「ポリシーがない」と言われても。私たちが大切にしたいこと
木材塗装に関して、時折いただくご意見のひとつに「なぜエコロキアは塗料の種類を絞らないのか?」という疑問があります。たしかに、ある塗料メーカーだけを絶対視し、常にそれを提案するという姿勢には“職人気質”のような説得力があるかもしれません。
しかし、私たちエコロキアは「こだわらないこと」にこだわっているのです。お客様のライフスタイル、使う空間、好みの質感、予算、そして将来のメンテナンス性。これらを一つひとつ丁寧にヒアリングした上で、「その人にとってのベスト」を一緒に探したいと考えています。
塗料選びに「唯一の正解」は存在しない
無垢フローリングに多様な樹種があるように
たとえば、無垢フローリングを検討する際、オーク(ナラ / 楢)を選ぶ方もいれば、アカシア、チーク、パイン、杉などを選ぶ方もいます。それぞれに個性があり、価格による優劣ではなく「相性」や「好み」によって選ばれるべきです。
塗料もまさに同じです。
- オスモカラー:耐久性に優れ、自然素材を好む方には大変人気です。
- ワトコオイル:英国発祥で、リーズナブルかつ浸透性に優れ、ナチュラルな木目を引き出す美しい仕上がりが魅力。
- リボス:ドイツ製の老舗自然塗料。食品グレードの安全性と発色の美しさを両立。
- U-OIL(ユーオイル):日本製。耐水・耐候に優れ、1回塗りで仕上がる施工性の高さが特徴。
- 春風:国産の自然派塗料で、杉や桧との相性も良く、呼吸する仕上がりが得られる。
- プラネットカラー:天然成分にこだわりつつも強い着色力を持つ、プロユース向け自然塗料。
- シッケンズ:耐久性・耐候性に優れたオランダ発の塗料ブランド。屋外木部での使用実績が豊富。
- 蜜蝋ワックス:やわらかく温もりのある手触りを得られ、素朴な木の風合いを大切にしたい方におすすめです。
- 水性ウレタン:メンテナンス頻度を下げたい方には非常に有効な選択肢です。
これらすべてに一長一短があり、どれも100点ではないが、それぞれに合う「場面」と「人」があるのです。
視野を狭めない姿勢こそ、木材と向き合う者の務め
「職人なら絶対オスモ」は本当か?
最近、当社のYouTubeチャンネルで公開している「アカシア無垢フローリングにワトコオイルを塗布する動画」に対してコメントを頂きました。
「ワトコはないでしょう。職人は絶対オスモです。」
正直なところ、その気持ちもよく分かります。ご自身が長年使い込んで信頼している塗料があり、それに誇りを持つのはとても素晴らしいことです。
ですが同時に、その誇りが「他を否定する材料」になってしまうとしたら、少しもったいない気がします。

木も塗料も、正解はひとつではありません。エコロキアは「誰にでもオスモを」「すべてワトコで」といった画一的な提案はしません。それは逆に、お客様のライフスタイルや考え方を軽視してしまうことになるからです。
私たちが大切にしていること|「ヒアリング」と「実験精神」
お客様に寄り添った塗料選びを
塗料選びは、その空間で誰が、どのように、どんな時間を過ごすのかを考えるところから始まります。
- 小さなお子さんがいるご家庭では、安全性を第一に。
- 飲食店では清掃性と衛生面が求められます。
- 山小屋や別荘では、木の経年変化も含めて“味わい”を重視した塗装が合うかもしれません。
エコロキアでは、初回のお打ち合わせで生活スタイル・家族構成・掃除頻度・予算などを丁寧にヒアリングしながら、塗料の種類や塗り方までご提案しています。
新しい塗料へのチャレンジも
また、私たちは常に新しい塗料の研究・実験にも積極的に取り組んでいます。
- 気になる新製品があれば、実際に塗ってみる
- 屋外に放置して経年変化を観察する
- メンテナンス性やお掃除モップやワックスとの相性を検証する
こうした「脛(すね)に傷をつける」ような試行錯誤の繰り返しが、お客様にとって本当に信頼できるアドバイスに繋がっていると私たちは信じています。
ワトコオイルの歴史と技術的な特長について
ワトコオイル(WATCO OIL)は、イギリス発祥の木部用浸透型オイルフィニッシュとして長年にわたり世界中で使用されてきました。日本でもDIY市場の拡大とともに浸透し、「手軽で扱いやすく、木の自然な風合いを活かせる塗料」として広く支持されています。

ワトコオイルの技術的な特徴
- 亜麻仁(フラックスオイル)を主原料とした植物性ベースのオイル
- 木の内部に深く浸透し、内部から保護するタイプ(膜を張らない)
- 表面に厚塗りにならないため、木目や質感をダイレクトに活かせる
- 色付きタイプも豊富で、着色と保護が同時にできる
- 比較的乾燥が早く、重ね塗りもしやすいため、DIYにも適する
ワトコオイルはオイルフィニッシュの中でも、自然なマットな仕上がりとコストパフォーマンスの良さが魅力です。もちろん耐久性や撥水性においてはオスモや他の製品に軍配が上がることもありますが、適材適所で使えば十分に高い効果を発揮します。
「価格が安いからダメ」、「ホームセンターで売っているから素人向け」という先入観ではなく、その木にとって、その使い方にとって、最適かどうかという視点で見直してみる価値がある塗料のひとつです。
今回、この記事を読んで頂き、様々な樹種、様々な塗料にチャレンジして頂くきっかけになれば幸いです。
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