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バーズアイ(鳥眼杢)とは何か|メープル無垢材に現れる希少な杢の正体

バーズアイ杢が全面に現れたメープル無垢フローリング材 加工前の板材 コラム
板全体に広がるバーズアイ(鳥眼杢)。通常のメープルとは一線を画す存在感があり、高級家具材としても評価される希少な無垢フローリング素材です。

メープルの無垢フローリングをカットしていたら珍しい杢目が入っていたのでご紹介します。
残念ながら無垢フローリングに必ず入っているわけではありません。しかし、一枚板やレジンテーブル用の素材として「探す価値のある杢」があります。それがバーズアイ(鳥眼杢)です。

淡い乳白色のメープルの中に、無数の小さな“目”のような杢が浮かび上がるこの表情は、偶然の産物でありながら、人工では再現できません。家具材や楽器材として高級材に分類される理由は、その希少性だけではなく、光の受け方によって立体的に揺らぐ独特の存在感にあります。

今回は、このバーズアイ(鳥眼杢)について、構造・希少性・用途・選び方まで詳しく解説します。

バーズアイ(鳥眼杢)の正体

なぜ“目”のような模様が生まれるのか

バーズアイとは、メープル材に現れる小さな渦状の杢目です。英語でBird’s Eye(鳥の目)と呼ばれる通り、点在する円形の杢が特徴です。これは木の成長過程における異常成長や芽の形成が原因と考えられていますが、完全なメカニズムは解明されていません。

重要なのは「意図的に作れない」という点です。

バーズアイは計画的に育てることができず、自然発生的に現れます。そのため、原木の段階で確認できても、製材して初めて全面に出るかどうかがわかるケースもあります。つまり、製材段階まで価値が確定しない、非常に不確定要素の大きい杢なのです。

その偶然性こそが価値の源泉であり、同じものは二つと存在しません。

通常のメープルとの違い

通常のメープルはきめ細かく均一で、清潔感のある木目です。無垢フローリングとしても人気があります。一方バーズアイ入りのメープルは、均一な中に無数の小さな立体的な凹凸が現れます。

光を当てると杢の部分だけが反射し、奥行きが生まれます。
これは平面的な木目とは明らかに違う表情です。床材として全面に使用すると強い個性になりますが、一枚板やレジンテーブルとして使うと、主役級の存在感になります。

バーズアイは“派手”というより“繊細に主張する杢”です。だからこそ、空間の質を静かに引き上げます。

バーズアイは無垢フローリングに入っているのか?

フローリングとしては非常に稀

無垢フローリング材としてバーズアイが全面に入ることはほとんどありません。

メープル無垢フローリングのバーズアイ(鳥眼杢)拡大写真 淡色の中に浮かぶ細かな杢目
淡い乳白色のメープルの中に無数に現れる鳥眼杢。
小さな“目”のような杢が立体的に浮かび上がり、光の当たり方で繊細に表情が変化します。

理由は単純で、原木の中でも発生率が低いからです。仮に入っていたとしても、選別工程で家具材や楽器材に回されることが多く、床材として流通するケースは極めて限定的です。

つまり「無垢フローリングに必ず入っているわけではない」というより、「ほぼ入っていない」と言った方が正確です。

床材として均一性を求める市場と、希少杢としての市場は評価軸が異なります。

一枚板・レジンテーブル材として探す価値

バーズアイは、面積が限定された用途に向いています。一枚板テーブルやレジンテーブルは、その代表例です。

特にレジンと組み合わせると、杢の立体感がより強調されます。透明レジンや淡色レジンと組み合わせると、杢の奥行きが増幅されます。逆に濃色レジンと合わせると、鳥眼が浮き上がるような演出も可能です。

床全体では強すぎる表情も、テーブルサイズであれば圧倒的な個性になります。だからこそ、バーズアイは「床材として探す」のではなく、「一枚板材として探す」という発想が合理的です。

バーズアイ材を選ぶ際の判断基準

杢の密度とバランス

バーズアイは多ければ良いわけではありません。密度が高すぎると視覚的に騒がしくなります。逆に少なすぎると通常メープルとの差が分かりにくくなります。

重要なのは“面全体のバランス”です。中心に集まっているのか、全体に均一に広がっているのか。用途によって適切な分布は変わります。ダイニングテーブルであれば中央部に集中していても良いですが、デスク用途なら視線の中央に来る位置を意識する必要があります。

杢は感覚的に選ぶものですが、用途を決めてから選ぶことで後悔は減ります。

乾燥と安定性

バーズアイが入ったメープルは、通常材よりも繊維が乱れている部分があります。そのため、乾燥管理が甘いと反りや動きが出やすくなります。

含水率管理が適切か、十分な乾燥期間を経ているかは必ず確認すべきポイントです。希少性だけで判断すると、将来的なトラブルにつながる可能性があります。

杢の美しさと材の安定性は、両立して初めて価値になります。

よくある質問

Q
バーズアイは人工的に作れますか?
A

作れません。バーズアイは自然発生する杢であり、人工的に再現することはできません。似た表情をプリントや突板で再現することは可能ですが、本物の立体的な反射や奥行きは無垢材でしか得られません。

Q
バーズアイは傷が目立ちやすいですか?
A

通常のメープルと同等の硬さを持ちますが、杢の凹凸によって光の反射が複雑になるため、小傷は比較的目立ちにくい傾向があります。ただし艶仕上げにすると光沢で傷が見えやすくなるため、仕上げ選びが重要です。

Q
価格はどのくらい違いますか?
A

通常メープルと比較して、バーズアイ入り材は希少性が高いため価格は上がります。具体的な価格差は杢の密度や板幅、長さによって大きく変わります。原木段階での評価も影響するため、一定の相場は存在しますが個体差が大きいのが特徴です。

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