チェスナット(クリ / 栗)無垢フローリングとは何か
日本の住環境と深く結びついてきた木
チェスナット(クリ / 栗)は、日本の山林に古くから自生し、建築や生活道具に広く使われてきた樹種です。
古民家の土台や梁、鉄道の枕木、屋外構造物にまで使われてきた歴史が示す通り、「腐りにくく、粘りがあり、長持ちする」という特性を持っています。無垢フローリングとして使われる栗材は、こうした性質を床材という形で日常生活に取り込むものです。派手さはありませんが、住まいに必要な“安心感”と“実用性”を確実に備えています。
他の広葉樹フローリングとの立ち位置
チェスナットは、オークやブラックウォルナットのような強い主張を持つ樹種とは異なり、空間に自然に溶け込む中庸な存在です。
硬さは中程度で、足触りが優しく、冷たさを感じにくいのも特徴です。木目は比較的穏やかで、色味も淡いため、和風・洋風・北欧・ナチュラルといった多様なインテリアに対応できます。

空間全体を明るく、落ち着いた印象に仕上げます。
「床を主役にしたい人」よりも、「暮らしを邪魔しない床を求める人」に選ばれる樹種だと言えます。
チェスナット無垢フローリングの物理的・素材的な特徴
タンニン成分による耐久性と耐腐朽性
栗材の最大の特徴は、タンニンを多く含むことによる耐久性です。
タンニンは腐朽菌や害虫への抵抗力を高める成分で、これが栗材が古くから屋外用途にも使われてきた理由です。無垢フローリングとして使用した場合でも、水分や湿気に対して比較的強く、長期使用に耐えやすい素材といえます。ただし「水に強い=水回りに使ってよい」という意味ではなく、適切な施工と使用環境が前提である点は理解が必要です。
木目・色味・触感の特徴
チェスナットの木目は、年輪が比較的おだやかで、直線とゆるやかな曲線が混在します。

無垢材ならではの自然なばらつきが感じられます。
色味は淡い黄白色から薄い褐色で、経年とともに少しずつ深みが増していきます。素足で触れたときの感触は硬すぎず柔らかすぎず、特に冬場でも冷たさを感じにくいのが特徴です。こうした触感は、日常的に床と接する時間が長い住宅において、確実に生活の質に影響します。
チェスナット無垢フローリングが向いている人
経年変化を「味」として楽しめる人
無垢フローリング全般に言えることですが、チェスナットも使い始めた瞬間が完成ではありません。
紫外線や生活動線によって色が変わり、細かな傷が入り、艶が生まれていきます。これらを劣化ではなく「時間の積み重ね」として受け入れられる人に、栗材は非常に相性が良いです。
最初から均一で完璧な状態を求める方には不向きですが、暮らしとともに育つ床を望む方には、満足度の高い選択になります。
メンテナンスを理解した上で使いたい人
チェスナットはオイル仕上げとの相性が良く、定期的なメンテナンスによって美しさを保てます。

木目の流れが自然につながり、使い込むほどに味わいが増していきます。
半年〜1年に一度のオイルメンテナンスを「手間」と感じるか、「住まいに関わる時間」と感じられるかで評価は分かれます。エコロキアでは、こうしたメンテナンスの範囲や限界を事前に説明した上で提案していますが、それを理解した上で選ぶ人にとって、栗材は非常に扱いやすい無垢床です。
チェスナット無垢フローリングが向いていない人
均一性・工業製品的な完成度を求める人
チェスナット無垢フローリングは、1枚1枚表情が異なります。
色ムラや木目の違い、節の有無は避けられません。これを「個性」と捉えられない場合、施工後に違和感を覚える可能性があります。ショールームで見た印象と、実際に貼った後の印象が違うと感じやすいのも、無垢材全般の特徴です。
均一な見た目を重視する場合は、別の床材を検討した方がよいでしょう。
使用環境の制約を受け入れられない人
床暖房との併用、水回りへの使用、極端な乾燥環境など、無垢フローリングには明確な「できないこと」が存在します。
チェスナットは比較的安定していますが、万能ではありません。こうした制約を理解せずに採用すると、反りや隙間、割れといったトラブルにつながります。エコロキアでは、使えるケースと使えないケースをはっきり分けて説明しますが、それを受け入れられない場合は不向きです。
施工と素材選定で差が出るチェスナットフローリング
含水率管理と下地条件の重要性
チェスナット無垢フローリングの性能を引き出すには、素材選定段階での含水率管理が不可欠です。
含水率が高すぎれば施工後の収縮が大きくなり、低すぎれば環境変化に追従できません。また、下地の状態や通気性、施工方法によっても、数年後の状態は大きく変わります。無垢フローリングは「材料の良し悪し」だけで決まらず、「どう扱われたか」で評価が決まります。
長期視点での補修・再生という選択肢
チェスナット無垢フローリングの大きな利点は、研磨・再生ができることです。
表面の汚れや傷が気になっても、削って整え、再度仕上げ直すことで、新たな表情を取り戻せます。これは合板フローリングにはない価値です。エコロキアでは、販売や施工だけでなく、数十年使われた無垢床の再生まで行ってきた経験から、長期視点での床材選びを重視しています。
よくある質問
- Qチェスナット(栗)の無垢フローリングは床暖房に使えますか?
- A
結論として、条件付きで慎重な判断が必要です。栗材は比較的安定していますが、床暖房による急激な乾燥は割れや隙間の原因になります。使用可否は施工方法と環境次第であり、事前相談が不可欠です。
- Qチェスナット無垢フローリングは傷に弱いですか?
- A
特別に弱いわけではありません。中程度の硬さがあり、日常生活での傷は避けられませんが、木目が穏やかなため目立ちにくく、経年変化として馴染みやすい樹種です。
- Q他の無垢フローリングと比べた栗材の魅力は何ですか?
- A
耐久性と扱いやすさのバランスです。極端に硬すぎず、柔らかすぎず、湿気にも比較的強いため、日本の住環境に適した無垢フローリングといえます。



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