知っているようで知らない、木のねじれと成長の不思議
私たちの身近にある木材。エコロキアで取り扱っている無垢フローリングやウッドデッキ、家具、柱や梁など、多くの建築資材として使われています。
そんな木ですが、実は「ねじれる」ように育つことがあるというのをご存知でしょうか?
しかもそのねじれには、ある傾向があるのです。
それが──
「木は左回りにねじれることが多い」ということ。
今回はこの、あまり知られていない木の“成長の癖”ともいえる現象について、わかりやすく解説していきます。
木がねじれるってどういうこと?
成長にともなって幹が螺旋状に
木の幹には、よく見るとまっすぐではなく、うっすらと螺旋を描くように繊維が走っていることがあります。これを「螺旋木理(らせんもくり)」と呼びます。
木は、細胞レベルで新しい層を年輪状に外側へ外側へと形成していきますが、そのときに繊維がまっすぐでなく、斜めに傾いた方向で成長する場合があります。
その結果、木全体がねじれるような構造になるのです。

なぜ左回りが多いのか?
実はまだ“決定的な理由”はわかっていない
この「左回りのねじれが多い」という現象については、長年にわたり研究されているものの、実は明確な原因は解明されていません。
ただし、いくつかの仮説が存在します。
仮説1:ホルモンと細胞分裂の関係
植物の成長には「オーキシン」や「サイトカイニン」といった植物ホルモンが大きく関与しています。
これらのホルモンの分布バランスや作用方向が、細胞の分裂や伸長に影響を与え、ねじれを引き起こす可能性があると考えられています。
このとき、細胞壁の繊維が左回りに傾くように配置されやすい性質があるのではないか、という見方もあります。
仮説2:地球の自転や重力との関係?
一部では、地球のコリオリの力(自転による遠心力の偏り)や重力などの外的要因が影響しているという説もあります。
確かに、地球上の多くの現象には右回り/左回りの傾向が存在します。

とはいえ、これも決定打にはなっておらず、今も「なぜ左が多いのか?」は研究途上の謎と言えるのです。
木がねじれることで何が起きる?
木材として使用する際の注意点
ねじれのある木材は、製材されたときに反りや曲がり、捻じれが起こりやすくなります。
特にフローリング材や框、家具用のパーツとして使用する際には、加工後に変形が生じるリスクが高まるため、「矯正乾燥」や「プレナー加工」などの調整が必要です。
左回りが“悪い”わけではない
誤解しないでいただきたいのは、左回りにねじれている=欠点材というわけではないということ。
むしろ、木の持つ個性や、自然のダイナミズムを感じさせる重要な要素でもあります。
木のねじれは、その木が風や傾斜、外力に抗いながら生き抜いてきた証でもあります。
その個性を読み解きながら使うのが、木材を扱うプロの技でもあるのです。
ねじれを活かす木の使い方もある
彫刻や曲線美を活かす工芸品に
ねじれた木材は、まっすぐな建築材には向かないかもしれませんが、逆にそれを活かして木彫りやアート、インテリアパーツなどに用いられることがあります。
曲がった枝や歪んだ幹は、均一な人工素材には出せない唯一無二の造形美を生み出します。
自然のままを愛するという選択
エコロキアでも大切にしている考え方ですが、「不揃い」や「癖のある木」こそ、無垢材の本当の魅力ではないでしょうか。
ねじれやクセのある木にこそ、人の手を加えすぎず、そのままを活かすことで空間に深みや物語が生まれるのです。
木の“左回りのねじれ”が教えてくれること
木は、まっすぐではない。
でもそれが、自然であり、豊かであり、美しい。
「左回りにねじれる」という、まるで生き物のような個性をもった木たち。
それは、長い年月をかけて風に吹かれ、太陽に照らされながら生きてきた証そのものです。
そしてそのねじれは、木をただの“素材”としてではなく、ひとつの生命として見る視点を私たちに与えてくれます。
木と向き合うとき、ぜひその“癖”にも、目を向けてみてください。
きっと、その木がどんな風に生きてきたのか、少しだけ見えてくるかもしれません。
コメント