スギレジンテーブル・一枚板

「丸太って用意できますか?」から始まった、家具屋様との素材づくり

家具製作向けに用意したスギの磨き丸太。背割れ加工が施され、指定サイズでカットされた天然木素材。 スギ
家具屋様からのご相談を受け、用途に合わせて手配したスギの磨き丸太です。 背割れは無秩序な割れを防ぐための意図的な加工であり、丸太という素材を安定して扱うために欠かせない工程のひとつです。

家具屋様からの「丸太は用意できますか?」というご相談

無垢フローリング専門店として初めて受けたご相談

エコロキアは、無垢フローリング、ウッドデッキ、レジンテーブルを主軸とした天然木専門店です。
日頃は床材や外装材、家具用の一枚板に関するご相談を多くいただいておりますが、今回は家具屋様より「丸太を用意することは可能か」というご相談を頂戴しました。
正直なところ、丸太そのものを販売するのは今回が初めての経験でした。しかし「木のことならエコロキアに相談すれば、何か解決策が見つかるのではないか」と思っていただけたことは、専門店として非常にありがたいことだと感じています。

家具製作における素材としての丸太の重要性

今回のご相談では、完成された建材ではなく、家具製作の素材としての「丸太」が必要とされていました。
板材では表現できない量感や存在感、加工の自由度を重視されており、家具屋様ならではの素材選びであると感じました。エコロキアとしても、用途や完成形を理解した上で素材を用意することの重要性を再認識する機会となりました。

板材」と「丸太」は乾燥工程も管理方法も異なる

通常取引の製材工場では対応できなかった理由

最初に相談したのは、日頃から無垢フローリングの製材でお世話になっている製材工場です。
しかし、そこで明確に示されたのが「板材と丸太はまったく別物」という考え方でした。無垢フローリング用の材は、反りや割れを極力抑えるため、製材後に人工乾燥を含む厳密な管理が行われます。一方、丸太は自然乾燥を前提とし、割れや動きも素材の特性として受け入れる必要があります。
そのため、同一ラインでの取り扱いは行っていないとのことでした。

専門分野の違いを理解した上での判断

無垢材を扱う立場として、素材ごとの工程や管理方法を理解した上で判断することは非常に重要です。
無理に既存のルートで対応するのではなく、適切な分野の専門業者に相談することが、結果的にお客様の満足につながると考え、別の選択肢を検討することにしました。

銘木屋との連携により実現した磨き丸太の手配

銘木を専門に扱う業者への相談

次に相談したのが、銘木を専門に取り扱う材木屋さんです。
スギやヒノキの磨き丸太を常時取り扱っており、乾燥や保管、用途に応じた選定についても豊富な知識を持っていました。用途や希望サイズを伝えた上で、今回の家具製作に適した素材を選定していただきました。

指定サイズでのカットと用途を想定した配慮

丸太は、カット位置や寸法によって年輪の見え方や割れ方が大きく変わります。今回は家具屋様のご要望を踏まえ、指定サイズでカットを行いました。

単に寸法を合わせるのではなく、使用される場面を想定したうえでの加工が重要であり、その点も含めて銘木屋と連携しながら進めました。

割れや年輪も含めた「素材としての価値」

丸太に入っている「背割れ」は意図的な加工です

今回お納めした磨き丸太には、中心から外側に向かって一本の割れが入っています。

背割れ加工が施されたスギの磨き丸太。乾燥時の割れを制御するために意図的に入れられた割れ。
一見すると欠陥に見える背割れですが、これは丸太の乾燥過程で発生する応力を制御するための伝統的な手法です。
家具製作においては、この特性を理解した上で素材として取り入れることが前提となります。


これは乾燥中に偶然生じたものではなく、「背割れ」と呼ばれる意図的な加工です。丸太は内部に強い含水率の差と乾燥応力を持っており、そのまま乾燥させると、どこに割れが入るか分からず、複数方向に無秩序な割れが発生する恐れがあります。背割れは、あらかじめ割れの逃げ道を一箇所に集中させることで、他の部分への不規則な割れを防ぐための伝統的な手法です。

背割れがあることで素材としての安定性が高まる

背割れを入れることで、乾燥による収縮や応力はその割れ部分に集約されます。
その結果、外周部や見せたい面に不要な割れが入りにくくなり、素材としての扱いやすさが向上します。特に家具製作においては、丸太のどの面を意匠として見せるかが重要になるため、背割れの位置を把握したうえでデザインを組み立てることが可能になります。

スギの磨き丸太の天面。年輪と背割れが確認でき、自然乾燥された丸太特有の木目が表れている。
丸太の天面には、樹木が育ってきた時間そのものが年輪として現れます。
背割れは乾燥時の応力を逃がす役割を担っており、意匠面に不要な割れが生じるのを防ぐための計画的な処理です。

背割れは決して品質上の欠点ではなく、丸太という素材を安全かつ計画的に使うための前提条件と言えます。

「木のことなら相談できる存在」であり続けるために

自社の専門外であっても向き合う姿勢

丸太の販売は、エコロキアにとって決して日常的な業務ではありません。
手配や調整にも時間と手間がかかります。それでも今回対応させていただいたのは、「専門外だからできない」ではなく、「どうすれば実現できるか」を考えることが、天然木を扱う専門店としての役割だと考えているからです。

木材に関する相談窓口としてのエコロキア

エコロキアは、無垢フローリングやウッドデッキ、レジンテーブルを中心に事業を行っていますが、それに限らず、木材に関するご相談全般の窓口でありたいと考えています。
今回のように「どこに相談すればよいか分からない」と感じる案件でも、まずは一度ご相談いただければと思います。最適な方法や適切な専門業者をご提案することも、私たちの重要な仕事のひとつです。

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