無垢フローリングは「育てる床」
無垢フローリングは、天然木ならではの温もりと質感を楽しめる反面、使用しているうちに必ずと言っていいほど「凹み」「傷」「汚れ」「塗膜の剥離」など、さまざまなトラブルが発生します。
「無垢だから削れば全部消える!」と誤解されがちですが、実際にはそう簡単ではありません。
樹種や塗装の状態、トラブルの種類や深さによって補修の可否は異なり、プロの現場でも“削ってみなければ分からない”ということもあります。
今回は実際の補修事例を交えながら、無垢フローリングのトラブル別対処法をご紹介します。
無垢フローリングで起こりやすいトラブルとは?
1. 凹み
重たい家具や物を落とした際にできる小さな凹み。無垢材は繊維がつぶれている状態なので、完全に削らなくても「アイロンを使った補修」で回復することが可能です。
2. 傷
引きずり傷やペットの爪跡などは、軽微なものなら研磨で消すことができます。ただし深い傷は研磨では取り切れず、部分的に着色補修を行うこともあります。
3. 汚れ
食べ物や飲み物のシミは比較的浅く、表面研磨で取り除ける場合が多いです。しかし、カビや油染みなど木の内部にまで浸透したものは、削っても残ってしまうことがあります。
4. 輪ジミ
観葉植物の鉢やコップの結露によってできる「輪ジミ」。表面的なものなら研磨で除去可能ですが、内部まで浸透している場合は着色でぼかすなど別のアプローチが必要です。
5. 塗膜の剥離
ウレタン塗装などの表面塗膜は経年劣化で剥がれることがあります。研磨して再塗装することで美しさを取り戻せますが、下地の状態によっては難しい場合もあります。
【事例】アカシア無垢フローリングをアイロンで補修
大阪市内の賃貸マンションで、数年前に納品したアカシア無垢フローリング。退去後のメンテナンスに伺ったところ、比較的きれいに使われていたものの、よく見ると軽微な凹みが散見されました。
この場合はアイロンを使った補修が効果的です。
濡れタオルを凹みに当て、スチームアイロンで加熱することで、木の繊維が膨張して元の状態に近づきます。すべてが完全に消えるわけではありませんが、削らずに回復できるのは無垢材ならではの特性です。
【事例】輪ジミを研磨で再生
次の事例は、観葉植物の鉢を置いていた場所にできた輪ジミの補修です。バーチの無垢フローリングにはっきりと白い輪が残っており、見た目に大きな影響を与えていました。
サンディングを行い、段階的にペーパーの粒度を細かくしていくと、徐々に輪ジミは目立たなくなり、最終的にはほとんど分からないほどに再生。塗装を施すことで、艶やかで自然な仕上がりに戻りました。
ただし、すべての輪ジミがこのように消えるとは限りません。深くまで浸透している場合は着色で目立たなくする、あるいは全面研磨を検討する必要があります。
無垢フローリング補修の「出たとこ勝負」とは?
私たちプロの現場でも、無垢フローリングの補修は「出たとこ勝負」な部分があります。
なぜなら、
- どれだけシミが深いかは削ってみないと分からない
- 凹みがどこまで戻るかは繊維の状態による
- 塗装の劣化具合は実際の研磨で初めて明らかになる
といったように、施工前の段階では判断が難しいからです。
それでも多くのケースでは、適切な技術と経験によって美しく再生させることが可能です。
無垢フローリングを長持ちさせるための予防策
1. 観葉植物の鉢には受け皿を
輪ジミの原因となる水分の染み込みを防ぐため、必ず受け皿を使用しましょう。
2. 定期的なメンテナンス
ワックスやオイルを定期的に塗布することで、木の表面を保護し、汚れの浸透を防ぎます。
3. 家具の下にフェルトを
凹みや傷を防ぐために、椅子やテーブルの脚にはフェルトを貼っておくことが有効です。
4. 早めの対処
シミや汚れを発見したら、できるだけ早く拭き取る・相談することが、被害を最小限に抑えるコツです。
無垢フローリングの魅力は「再生できる」点にあります。しかし、その補修方法はトラブルの種類や程度によって異なり、必ずしも削れば解決するわけではありません。
- 凹みはアイロンで回復できることがある
- 傷や塗膜剥離は研磨で再生可能
- 汚れや輪ジミは削って消える場合もあれば、着色でぼかす必要がある場合もある
- カビや深いシミは完全には取れないこともある
つまり、無垢フローリングの補修は「症状と状態を見極めること」が何より大切です。
エコロキアでは、数多くの施工事例とノウハウをもとに、お住まいに合わせた最適な補修方法をご提案しています。ぜひお気軽にご相談くださいね。

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