無垢フローリングの「ナラ」と「オーク」は何が違うのか?
ナラとオークは実はほぼ同じ仲間
エコロキアでは「オーク(ナラ / 楢)」といったように「ナラ」と「オーク」はひとつのカテゴリに入れており、無垢フローリングの世界では混同されがちですが、結論から言うとどちらもブナ科コナラ属の木で、生物学的には非常に近い存在です。
日本で「ナラ」と呼ばれてきた木は、主にミズナラやコナラなどの国産材で、英語圏ではこれらもまとめて「Oak(オーク)」と呼ばれます。
つまり、「ナラ=日本的な呼び方」「オーク=海外基準の呼び方」という理解が、素人の方にとって一番わかりやすい整理です。ただし、同じ仲間でも育つ環境や樹種の違いによって、色味・硬さ・導管の表情などが変わり、フローリングとしての印象も大きく異なります。

なぜオークには種類が多いのか
オークがややこしく感じられる最大の理由は、産地や用途によって名前が細かく分かれている点にあります。
ホワイトオーク、レッドオークは北米由来、フレンチオークはフランス産、セシルオークは商標的な名称、ライブオークは常緑性の特殊なオークです。
これらはすべて「オーク系」ではありますが、フローリングとして使われる性格はかなり異なります。名前だけで選ぶと「思っていた色と違う」「硬すぎる・柔らかすぎる」といった後悔につながりやすいため、見た目と性格で理解することが重要です。
素人が混乱しやすいポイント
無垢フローリング選びで多い失敗は、
- ナラとオークは別物
- ホワイトオークの方が白い
- フレンチオークは高級だから万能
といったイメージ先行の判断です。実際には、ホワイトオークでも黄色味が強いものもありますし、フレンチオークでも節が多い表情豊かな材も存在します。
重要なのは名称ではなく、「どんな空間に、どんな暮らし方をしたいか」。この視点を持つだけで、オーク系フローリング選びは一気にシンプルになります。
ナラ(国産ナラ)の特徴と向いている暮らし
国産ナラの見た目と風合い
国産ナラ(主にミズナラ)は、木目がやさしく、色味が落ち着いているのが最大の特徴です。
派手すぎず、主張しすぎないため、和室・洋室を問わず馴染みやすく、日本の住宅と非常に相性が良い樹種です。年輪の表情は繊細で、虎斑(とらふ)と呼ばれる独特の模様が現れることもあり、使い込むほどに深みが増していきます。初めて無垢フローリングを選ぶ方にとって、「木らしさ」を自然に感じられる安心感のある材と言えます。
硬さ・耐久性・扱いやすさ
ナラは広葉樹の中でも適度な硬さがあり、日常生活での凹みや傷に強い一方、極端に硬すぎないため足腰への負担も少ないのが特徴です。
また、日本の気候で育った木なので、湿度変化への適応力が高く、無垢フローリング初心者でも扱いやすい点は大きなメリットです。施工後に多少の隙間や動きが出ることはありますが、それも「無垢らしさ」として受け入れやすい範囲に収まることが多いです。
ナラが向いている人
国産ナラは、「無垢フローリングに興味はあるけど不安もある」という方に最適です。過度な主張がなく、経年変化も穏やかなので、家族構成やライフスタイルが変わっても受け入れてくれます。派手さよりも長く使う安心感を重視する方、日本の暮らしに寄り添う床材を探している方に向いています。
ホワイトオークとレッドオークの決定的な違い
見た目の違いは「色」より「木目」
ホワイトオークとレッドオークの違いは、名前ほど単純ではありません。
ホワイトオークはやや黄味がかったベージュ系、レッドオークはピンク〜赤みを帯びた色味が特徴です。ただし、決定的な違いは色よりも導管(木の穴)の構造にあります。ホワイトオークは導管が詰まっており、木目が締まった印象。レッドオークは導管が開いており、木目がはっきりしていて表情が豊かです。
耐水性と耐久性の差
ホワイトオークは導管が詰まっているため、水や湿気に強いという大きな特徴があります。
この性質から、ワイン樽やウイスキー樽にも使われています。一方、レッドオークは水を通しやすく、湿気の多い場所では注意が必要です。そのため、フローリングとしての安定性や耐久性を重視する場合は、ホワイトオークの方が選ばれることが多いのが現実です。
それぞれ向いている空間
ホワイトオークは、ナチュラル系・北欧系・モダン住宅など、幅広いデザインに対応できます。レッドオークは、木目の力強さを活かしたアメリカンテイストやカジュアルな空間に向いています。「落ち着き」を取るならホワイトオーク、「表情」を取るならレッドオーク、という考え方がわかりやすいでしょう。

