木のうんちく話

木のうんちく – 第10回「恋愛と木と…」

木のうんちく話

さて、今週末はバレンタインデーです。
人によっては気もそぞろではないでしょうか。
僕は大の甘党なので、老若男女チョコレートをくれる人に好意を寄せてしまいます。
因みにバレンタインデーに贈るチョコレートやクッキーにそれぞれ意味があるコトはご存じでしょうか。

さて、そんなソワソワしちゃうバレンタインデー前ということで、今回の木のうんちくは恋愛と木について。
木は人間関係に深く結びつき象徴として扱われてきており、「愛の象徴」、「約束の証」、そして「祈りの対象」などひとつひとつに意味があったりするのでご紹介したいと思います。

恋愛の象徴の木

1. 桜(さくら)

儚い愛の象徴

桜は、その短命で美しい花が儚い愛を象徴します。
平安時代の文学では、桜が恋愛の象徴として度々登場しました。
例えば『源氏物語』では、桜の散り際の美しさが恋愛の喜びと悲しみを同時に表現しています。
現代でも、「桜の木の下で愛を告白すると実る」という言い伝えがあり、特に春の恋愛の季節において重要な役割を果たします。

また、桜の木の下で行われる「花見」は、愛する人との距離を縮める機会として長く親しまれています。
古代の日本では、桜の開花は神々の訪れを意味し、その神聖な空間で愛を誓うことで恋が叶うと信じられていました。

2. 杉(すぎ)

変わらぬ愛の象徴

杉は、そのまっすぐな樹形と常緑の葉が「変わらぬ愛」を表す木とされています。
特に神道では神聖視され、結婚式が執り行われる神社には大きな杉の木が植えられていることが多いです。

日本の一部の地域では、「杉の木の下で約束を交わすと永遠の愛が続く」という伝承が残っています。
また、結婚式で用いられる「三々九度」の儀式に使われる杯や酒樽にも杉材が使われることがあり、夫婦の結びつきを象徴する役割を果たしています。

3. 楓(かえで)

秋の恋の象徴

楓は、秋の紅葉が恋愛の成就や新たな恋の始まりを象徴する木とされています。
平安時代には、紅葉狩りが貴族たちの社交場であり、恋愛の場としても機能していました。
和歌の中では、楓の葉が「移ろいやすい恋心」として詠まれる一方、その深い赤は「燃え上がる情熱」をも意味します。

紅葉した楓の葉を手渡すことで、愛の告白をする風習も一部の地域に伝わっています。
また、楓の木の下で出会った男女が結ばれるという逸話も数多く残されています。

4. 橘(たちばな)

永遠の愛の象徴

橘は、日本の古代から「不老不死」や「永遠」を象徴する木として知られています。
『万葉集』には、橘の木を愛する人への永遠の愛の象徴として詠んだ歌がいくつも登場します。
また、平安時代の結婚式では、橘の葉や実を飾ることで新郎新婦の「末永い幸せ」を願う風習がありました。

特に「橘の実を食べると永遠の愛が約束される」という言い伝えがあり、橘は恋愛成就の木として庭や神社に植えられることが多かったとされています。

5. 柳(やなぎ)

別れと再会の象徴

柳はしなやかに風に揺れる姿から、「別れの悲しみ」と「再会の希望」を象徴する木とされています。
平安時代の歌物語では、恋人と別れる際に柳の枝を折って手渡すことで「再び会う」という約束をする場面が描かれています。

また、中国の故事では、柳の枝が恋人への贈り物として使われることが多く、「柳の木に願いを掛けると再会できる」という伝説が広まりました。
日本でも「柳の木に恋愛成就を願う」という習慣が一部の地域に残っています。

6. 椿(つばき)

控えめな愛の象徴

椿は、その艶やかな花と落ち着いた佇まいから、控えめで奥ゆかしい愛を象徴する木とされています。
日本庭園では、椿が植えられている場所は「秘められた愛」を表すとされ、特に江戸時代の恋愛文学で頻繁に登場しました。

一方で、椿の花がポトリと落ちる様子が死を連想させることから、悲恋の象徴としても扱われています。
椿の木の下で愛を語ることで、恋人同士の深い結びつきを願う風習があったといわれています。

7. 柿(かき)

実りの愛の象徴

柿はその豊かな実りから、「愛の実り」や「家庭の繁栄」を象徴する木です。
秋の収穫時期には、柿の木の下で愛を誓うことで「夫婦の幸福が続く」という伝承が農村部に残っています。

また、柿の実を愛する人に贈ることで「あなたとの愛が実りました」というメッセージを伝える風習もあります。
特に熟した甘い柿は、甘美な恋愛を象徴するとされています。

8. 柏(かしわ)

約束の象徴

柏の葉は、古代から神聖なものとされ、恋人同士の誓いの場でよく使われました。
柏の葉を2枚合わせて結ぶことで「二人の心を一つにする」という儀式が行われたと伝えられています。

さらに、柏は新しい芽が出るまで古い葉が落ちないことから「家族の絆」や「変わらぬ愛」を象徴する木として親しまれています。

9. 檜(ひのき)

純粋な愛の象徴

檜は、その清らかな香りと美しい木肌から「純粋な愛」を象徴する木です。
特に神社建築に使われる檜は、神聖さと結びつき、恋愛祈願の場でも重要な役割を果たしてきました。

恋人同士が檜の木に触れることで、「永遠の清らかな愛」が得られるという伝承もあります。

10. 槙(まき)

守護の愛の象徴

槙はその丈夫で長寿な特性から、愛する人を守る「守護の愛」を象徴します。
特に高野槙は仏教と深く関わり、「夫婦円満」や「家族の平和」を願う木として知られています。

バレンタインデーに木を添えて

木々の逸話は、自然と人間の関わりを通じて育まれ、恋愛や愛情を豊かに象徴してきました。
それぞれの木が持つ特徴や文化的背景は、時代や地域によってさまざまに解釈されていますが、共通しているのは、人々が自然の中に愛を求め、その成就を祈り続けてきたという事実です。

バレンタインデーやホワイトデーに花を贈るのも良いですが木でできた小物や雑貨をちょっと添えて贈るのも奥ゆかしくて良いかも知れませんね。
まぁ秘められたメッセージが届きにくいならこのエコロキアのブログも合わせて勧めて下さいね。

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