トラックの荷台や船舶用甲板など、過酷な環境で活躍する木材として知られるアピトン(マレーシアでは「クルイン」)。
その強さと独特の存在感は、無垢フローリング材としても注目されています。ただし、頑丈さだけではなく、特有の性質やメリット・デメリットがあり、他の木材とは一味違う存在です。今回はそんなアピトンという木材の特徴や用途、無垢フローリングとしての可能性について詳しく解説します。
アピトンとは?

アピトンの原産地と特徴
アピトン(学名:Dipterocarpus spp.)は、主に東南アジア、特にフィリピンやマレーシアで産出される硬質木材です。重厚感のある外観で、赤褐色から濃い茶色までの色味が特徴。木肌は滑らかでありながら、全体的に荒々しい印象を与える「ワイルドな美しさ」を持っています。
硬さと耐久性
アピトンの最大の魅力はその驚異的な硬さと耐久性です。
ヤンカ硬度(木材の硬さを示す指標)では非常に高い数値を誇り、重い荷物、ときにはキャタピラの重機を乗せるトラックの荷台や、塩水にさらされる船舶の甲板に採用されるほど頑丈です。その耐久性は、日常的な土足利用や高い荷重がかかる場所にも適しています。
アピトン無垢フローリングのメリット
1. 圧倒的な耐久性と強度
アピトンは硬さだけでなく、耐摩耗性にも優れているため、長期間使用してもほとんど劣化しません。傷やへこみにも強いので、カフェや飲食店、公共施設、工場など、高い耐久性を求められる場所に最適です。
2. 長さ最大6.5mの一枚ものが可能
通常、無垢フローリングの長さは2m前後が一般的ですが、アピトンは最長6.5mの一枚ものも作れるほどのサイズ感が魅力。広々とした空間でも、接ぎ目の少ない一体感のある仕上がりが実現できます。
※ 後述しますが配送が非常に困難なためネットには4mまでしか掲載していません。
3. 粗野でゴツい独特の風合い
他の木材にはない、無骨でワイルドな外観は、インダストリアルやヴィンテージスタイルのインテリアにぴったり。どこか無垢材の原点を感じさせる力強さが、空間に個性を与えます。
4. 水や湿気に強い
アピトンは油分を多く含むため、湿気や水への耐性が高い点もメリットです。屋外や湿気の多い場所でも使用でき、メンテナンスをしっかり行えば長持ちします。
アピトン無垢フローリングのデメリット
1. 油分が多いゆえの課題
アピトンのユニークな特徴である油分。

気温が上がると、表面にじわりと油が出てくることがあります。この性質が「お茶目」とも言えますが、特にオイル仕上げを施す場合は、その影響を考慮する必要があります。
2. 加工の難しさ
非常に硬い木材であるため、加工には熟練した技術と専用の工具が必要です。施工時にビス打ちが難しく、刃物が摩耗しやすいという特性があります。そのため、DIYにはあまり向いておらず、専門業者による施工が推奨されます。
3. 長すぎる
大迫力の超長尺一枚ものではありますが、その長さゆえ配送できない地域も多く、マンションリフォームなどでは搬入すらも不可能。
アピトンの用途とおすすめシーン
アピトン無垢フローリングは、トラックの荷台はもとよりそのタフさを活かした以下の用途に最適です。
1. 商業施設や店舗
土足利用が基本となるカフェやレストラン、ブティックで、耐久性を発揮。個性的なデザインもインテリアのアクセントに。
2. 公共施設やオフィス
高い耐摩耗性が必要な施設やオフィススペースにおすすめ。特に多くの人が行き交うロビーや通路で威力を発揮します。
3. 屋外デッキやバルコニー
湿気に強いため、屋外空間の床材としても活躍。定期的なメンテナンスを行えば、長く美しい状態を保てます。
4. インダストリアルな住宅インテリア
無骨でワイルドなアピトンの外観は、倉庫や工場をリノベーションした住宅にもぴったりです。
アピトン無垢フローリングの手入れ方法
アピトンの特徴を活かすためには、適切なメンテナンスが欠かせません。
- 表面の油分に注意:気温が高い季節には油分が出てくることがあるため、適宜拭き取ることが重要です。
- 定期的な掃除:汚れがたまりやすい場所では、乾拭きや中性洗剤を使った掃除を行いましょう。
- オイル仕上げの補修:オイル仕上げの場合、定期的に再塗装することで、美しい光沢を維持できます。
アピトン(クルイン)は、無垢フローリング材の中でも突出した強さと個性を持つ木材です。
その頑丈さや粗野でゴツい魅力は、他の無垢材にはない独特の存在感を空間に与えます。一方で、油分が多い性質や加工の難しさなど、デメリットも存在しますが、それらを理解して上手に付き合えば、他に代えがたい満足感を得られるでしょう。
エコロキアでは、アピトン無垢フローリングのカットサンプルを無料で提供しています。気になる方は、ぜひ一度その強さと個性を実際に確かめてみてください。

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