世界情勢と木材供給の関係|ブラックウォルナットに見る影響とは
コロナ禍を経て数年が経過しましたが、その影響は未だ多くの業界に残っています。建築業界においても例外ではなく、特に北米地域ではコロナ禍を機に住宅需要が急増したことから、木材の供給体制にも大きな変化が見られました。
特にアメリカ産の広葉樹、すなわちアメリカンブラックウォルナットやアメリカンブラックチェリー、ホワイトオークといった北米材は、国内外からの需要の高まりと人員・物流の制限により、供給が一時的にひっ迫。これに伴い、無垢フローリング市場でも価格の高騰、そして品質グレードのばらつきといった影響が顕著に現れています。

久しぶりに届いたブラックウォルナット一枚ものの検品作業
こうしたなか、エコロキアの事務所に久しぶりにアメリカンブラックウォルナットの一枚ものフローリングが届きました。昨今は入荷そのものが極端に少なくなっていたため、まさに半年ぶりの“再会”と言ってもいいほどのご縁です。
早速開梱して、一本一本の状態を確認する検品作業を行いました。
今回届いたブラックウォルナットは、「ラスティックグレード」という仕様。一般的には、節や白太(しらた)、木目の濃淡差、さらにはパテ埋めされた補修跡などが混在する、いわゆる”表情豊かな等級”に分類されます。
ところが、このフローリングには白太こそ見られるものの、節は非常に少なく、全体としては非常に落ち着いた印象。見た目には「ナチュラルグレード」に近いと感じるほどで、ラスティックと聞いて想像するような荒々しさはあまりありませんでした。

グレーディングとは?その意味と実際のばらつきについて
無垢フローリングにおける”グレード”とは、主に見た目の特徴(節の量、色の均一性、白太の有無、補修跡など)を基準に分類される等級のことを指します。
エコロキアでは、
- プレミアムグレード(節なし・色味も均一)
- ナチュラルグレード(多少の節や色の差はあるが、全体的にバランスが取れている)
- ラスティックグレード(節・白太・濃淡差・補修跡などがある)
というように、主にこの3つのカテゴリに分けてご案内しています。
しかしながら、実際の製品には明確な線引きが難しいものも多く存在します。特に今回のように供給量が減少し、生産側の選別作業が難しくなった時期には、グレードの”境界線”があいまいになりやすいのです。
本来ならばラスティックグレードにはもっと明確な節や補修跡があるはずですが、今回はそういった特徴がほとんど見られませんでした。つまり、”ラスティックにしては大人しい顔ぶれ”という印象です。

供給の不安定さがもたらすグレード変動
このような事例は、実は珍しいことではありません。 木材は自然のものですので、一本一本の個性が強く出ます。さらに、供給側でグレーディングを厳密にしすぎると製品として成立しにくくなるため、どうしてもグレード間のあいまいさが生じます。
特に今回のように、海外の製材所で人手が足りずに選別工程が簡略化されたり、輸出優先のバランス調整が行われる場合には、こうした”見た目の印象がグレードに合っていない”ということも起こりえます。
ユーザーの皆様にはご理解いただきたい点として、グレードはあくまで目安であり、自然素材の個体差や、時勢による供給背景によって若干のブレがあるということです。
今後の入荷とおすすめのご案内
今後もブラックウォルナットをはじめ、アメリカンブラックチェリーやホワイトオークといった人気の北米材は、引き続き不安定な入荷状況が続くと予想されます。価格も安定せず、ロットごとにグレードの印象が異なることも少なくありません。
そのため、無垢フローリングをご検討中の方には、ぜひ無料のカットサンプルをご請求いただき、実物の色味や質感をご確認いただくことを強くおすすめします。
また、限定的に入荷した特別なロットがある場合には、ブログやInstagram等で随時ご紹介しております。気になる樹種がございましたら、お気軽にお問合せください。
自然素材のゆらぎを、楽しむ贅沢
木材はすべて一点もの。それぞれの木が育った環境、伐採時期、製材方法、乾燥の仕方によって、その表情は大きく異なります。だからこそ、無垢材を使った空間には“生命感”が宿るのだと私たちは考えています。
便利で均質な工業製品ではなく、「木そのものの個性」を楽しむ贅沢を、これからの暮らしに取り入れてみませんか?
エコロキアでは、素材の個性とその背景を大切にしながら、これからもお客様に本物の木の魅力をお届けしてまいります。
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