無垢フローリングやウッドデッキを取り扱っていて、基本的にはミリ単位で話をしますが、大工さんとの話になると「尺(しゃく)」「寸(すん)」「間(けん)」など昔の用語は今でも現場では活用されています。
また北米材になると「インチ」「フィート」などが現れて、ホームセンターなどでも2×4(ツーバイフォー)などインチを基準とした商品が当たり前のように並んでいます。
今回は日本と海外の木材規格について簡単にご説明致します。
そもそも木材規格は、建築や製造業で使用される木材の品質や寸法、強度を定めた基準であり、各国や地域ごとに異なる特徴を持っています。
1. 日本の木材規格
JAS規格(日本農林規格)
日本における木材規格の中心は、農林水産省が定める日本農林規格(JAS規格)です。
JAS規格は、木材や木材製品の品質を保証するための規格で、以下のような特徴があります。
- 対象品目: 無垢材、集成材、合板、LVL(単板積層材)など。
- 強度分類: 木材の種類ごとに曲げ強度、圧縮強度、剪断強度が測定され、それに基づいてグレードが定められます。更に細かく目視等級材、機械等級材、無等級材の3つに分類され、機械等級材は、機械でヤング係数(材料の強度や弾性を表す指標)を測定して等級区分された木材です。ヤング係数Eと曲げ強さFで区分され、Eが大きいほど変形しにくく、Fが大きいほど強度が大きくなります。
- 例: 無垢材の場合はE50、E65などのグレード。
- 寸法基準:
- 板材、角材などの形状ごとに標準寸法が規定されています。
- たとえば、角材の断面寸法は105×105mmや120×120mmが一般的です。
- 認証システム:
- JAS認定を受けた工場のみがJASマークを表示できます。
- 消費者に品質を保証するため、厳格な検査が行われます。
JIS規格(日本工業規格)
木材の中にはJIS規格(日本工業規格)が適用される製品もあります。
特に建築用途で使用される場合、木材を含む建築資材の性能がJIS規格で定められることがあります。
- 例: 木材の防火性能や接着剤の品質試験など。
その他の規格
- 建築基準法に基づく基準:
- 木材の使用にあたっては、建築基準法の規定も重要です。
- 例: 構造材として使用する際の寸法や強度要件。
2. 海外の木材規格
海外では地域や国によって多様な木材規格が存在します。ここでは、代表的な地域ごとの規格について説明します。
北米(アメリカ・カナダ)の木材規格
北米では、木材規格は主に以下の2つの団体によって管理されています。
- ASTM(アメリカ材料試験協会):
- ASTM規格は、木材の強度や性能試験を行うための基準を提供します。
- 例: ASTM D143(木材の基本的な物理的・機械的性質の試験方法)。
- NLGA(National Lumber Grades Authority):
- 北米の木材の等級を定める団体。
- 木材は「#1」「#2」などの等級で分けられ、等級に応じた用途が指定されます。
特徴:
- 寸法基準:
- 北米では、2×4材や2×6材などの公称寸法(インチ)が一般的です。ただし、実際の寸法は公称寸法より小さくなります。
- 例: 2×4材の実寸は38x89mm。
- 乾燥基準:
- 含水率19%以下を「KD」(Kiln-Dried)と定義。
ヨーロッパの木材規格
ヨーロッパでは、統一された規格であるEN(欧州規格)が広く使用されています。
- EN 14081(構造用木材の強度分類):
- ヨーロッパでは、木材の強度は機械的試験や視覚的検査により分類されます。
- グレード: C24、C30など(Cは構造用を示し、数字は曲げ強度を示す)。
- 寸法基準:
- ミリ単位で標準化されており、幅広いサイズが規定されています。
特徴:
- ヨーロッパでは、構造材の乾燥度や寸法精度に厳しい基準が適用されます。
- CLT(直交集成板)やLVLなどのエンジニアードウッドの規格が発展している。
オーストラリア・ニュージーランドの木材規格
- AS/NZS 1748(構造用木材の強度試験)
- 木材の強度試験や乾燥基準を定める規格。
- 公称寸法と実寸の違いがあり、北米と似た規格。
- 乾燥基準:
- 含水率が16%以下のものが標準。
3. 日本と海外の木材規格の主な違い
寸法基準
- 日本:
- 日本の木材規格はミリ単位で規定され、標準寸法が厳密に定められています。
- 例: 105x105mm、120x120mm。
- 海外:
- 北米ではインチ単位が一般的で、公称寸法と実寸の差があります。
- ヨーロッパやオーストラリアではミリ単位ですが、サイズの柔軟性が高い。
強度分類
- 日本:
- 無垢材、集成材、LVLなどの各製品ごとに異なる分類基準があります。
- 日本は地震が多いため、耐震性が強調されています。
- 海外:
- 北米ではNLGAやASTMに基づく視覚的検査が一般的。
- ヨーロッパではCグレード(C24、C30など)が標準化されており、機械的試験が重視されます。
含水率基準
- 日本:
- JAS規格では、用途に応じて含水率が規定されています。
- 乾燥材と未乾燥材で明確に分類されます。
- 海外:
- 北米やオーストラリアでは、乾燥材の基準が厳格(KD材: 含水率19%以下)。
- ヨーロッパではさらに乾燥が進んでおり、含水率16%以下が一般的。

日本と海外の木材規格には、寸法基準、強度分類、乾燥基準などで大きな違いがあります。日本の規格は、地震対策や伝統的な木造建築を意識した独自の基準が特徴的です。一方で、海外では効率的な工業生産や国際的な取引を念頭に置いた規格が採用されています。
これらの違いを知ると、輸入木材に書かれた記号の意味が理解でき、木材選びがさらに楽しくなるでしょう。
コメント