床暖房とフローリングの基本知識
床暖房は足元から部屋全体をじんわり温める快適な暖房方式として、多くの住宅に導入されています。冬場の寒さ対策として人気ですが、使用する床材によっては注意が必要です。特に無垢フローリングは天然木をそのまま加工しているため、温度や湿度の変化に敏感で、施工や使用方法を誤ると割れや反りなどのトラブルに繋がります。
実は、これは無垢材に限った話ではありません。複合フローリングや突板フローリング、樹脂系のフローリングでも「床暖房の上にラグやカーペットを敷くこと」は推奨されていません。床暖房メーカーの取扱説明書にも明確に記載されているほど、床材を守るうえで重要な注意点なのです。
床暖房とカーペットを併用するリスク
「床暖房の上にカーペットを敷いた方が暖かいのでは?」と考える方も多いでしょう。しかし実際にはその逆で、熱効率が下がり、床材にダメージを与えるリスクが高まります。
熱がこもりすぎて床材を痛める
カーペットやラグを床暖房の上に敷くと、床面とカーペットの間に熱がこもってしまいます。その結果、床材が過乾燥状態に陥り、ひび割れや反りを引き起こす原因になります。
無垢フローリングの割れ
特に天然木の無垢フローリングは含水率の変化に敏感です。床暖房対応とされている無垢フローリングでも、熱がこもった状態が続けば割れは避けられません。割れが軽微であればパテ埋めなどの補修で対応できますが、広範囲に渡る割れが発生した場合は貼り替えが必要になります。
床暖房で割れが発生した実例
今回ご紹介するのは、ノルディックパインの床暖房対応無垢フローリングに発生した割れの補修事例です。

床暖房の使用環境下で、カーペットを敷いていたため熱がこもり、写真のように大きな割れが生じてしまいました。
補修作業の難しさ
床暖房が施工された部屋でのフローリング補修は、通常の張り替えとは比べ物にならないほど繊細な作業が求められます。
丸ノコが使えない理由
通常のフローリング撤去では丸ノコを使用して一気に切断していきます。しかし床暖房の場合、その下には温水配管が通っています。誤って丸ノコで配管を傷つけてしまえば大規模な修繕が必要となり、莫大なコストが発生します。
そのため撤去作業は少しずつノミで削っていくという、非常に手間のかかる方法を取らざるを得ません。

銀色のフィルムの正体
割れたフローリングを撤去すると、下には銀色のフィルムが現れます。このフィルムの下には温水の配管が通っており、施工の難易度が高い理由がここにあります。

無垢フローリングだからこその救い
今回の現場では不幸中の幸いもありました。使用されていたノルディックパインは比較的柔らかい樹種で加工性が良く、大工の手仕事での撤去作業が可能でした。また、施工した大工が床暖房部分に接着剤を使っていなかったため、撤去がスムーズに進んだ点も幸いでした。
結果として、必要な部分のみを貼り替えることで部屋全体の美観を取り戻すことができました。

床暖房と無垢フローリングを両立させるためのポイント
床暖房と無垢フローリングは正しい知識と使い方をすれば両立できます。
注意すべきポイント
- カーペットやラグは敷かない
- 床暖房対応フローリングを選ぶ
- 適切な湿度管理を行う(加湿器を併用すると効果的)
- 施工経験豊富な職人に依頼する
これらを守ることで、床暖房の快適さと無垢材の温もりを長く楽しむことができます。
床暖房と無垢フローリングは正しい使い方がカギ
床暖房は快適な設備ですが、無垢フローリングと併用する場合には特有の注意点があります。特にカーペットを敷くことによるリスクは意外と知られておらず、施工現場でもトラブルが後を絶ちません。
エコロキアでは、こうした繊細な無垢フローリングの補修や施工にも豊富な実績があります。難しい工事こそ、専門知識と職人技が求められるのです。

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