センダン木のうんちく話

木のうんちく-第9回「毒と木」

木のうんちく話

「木」は化学物質とは縁がなく何だかナチュラル&ヘルシーなイメージ…かも知れませんが、世の中には毒を持った恐ろしい木もたくさんあります。
そんな毒を持つ木は、特定の化学物質や毒素を含んでいるため、直接触れると皮膚炎やアレルギー反応、さらには中毒症状を引き起こすことがあります。
今回の木のうんちくはいくつかの代表的な毒を持つ木の例を挙げ、その特徴や影響を解説します。

1. トウダイグサ(ウルシ)

  • 学名: Rhus radicans(ウルシ科)
  • 毒成分: ウルシオール
  • 特徴と影響:
    • ウルシは非常に有名な毒性を持つ木で、その樹皮や葉、さらには果実にもウルシオールという化学物質が含まれています。
    • 人間がウルシに触れると、ウルシオールが皮膚に付着し、かゆみ、腫れ、発疹を引き起こします。特にアレルギー体質の人々に強く影響を及ぼし、重症化することもあります。
    • 日本をはじめ、北米やアジアにも広く分布しており、「かぶれ」の原因となります。

2. センダン

  • 学名: Melia azedarach(センダン科)
  • 毒成分: メリアトキシン、サポニン
  • 特徴と影響:
    • センダンは、葉や果実にメリアトキシンやサポニンを含み、これらは人間や動物にとって有毒です。
    • 特に果実を誤って食べると、胃腸に不快感や吐き気、下痢を引き起こすことがあります。また、果実は鳥にとっても有毒であり、農業地帯では注意が必要です。
    • そのため、センダンは一般的に観賞用として植えられますが、扱いには注意が必要です。

3. ポインセチア

  • 学名: Euphorbia pulcherrima(トウダイグサ科)
  • 毒成分: ユフォルビン、トリテルペン類
  • 特徴と影響:
    • ポインセチアはクリスマスの時期によく見かける植物ですが、毒を含んでいます。特にその乳液状の樹液が有害で、皮膚に触れると炎症を起こすことがあります。
    • また、樹液を誤って目に入れると、目の痛みや充血を引き起こすことがあります。口に含んだり摂取すると、吐き気や腹痛を引き起こす可能性があります。
    • ポインセチアは一般的には軽度の毒性ですが、小さな子どもやペットには注意が必要です。

4. ジャガイモノキ(アクタリア)

  • 学名: Acontia albisetula(キョウチクトウ科)
  • 毒成分: アコニチン
  • 特徴と影響:
    • アクタリアはその根や葉にアコニチンという強力な毒素を含んでいます。アコニチンは神経毒であり、人間が摂取すると、心臓の不整脈や麻痺を引き起こす危険があります。
    • この木の部分は、古くから薬用として使用されることもありますが、適切に処理されていない場合には危険です。特に誤って摂取した場合、迅速な治療が必要です。

5. ヒサカキ

  • 学名: Elaeocarpus sylvestris(ツバキ科)
  • 毒成分: ヒサカトキシン
  • 特徴と影響:
    • ヒサカキは、日本の森林に生息する木で、果実や葉にヒサカトキシンを含んでいます。
    • ヒサカトキシンは、皮膚に触れるとアレルギー反応を引き起こし、ひどい場合は発疹やかゆみを引き起こします。果実や葉を誤って食べると、中毒症状が現れることがあります。

6. クロガシワ(クロガシワ)

  • 学名: Quercus myrsinaefolia(ブナ科)
  • 毒成分: タンニン、サポニン
  • 特徴と影響:
    • クロガシワは、特にその果実に含まれるサポニンやタンニンが有毒です。これらは消化器系に影響を与え、嘔吐や下痢を引き起こすことがあります。
    • クロガシワの果実は人間にはあまり食用として使われませんが、野生動物が摂取することがあり、これが原因で中毒を引き起こすこともあります。

7. マチン(ストリキニーネの木)

  • 学名: Strychnos nux-vomica(マチン科)
  • 毒成分: ストリキニーネ、ブルシン
  • 特徴と影響:
    • マチンの種子や果実は、ストリキニーネという強力な神経毒を含んでいます。ストリキニーネは中枢神経系を刺激し、けいれんや筋肉硬直を引き起こします。
    • 少量の摂取でも呼吸困難や死に至る可能性があり、かつては殺鼠剤や医薬品の成分として使用されましたが、現在では毒性の高さから使用は制限されています。
    • 主に熱帯アジアに分布し、観賞用や薬用として栽培されることもありますが、取り扱いには十分な注意が必要です。

8. マンチニール(マンサニージョ)

  • 学名: Hippomane mancinella(トウダイグサ科)
  • 毒成分: ホルボールエステル
  • 特徴と影響:
    • マンチニールは「地球上で最も危険な木」とも言われ、樹液、果実、葉すべてに強い毒性があります。
    • 樹液は皮膚に触れるだけで水ぶくれやひどい炎症を引き起こし、果実を食べると喉の痛みや消化器障害を引き起こします。雨が降ると、木の下に立った人が毒液にさらされる危険もあります。
    • カリブ海や中南米に自生し、木材は家具などに使用されることもありますが、毒抜き処理が必須です。

9. ヨーロッパイチイ(イチイ)

  • 学名: Taxus baccata(イチイ科)
  • 毒成分: タキシン、タキソール
  • 特徴と影響:
    • ヨーロッパイチイは、種子や葉、樹皮にタキシンというアルカロイドを含みます。この毒は心臓に作用し、摂取すると不整脈や心停止を引き起こすことがあります。
    • 種子の周囲にある赤い仮種皮(アラリルと呼ばれる部分)は無毒で、野生動物が食べることもありますが、種子を嚙み砕くと毒が体内に放出されます。
    • ヨーロッパでは庭園や墓地に植えられることが多い木で、薬用として抗がん剤の原料にも利用されています。

10. オレアンダー(キョウチクトウ)

  • 学名: Nerium oleander(キョウチクトウ科)
  • 毒成分: オレアンドリン、ネリオジン
  • 特徴と影響:
    • オレアンダーは全体に毒を持つ植物で、特に葉や花にオレアンドリンという心臓グリコシドが含まれています。摂取すると嘔吐、下痢、心拍数の異常、重症の場合は心停止を引き起こすことがあります。
    • オレアンダーを燃やす際にも注意が必要で、煙を吸い込むと中毒症状を引き起こす可能性があります。
    • 温暖な地域で観賞用に広く栽培されますが、その美しい見た目とは裏腹に非常に危険な植物です。

これらの木々は、自然界で特定の動植物を守る役割を持ちながらも、人間にとっては有害であることがあります。
取り扱いには十分注意し、特に子どもやペットがいる家庭では接触を避けるようにしましょう。

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