レジンテーブル・一枚板制作体験

雨晴海岸と義経岩をモチーフにしたレジンテーブル制作|正月三が日に向き合うものづくり

制作途中のレジンテーブルに透明なレジンをゆっくり流し込んでいる様子のクローズアップ レジンテーブル・一枚板
一気に流さず、様子を見ながらゆっくりと。 この時間が、完成後の表情を大きく左右します。

正月三が日という時間の使い方

芦屋神社の静けさがつくる制作前の余白

正月二日目の芦屋神社には、独特の間があります。
参拝客は多いのに、誰も急いでいない。境内を歩く人たちの足取りも、会話のトーンも、どこか柔らかい。年末までの慌ただしさが嘘のように消え、気持ちの奥に溜まっていたものが、少しずつほどけていく感覚があります。

三が日の芦屋神社拝殿と参拝の列、冬の澄んだ空気の中で手を合わせる人々
熱燗を一杯いただいたあと、芦屋神社へ。
ものづくりの前に、きちんと手を合わせる。

この日は芦屋神社でTBDBが屋台を出しており、うちの高校生になる子どもたちもアルバイトとしてお手伝いをさせていただいていました。

正月の芦屋神社境内でTBDBが出店している屋台の様子
お正月二日目の芦屋神社。
TBDBが屋台を出し、うちの子どもたちもバイトでお手伝い中。

親としてその姿を遠くから眺めつつ参拝し、熱燗を一杯。なかなか乙なものです。

同い年、家も近所。友人になった参加者さんとの制作

作品の主役は、あくまで参加者さん本人

今回の雨晴海岸をモチーフにしたレジンテーブルは、エコロキアの作品ではありません。
主役は、制作体験に参加してくださっている方本人です。同い年で、家も近所。話してみると共通点も多く、自然と距離が縮まり、気づけば友人のような関係になっていました。

このテーブルも、「作ってもらったもの」ではなく、「自分で作っているもの」。
僕の役割は、あくまで横で伴走し、判断が難しい部分を一緒に考えることです。どんな風景を閉じ込めたいのか、どこまで手を入れるのか。その決定権は、すべて参加者さんにあります。

人との距離感が、作品の空気を決める

制作体験では、参加者さんとの距離感が作品にそのまま反映されます。上下関係でも、先生と生徒でもない。対等な立場で話しながら進めることで、余計な緊張がなくなり、判断も素直になります。
同い年ということもあり、「こうしたらどう思う?」といった会話も自然に生まれる。
その積み重ねが、結果としてテーブル全体の雰囲気を柔らかくしていきます。ものづくりは、人との関係性から切り離せないものだと改めて感じる時間でした。

雨晴海岸というモチーフの共有

なぜ雨晴海岸を選んだのか

今回の参加者さんが選んだモチーフは、富山県の雨晴海岸です。遠浅の海、刻々と変わる色合い、そして沖合に佇む義経岩。この風景には、「海」だけでは完結しない奥行きがあります。
参加者さん自身も、ご出身が富山県で雨晴海岸を訪れた際の記憶が強く残っていたそうです。ただきれいだった、という話ではなく、空気感や時間の流れまで含めて印象に残っている。

二人で協力しながらレジンテーブルにレジンを流し込んでいる制作体験の様子
同い年、家も近所。
昨年出会ったとは思えないほど、自然に始まったものづくりの時間。

その感覚を、レジンテーブルという形に落とし込むことが、今回の制作のテーマになりました。

風景を“再現”しないという選択

このテーブルは、雨晴海岸を写真のように再現するものではありません。あくまで、記憶の中に残っている風景を抽象化し、再構成する試みです。
参加者さんと話しながら、「ここはもう少し静かな感じがいい」「この色は夕方のイメージ」といった言葉を拾い、それをレジンの色や層に変換していきました。正解のない作業だからこそ、時間をかけて向き合う意味があります。

色と構造で表現する雨晴の海

青から赤へと移ろうグラデーション

雨晴海岸の海は、一色では語れません。朝の澄んだ青、日中の透明感、夕方に差し込む赤み。今回のレジンテーブルでは、その移ろいを青から赤へのグラデーションで表現しています。
この配色も、僕が決めたものではなく、参加者さんとの会話の中で固まっていったものです。「この赤は強すぎるかな」「もう少し青を残したい」といったやり取りを重ねながら、少しずつ色を重ねていきました。

一気に進めない制作の価値

レジンは、一気に流せば簡単に仕上がります。ただ、それでは表情が単調になってしまう。今回は、色ごとにレジンを分け、様子を見ながら少しずつ進めました。
時間をかけることで、境界が自然に溶け合い、奥行きのある表情が生まれます。この工程は完成後には見えませんが、作品の佇まいを大きく左右する重要な部分です。

義経岩を中心に据える意味

主役ではなく、風景の軸として

中央に配置した小島は、義経岩をモチーフにしています。ただし、あえて強く主張させてはいません。義経岩は、語りすぎない存在だからです。

青から赤へとグラデーションするレジンの中に小さな島を配置した、制作途中のレジンテーブル俯瞰写真
青から赤へと移ろう色のグラデーション。
正月二日目、静かな時間の中で少しずつ形になっていくレジンテーブル。

海に囲まれながら、ただそこにあり続ける。その静かな存在感が、周囲の風景を引き締めています。参加者さんとも、「目立たせすぎない方がいい」という認識で一致しました。

岩と海の距離感を探る工程

レジンを流し込む際は、義経岩を中心に、波紋のように色と透明層が広がる構成を意識しています。一気にレジンを流さず、少しずつ進めることで、岩と海の距離感が自然に保たれます。
この調整作業は地味ですが、完成後の印象を決定づける重要な工程です。参加者さん自身が手を動かしながら、その変化を確かめていきました。

正月三が日に、友人と制作するということ

休まないのではなく、楽しんでいる

正月三が日に制作していると、「休まないんですね」と言われることがあります。ただ実際は、休まないのではなく、楽しんでいるだけです。静かな時間、気の合う相手、向き合いたいモチーフ。この条件が揃っているなら、手を動かさない理由はありません。今回の制作は、義務ではなく、純粋に楽しい時間でした。

人との縁が作品に残る

このレジンテーブルは、雨晴海岸と義経岩をモチーフにした作品であると同時に、「同い年で近所の友人と正月に作った」という記憶も一緒に閉じ込められています。完成後、テーブルを見るたびに、その日の会話や空気感が思い出されるはずです。それこそが、制作体験の一番の価値だと感じています。

風景だけでなく、時間と人との縁を形に

レジンテーブル制作体験では、単にデザインを再現するのではなく、「誰と、どんな時間を過ごしながら作るか」も大切にしています。
雨晴海岸や義経岩のような思い出の風景を、あなた自身の手で形にしてみませんか。
世界にひとつだけのテーブルには、その時の時間と人との縁も一緒に刻まれます。

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