フレンチオークとセシルオークの違いと誤解
フレンチオークは何が特別?
フレンチオークは、フランス産のオーク材を指し、特にきめ細かく上品な木目が特徴です。
ヨーロッパの厳しい管理下で育った木は成長が遅く、年輪が詰まるため、全体的に均一で高級感のある表情になります。そのため、高級住宅やホテル、ワイン関連施設などで好まれ、「フレンチオーク=高級」というイメージが定着しています。
セシルオークとは何者か
セシルオークは、特定の樹種名ではなく、ブランド・商品名として使われることが多い名称です。実体としてはオーク材であることがほとんどですが、選別基準や加工方法、デザイン性を含めた総称として使われています。そのため、「セシルオークだから特別な木」というより、「そういうコンセプトの商品」と理解する方が正確です。
名前に惑わされない選び方
フレンチオークやセシルオークは確かに魅力的ですが、重要なのは価格や名前ではなく、自分の暮らしに合うかどうかです。均一で整った表情は美しい反面、傷や経年変化が目立ちやすい場合もあります。無垢フローリングは「完成品」ではなく「育てる素材」であることを理解した上で選ぶことが、後悔しないポイントです。
ライブオークという特殊な存在
ライブオークはオークだが、日本で言う「樫」とは少し違う
まず結論から言うと、ライブオーク(Live Oak)はオークの仲間であり、日本語に無理やり当てはめるなら「樫系」に近い性質を持つ木です。
ただし、日本で一般的に使われる「樫(カシ)」と完全に同一ではありません。この混乱は、日本語の木の呼び名と、英語圏の分類方法が根本的に違うことから生まれています。
英語では、ブナ科コナラ属の木は基本的にすべて Oak(オーク) と呼ばれます。一方、日本では同じ仲間の木を、性質や使われ方によって 「樫(カシ)」と「楢(ナラ)」に分けて呼んできました。つまり、ライブオークは生物学的には「オーク」ですが、日本的な感覚では「ナラよりも樫に近い性格の木」と理解するのが一番わかりやすい整理です。
日本の「樫」と「楢」は何が違うのか?
日本で言う樫(カシ)と楢(ナラ)は、どちらもブナ科コナラ属で、実は非常に近い仲間です。違いは「学術的な分類」よりも、木の性質と用途によって区別されてきました。
樫(カシ)
- 常緑広葉樹
- 非常に硬く、重い
- 成長が遅く、年輪が詰まる
- 道具の柄、木槌、薪炭材向き
楢(ナラ)
- 落葉広葉樹
- 適度な硬さと粘り
- 加工しやすい
- 建材、家具、フローリング向き
という性格の違いがあります。
つまり、日本では
「硬すぎて加工が大変なもの=樫」
「建材として使いやすいもの=楢」
という実用的な感覚で呼び分けてきた歴史があるのです。
ライブオークが「樫っぽい」と言われる理由
ライブオークは、北米南部に自生する常緑性のオークで、葉を落とさず一年中青々としています。この「常緑」という点が、まず日本の樫と共通しています。さらに、木材としての性質も非常に特徴的です。
ライブオークは
- 極端に硬く
- 非常に重く
- 曲げや衝撃に強い
という性質を持ち、かつては軍艦や帆船のフレーム材として重宝されていました。
これは、日本で樫が「斧の柄」「槌」「道具材」として使われてきた理由と非常によく似ています。そのため、ライブオークは「ナラ系オーク」というより、日本人の感覚では“樫に近いオーク”と表現する方がしっくりきます。
では、樫と楢は別の木なのか?
ここでよくある誤解を整理します。
樫と楢は、まったく別の木ではありません。
どちらもブナ科コナラ属という同じグループに属しており、言ってしまえば親戚どころか兄弟のような関係です。違いは、「どの種か」「どんな性質を持っているか」「どう使われてきたか」という点にあります。
英語圏ではこの違いを細かく分けず、
- ホワイトオーク
- レッドオーク
- ライブオーク
といった形でオークの種類として整理します。一方、日本では用途と文化に基づいて「樫」「楢」と呼び分けてきたため、名前の対応関係が分かりにくくなっています。
無垢フローリングの視点で見る「樫・楢・ライブオーク」
無垢フローリングとして考えた場合、
- 楢(ナラ)系オークは
→ 安定性、加工性、経年変化のバランスが良く、床材向き - 樫(カシ)・ライブオーク系は
→ 硬すぎて施工が難しく、床材としてはオーバースペック
という評価になります。
ライブオークは素材としては非常に魅力的ですが、無垢フローリングとして使うには現実的ではない木です。これは欠点ではなく、「用途が違う」というだけの話で、樫と楢を正しく理解すると、この線引きが自然に理解できるようになります。
オーク系フローリングは「名前」ではなく「性格」で選ぶ
ざっくり比較
ナラは穏やかで日本向き、ホワイトオークは万能型、レッドオークは表情重視、フレンチオークは上品、セシルオークは商品コンセプト、ライブオークは特殊素材。このように整理すると、一気に理解しやすくなります。

無垢フローリング選びで一番大切なこと
無垢フローリングは「正解」を選ぶものではありません。
暮らし方に合うかどうかがすべてです。傷も変化も含めて楽しめるか、その視点を持つことが、後悔しない最大のコツです。
もし迷ったら、カタログや名前よりも、実物に触れることを強くおすすめします。無垢材は写真では伝わらない情報が圧倒的に多い素材です。触って、見て、想像して選ぶ。それが無垢フローリングの一番の楽しみです。ぜひサンプルを取り寄せて下さいね。



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