしの中ではあまり耳にすることがないかもしれません。僕自身も、木の仕事に深く関わるようになるまで、特別な存在として意識することはありませんでした。
神代木とは、数百年から数千年という長い時間、地中や水中に埋もれていた木のことを指します。火山活動や地殻変動、洪水などによって倒れ、そのまま空気に触れず保存されてきた木です。

神代ニレの一枚板をレジンテーブル用素材として屋外で撮影した写真 耳部分には長い時間を経た風化の跡が残っている
長い年月を地中で過ごした神代ニレ 特有の荒れた耳と落ち着いた色味が素材の個性として残っています

腐ってしまいそうに感じますが、酸素の少ない環境下では分解が進まず、木としての形を保ったまま眠り続けることがあります。
それが偶然掘り出されたとき、神代木として扱われるようになります。

なぜ神代木は希少なのか

神代木が希少とされる理由は、単純に古いからではありません。
人の手で育てることも、計画的に生み出すこともできないからです。

神代ニレ一枚板の天面 杢目が穏やかに流れる様子が分かる
派手さはありませんが 光の当たり方で穏やかな表情の変化が楽しめる杢目です

どこに眠っているか分からない。
掘り出せるかどうかも分からない。
掘り出しても、材として使える状態かどうかは分からない。

この偶然の連続をくぐり抜けて、初めて素材として成立します。
さらに、日本では文化財的な扱いを受けるケースもあり、伐採や流通が制限されることもあります。
結果として、市場に出回る量はごくわずかになります。

エコロキアで扱っている神代木も、いつでも在庫があるわけではありません。
巡り合わせがあったときにだけ、ご紹介できる素材です。

神代ニレという樹種の特徴

今回、レジンテーブル素材として扱っているのは、神代ニレです。
ニレはもともと、繊維が強く、粘りのある木として知られています。

神代ニレ一枚板素材を側面から撮影 厚みと奥行きが分かる写真
レジンテーブルに仕立てた際の重厚感を想像できる 厚みのある素材です

そのニレが、神代木として長い時間を経ることで、色味は深く落ち着き、杢目は派手さよりも、静かな表情を持つようになります。
触れると硬さの中に、わずかな柔らかさがあり、時間を経た木ならではの密度を感じます。

神代ニレ一枚板の風化部分と健全部の境界 自然なコントラストが見える
長い時間を経た痕跡が残る部分と 健全な木部のコントラストがこの素材の魅力です

割れや欠け、風化した耳の部分も多く残っていますが、それは欠点というより、その木が歩んできた時間の痕跡だと僕は考えています。

神代木とレジンテーブルの相性について

神代木は、いわゆる全面をレジンで覆うデザインとは、あまり相性が良い素材ではありません。
木の存在感が強すぎるからです。
エコロキアで神代木を使う場合、レジンは主役ではなく、補助的な役割として使います。
割れや欠け、くぼみを最小限補い、木の形を崩さないように整える。

この引き算の考え方が、神代木とレジンをつなぐポイントです。

レジンを流すことで、木の時間を隠してしまうのではなく、木が積み重ねてきた時間を、そっと支えるために使う。
そんな距離感が、神代木には合っていると感じています。

エコロキアが神代木を扱う理由

エコロキアでは、扱いやすい素材だけを選ぶことはしていません。
手がかかる素材、扱いを間違えると魅力を失ってしまう素材。

神代ニレ一枚板の木口断面 年輪の詰まりと色の濃淡が確認できる
木口を見ると年輪の密度や乾燥状態が分かります 神代ニレらしい締まった木質が感じられます

そうした木も含めて、天然木の面白さだと考えています。

神代木は、決して万人向けの素材ではありません。
表情は渋く、サイズも形も不揃い、価格も一般的な一枚板より高くなることが多いです。

それでも、この木にしかない時間の重なりに価値を感じる方がいます。
そういう方に、ちゃんと届く場所として、エコロキアは神代木を扱っています。

素材選びで大切にしてほしいこと

神代木に限らず、レジンテーブルの素材選びで大切なのは、流行や写真映えだけで決めないことです。

どんな時間を過ごす場所に置くのか。
どんな空間で使われるのか。

それによって、向いている素材は変わります。

神代ニレ一枚板の耳部分 自然に形成された凹凸と割れが残る状態
加工では作れない自然なえぐれや凹凸が 神代ニレの素材感を強く印象づけます

神代木は、静かな空間、落ち着いた時間、長く使い続ける前提の場所に向いています。

ニレ以外の神代木も取り扱っています

今回紹介しているのは神代ニレですが、エコロキアで扱っている神代木は、それだけではありません。
タイミングやご縁次第にはなりますが、ニレ以外の樹種、スギやヒノキ、ケヤキ、クスノキなどの神代木をご案内できることもあります。

神代木は、どの樹種であっても共通して「時間を経た木」ではありますが、樹種が変われば表情も性格もまったく異なります。
色味の深さ、割れ方、風化の仕方、そして木としての重さや密度感も、それぞれ違います。

たとえば同じ神代木でも、落ち着いた褐色に近いものもあれば、黒味が強く、ほとんど墨のような印象を持つものもあります。

また、割れが大きく入りやすいもの、逆に驚くほど形を保ったまま残っているものもあります。

どれが良くて、どれが劣っているという話ではありません。
その木が、どんな環境で、どれだけの時間を過ごしてきたのか。
その違いが、今の姿にそのまま表れているだけです。

だからこそ、エコロキアでは「神代木だからおすすめする」ということはしていません。
素材としての状態、使われる空間、レジンをどこまで使うのか。

そうした条件を一つずつ整理したうえで「この木なら、ちゃんと活きる」と判断できた場合にだけ、ご提案しています。

神代木は、常に選べる素材ではありません。
在庫として並べておくことも難しく、出会えるかどうかは本当にタイミング次第です。

もしニレ以外の神代木に興味がある場合も、
「今、どんな素材があるのか」
「どんな使い方が現実的か」
そういったところから、ゆっくり話をする形になります。

希少だから選ぶのではなく、その木の時間や表情に、納得できるかどうか。
その視点で考えてもらえたら、神代木という素材は、きっと面白く感じてもらえると思います。

よくある質問

Q
神代木は強度的に問題ありませんか
A

神代木は、適切に乾燥と選別を行えば、家具材として問題なく使用できます。
ただし、素材ごとの状態確認は欠かせません。

Q
神代木は必ずレジンと組み合わせる必要がありますか
A

必須ではありません。
割れや欠けの状態によっては、木だけで仕上げるケースもあります。

Q
神代木は色味が変化しますか
A

経年変化はしますが、一般的な木材より変化は穏やかです。
深みが増していく印象です。

Q
神代木は手入れが難しいですか
A

特別に難しいわけではありません。
通常の無垢材と同様、定期的な乾拭きと環境管理が基本です。

Q
神代木は常に選べますか
A

いいえ、在庫があるときのみのご案内になります。
タイミング次第です。

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