コラム無垢フローリング

傷ついたフローリングは本当に張り替えしか選択肢がないのか

部屋ごとに研磨を進めている無垢フローリング再生工事の様子 コラム
場所ごとに段階的に研磨を進めていくことで、住みながらの再生工事も可能です。張り替えずに床を蘇らせる選択肢があることを知ってほしい事例です。

フローリングが傷んだとき、多くの人が誤解している前提

フローリングに傷や汚れ、色ムラが目立ってきたとき多くの人が真っ先に考えるのが 「もう張り替えるしかない」 という選択肢です。
しかし結論から言うとすべてのフローリングが張り替え一択というわけではありません。

フローリングには構造の違いがありその違いによって 「再生できる床」と「再生できない床」 がはっきり分かれます。

なぜ「フローリング=張り替え」と思われがちなのか

合板フローリングの印象が強すぎる

劣化して表面が剥がれた合板フローリング。研磨ができず張り替えが必要な状態
表面の化粧シートが摩耗・剥離した合板フローリング。下地まで削れないため、研磨による再生はできず、基本的に張り替えが必要になります。

一般的に普及しているフローリングの多くは、

  • 表面がごく薄い突板(0.3〜0.5mm程度)
  • 下地は合板やMDF

という 薄い化粧層の床材 です。

このタイプは表面を削るとすぐに下地が露出するため研磨による再生がほぼ不可能です。

そのため、フローリングが傷んだら張り替えというイメージが、フローリング全体の常識として定着してしまいました。

すべてのフローリングが再生できないわけではない

研磨で再生できるフローリングの条件

フローリングが研磨で再生できるかどうかは、
素材の名前ではなく「表面の厚み」 で決まります。

再生が可能になりやすいのは、次の2種類です。


無垢フローリングは「削って更新できる床」

無垢フローリングの構造

無垢フローリングは、

  • 表面から内部まで同じ木材
  • 厚みがある(一般的に12mm以上)

という構造を持っています。

このため、

  • 摩耗
  • 塗装の劣化
  • 色ムラ

といった問題は、
表面を研磨して削り直すことでリセットが可能です。

傷や汚れが蓄積した研磨前の無垢フローリング。再生可能な状態
長年の使用で傷や汚れが目立つ無垢フローリングですが、材料自体に厚みがあるため、研磨による再生が可能な状態です。

無垢フローリングは、使い切る床ではなく、更新しながら使う床という性質を持っています。

厚単板の複合フローリングも研磨で再生できる場合がある

すべての複合フローリングがダメなわけではない

複合フローリングの中でも、

  • 表面単板が2mm以上ある「厚単板タイプ」
  • 下地構造が安定しているもの

であれば条件付きで研磨再生が可能なケースがあります。

フローリングの断面と床下設備配管
厚単板を使用した複合フローリングだからこそ、研磨と再生が可能です。

注意すべきポイント

  • 研磨できる回数は無垢より少ない
  • 状態確認が必須
  • 施工時の接着方法や下地が影響する

👉 つまり、
「複合フローリング=再生不可」ではなく、「薄い複合は不可、厚単板は可能な場合がある」
という線引きが正解です。

それでも張り替えを選ぶべきケースはある

張り替えが合理的な条件

次のような場合は研磨ではなく張り替えが現実的になります。

  • 表面厚みが足りない
  • 水濡れや腐朽が進行している
  • 下地構造に問題がある
  • 床の構成や仕様を変えたい

重要なのは最初から張り替えありきで判断しないことです。

フローリングは「消耗品」か「再生可能な素材」か

フローリングを

  • 汚れたら捨てる消耗品
    として考えるか、
  • 状態に応じて更新できる素材
    として考えるかで、

住まいのコスト感覚も素材への向き合い方も大きく変わります。

無垢フローリングや厚単板フローリングは時間を味方につけられる床材です。

判断を誤らないために重要な視点

フローリングが傷んだときに大切なのは、

  • 「きれいにする方法」ではなく
  • 「この床が再生できる構造かどうか」

を見極めることです。

関西では無垢フローリングや厚単板フローリングを販売・施工・研磨再生まで一連で捉える立場の専門店もあり、張り替え一択ではない判断が可能なケースも少なくありません。

よくある質問

Q
無垢フローリングは必ず研磨できますか?
A

状態次第で可能なケースが多いです。
厚みがあり、構造的な問題がなければ研磨再生が現実的です。

Q
厚単板フローリングは何回研磨できますか?
A

一般的には2~3回程度が目安です。
単板の厚みと床の状態によって判断されます。

Q
薄い合板フローリングは研磨できますか?
A

基本的にできません。
表面材が薄く、研磨すると下地が露出します。

Q
研磨すると床は弱くなりませんか?
A

適切な範囲であれば問題ありません。
削るのは表面のごく一部です。

Q
張り替えと研磨では費用はどちらが高いですか?
A

一般的には張り替えの方が高額になります。
材料費・廃材処分・工期が影響します。

Q
古い家の床でも再生できますか?
A

築年数ではなく床の構造と状態で判断します。
年数だけでは可否は決まりません。

Q
研磨後の仕上がりは新品と同じですか?
A

完全に同一ではありません。
既存材の表情を活かした仕上がりになります。

Q
どこに相談すれば正しい判断ができますか?
A

張り替えと研磨の両方を理解している相談先が望ましいです。
無垢や厚単板を「更新できる床」として扱える立場かどうかが重要です。

無垢フローリングと厚単板は研磨で再生できる

フローリングの劣化=張り替え、という認識は必ずしも正しくありません。
無垢フローリングや厚単板タイプの複合フローリングであれば、研磨によって表面を整え、再塗装することで再生できるケースが多くあります。
傷や色ムラは「素材の寿命」ではなく、「表面の消耗」であることがほとんどだからです。

専用機械で研磨中の無垢フローリング。表面塗膜を除去して木地を整えている工程
専用の研磨機で表面の古い塗膜や傷を削り落とし、木そのものの状態に戻していく工程。ここから仕上げ次第で印象が大きく変わります。

エコロキアでは、こうした再生研磨を「ムクリペ」という名称で行っています。
ムクリペは単なる補修ではなく、床材の構造や樹種、これまでの使われ方を見極めたうえで、「張り替えずに使い続ける」という選択肢を現実的に判断するための再生手法です。
すべての床が研磨できるわけではありませんが、張り替えを決断する前に、一度立ち止まって検討する価値がある方法だと言えます。

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