レジンテーブルというと、どうしても「レジンを流し込む瞬間」や「完成後の美しい天板」に目が行きがちです。しかし実際の制作では、その前段階にある“映えない工程”が、完成度の大半を左右します。
今回は、現在制作中のモンキーポッドのレジンテーブルを例に、木枠づくり・耳の整形・クリアレジンによる下地処理といった、地味ながら非常に重要な工程について詳しく解説します。
モンキーポッドのレジンテーブルとは何か
モンキーポッドという木材の特徴
モンキーポッドは、中心部の濃いブラウンと周辺部の淡い色味のコントラストが特徴的な広葉樹です。
木目の流れが大きく、動きがあり、レジンとの組み合わせによって非常に表情豊かな天板に仕上がります。一方で、含水率や導管の個体差が大きく、加工や下地処理を誤ると、レジンの染み込みや気泡トラブルが起こりやすい木材でもあります。そのため、見た目の美しさ以上に「下準備の精度」が求められる樹種です。
レジンテーブル制作で重要になる視点
レジンテーブルは、木と樹脂という性質の異なる素材を一体化させる家具です。
そのため、単純に「流し込めば完成」というものではなく、木材側の状態をどこまで整えられているかが、最終的な品質を決定します。特にモンキーポッドのような表情豊かな材ほど、事前の処理を丁寧に行う必要があります。
木枠づくりが仕上がりを左右する理由
木枠は「型」ではなく「設計」
レジンテーブル制作における木枠は、単なるレジンの受け皿ではありません。
左右の板の位置関係、レジン部分の幅、完成後のバランスをすべて決める「設計図」の役割を持ちます。この段階で板の向きや間隔を誤ると、完成後に違和感のある天板になってしまいます。一度レジンを流し込んでしまうと修正はできないため、木枠づくりは最も神経を使う工程のひとつです。
DIYで失敗しやすいポイント
DIYでレジンテーブルに挑戦される方の多くが、この木枠工程を簡略化しがちです。
水平が取れていない、木枠の剛性が足りない、シーリングが甘いといった状態で流し込むと、レジン漏れや厚みムラが発生します。見た目以上に精度が求められる工程であり、DIYでの再現性が低い部分でもあります。
耳(ライブエッジ)加工の考え方
削りすぎないことが最大の技術
モンキーポッドの耳部分は、その木が生きていた痕跡を感じられる重要な要素です。

削りすぎず、木が持つ自然なラインを残すことが重要なポイントです。
グラインダーを使って整えますが、目的は「形を変えること」ではなく「不要な部分だけを整えること」にあります。削りすぎると人工的な印象になり、削らなさすぎると触感や安全性に問題が出ます。このバランスを見極めるには、木材の個性を読み取る経験が不可欠です。
表情づくりとしての耳加工
耳のラインは、完成後の印象を大きく左右します。
左右の板で表情を揃えるのか、あえて差を出すのかといった判断も、この工程で行います。ここでの判断が、完成後に「作品としての完成度」を感じさせるかどうかを決めると言っても過言ではありません。
クリアレジン下地が必要な理由
いきなり色付きレジンを流さない理由
アクアブルーなどの着色レジンをいきなり流し込むと、モンキーポッドの導管にレジンが吸い込まれ、色ムラや気泡が発生します。
これを防ぐため、最初にクリアレジンを薄く塗布し、木材表面をコーティングします。この下地処理によって、次工程のレジンが安定し、発色も均一になります。

この下地処理を行うことで、次工程のアクアブルーレジンが美しく仕上がり、気泡や染み込みを防ぐことができます。
見えない工程が完成度を決める
クリアレジンの下塗りは、完成後にはほとんど意識されません。
しかし、この工程を省略すると、完成後に修復不可能なトラブルとして表面化します。レジンテーブル制作において、「映えない工程ほど重要」という言葉が当てはまる代表例です。
DIYでできること・できないことの境界線
DIYで対応できる範囲
小型サイズのレジン作品や、装飾目的のテーブルであれば、簡易的な木枠と下地処理でも成立するケースはあります。
素材のクセを理解し、失敗を許容できる前提であれば、DIYで挑戦する価値はあります。
プロに任せるべき工程
一方で、モンキーポッドの一枚板を使った大型レジンテーブルでは、木枠精度・耳加工・下地処理のいずれも高い再現性が求められます。ここはDIYの限界を超える領域であり、経験と設備が完成度に直結します。
よくある質問
- Qレジンテーブル制作で一番失敗が多い工程はどこですか?
- A
最も失敗が多いのは、木枠づくりと下地処理です。特にレジン漏れや水平不良、下地不足による気泡・色ムラは、後から修正できません。流し込み作業そのものより、事前準備で結果がほぼ決まります。
- Qクリアレジンの下塗りは必ず必要ですか?
- A
モンキーポッドのように導管がはっきりした木材では必須です。省略すると、色付きレジンが木に吸い込まれ、発色不良や気泡が発生する可能性が高くなります。
- Q耳加工はどの程度整えるのが正解ですか?
- A
正解は一つではありません。安全性と触感を確保しつつ、木の個性を残すことが基準です。削りすぎても、削らなさすぎても完成度は下がります。

コメント