アジアンウォルナットが人気を集める理由
無垢フローリングを検討されている方の中で「アジアンウォルナット」という名前を耳にされた方も多いでしょう。名前の響きから「ウォルナットの仲間」だと思われがちですが、実はこの木材は本物のウォルナット(クルミ科)とは別の樹種です。
それでもアジアンウォルナットは長年にわたり、日本国内でも高級無垢フローリングとして人気を博してきました。その理由は大きく3つあります。
- 頑丈さ(硬質で耐久性が高い)
- 深い色合いと重厚感
- コストパフォーマンスの高さ(かつては入手しやすかった)
とりわけ濃いブラウンから黒褐色にかけての美しい色合いは、高級感を演出するのにぴったりであり、リビングや寝室を落ち着いた雰囲気に仕上げるために採用されてきました。

しかし、ここで誤解してはならないのは「ウォルナット」という名称に惑わされてしまう点です。次章で、その正体を掘り下げていきます。
アジアンウォルナットの正体「ロックファ」
ロックファとはどんな木?
アジアンウォルナットの正体は「ロックファ(Laochfa / Loc Fha)」と呼ばれる樹種です。学名はDracontomelum dao(ドラコントメルム・ダオ)、カンボジア・ラオス・ベトナムなど東南アジア一帯に自生する広葉樹で、樹高は30メートルを超えることもあります。
ロックファはクルミ科ではなく、ウルシ科(Anacardiaceae)に属します。つまり、樹種的にはウォルナットとはまったく異なる系統に属しているのです。
なぜ「アジアンウォルナット」と呼ばれるのか?
その理由は「木目」と「色合い」にあります。ロックファは心材が濃褐色から黒色に近く、時に紫がかった色合いを帯びることがあります。さらに、力強い木目の表情を持つことから、アメリカンブラックウォルナットに非常によく似ています。
そのため、マーケティング上「アジアンウォルナット」という名称が使われ、日本や欧米の市場に広まりました。実際に「ウォルナットの代替材」として高級フローリングの位置づけを確立してきたのです。
ウォルナットとの違い


樹種の違い
- アメリカンブラックウォルナット:クルミ科(Juglans nigra)
- アジアンウォルナット(ロックファ):ウルシ科(Dracontomelum dao)
この時点で両者は全く異なる植物であることがわかります。
性質の違い
- 硬さ
アジアンウォルナットの方が硬質で傷に強い。ウォルナットは適度に柔らかく加工性に優れる。 - 色合い
アメリカンウォルナットはややグレーがかったブラウン。アジアンウォルナットは赤みや黒みが強く、濃厚で重厚感がある。 - 経年変化
アメリカンウォルナットは時間とともに明るくなる傾向。アジアンウォルナットは濃い色を保ちやすい。
この違いから、空間デザインに与える印象も変わってきます。
アジアンウォルナットの魅力

頑丈で長持ちする床材
ロックファは硬質で耐摩耗性に優れているため、商業施設やホテルなど人の出入りが多い空間にも使われてきました。無垢フローリングの中でも「とにかく強さ重視」で選びたい方には理想的な樹種といえます。
高級感のある色合い
濃く深いブラウンや黒に近い色味は、落ち着いた大人の空間を演出します。とくにモダンインテリアや和モダンの住宅デザインにマッチし、他の木材では出しにくい重厚さを空間に与えます。
希少価値の高まり
かつては東南アジアから盛んに輸入されていたものの、現在は伐採規制や資源減少により入手が難しくなりつつあります。そのため価格も上昇し、むしろアメリカンウォルナットに近い価格帯になるケースも増えています。
注意すべきポイント
ネーミングによる誤解
「アジアンウォルナット」という名称から、本物のウォルナットと同じと思い込むケースが少なくありません。設計士や工務店と打ち合わせをする際には、必ず「樹種名(ロックファ)」を確認することが大切です。
硬さゆえの施工の難しさ
非常に硬い木材であるため、施工時には刃物が摩耗しやすく、加工にも手間がかかります。また硬さがある反面、乾燥収縮による反りや割れが発生することもあるため、施工には経験が必要です。
供給量の不安定さ
輸入量が減っているため、長期的に同じ色やグレードを揃えるのが難しいこともあります。リフォームや増築時に同材を追加で入手できない可能性がある点には注意が必要です。
エコロキアの視点から
私たちエコロキアでは、長年アジアンウォルナット(ロックファ)を取り扱ってきました。硬質で高級感のあるその魅力を理解したうえで、現在は資源状況を考慮しながらお客様にご提案しています。
「ウォルナットではない」と知ると、少し残念に感じるかもしれません。しかし、逆に言えばウォルナットに匹敵する美しさと強さを持つ、アジア特有の貴重な木だと捉えることもできます。
無垢フローリングを選ぶ際は、樹種の正体を理解し、その特徴を活かした空間づくりを目指すことが何より大切です。
アジアンウォルナット無垢フローリングを選ぶ前に知っておきたいこと
アジアンウォルナット(ロックファ)は、その名前から誤解されやすい木材ですが、実際にはウォルナットとは異なるウルシ科の広葉樹です。硬さと高級感を兼ね備え、東南アジア産材ならではの独特の魅力を持っています。
現在では入手が難しく希少価値も高まっていますが、その存在感と耐久性は今もなお多くの建築家やユーザーに愛されています。
もし「本物のウォルナットが欲しい」と思っているなら、必ず樹種を確認してください。そして「強さと重厚感を重視したい」と考えるなら、アジアンウォルナットという選択肢も十分に価値あるものです。
エコロキアでは、アジアンウォルナットをはじめとした各種無垢フローリングの無料カットサンプルをご用意しています。実際に手に取って確かめていただき、ご自宅やオフィスに最適な樹種を見つけていただければと思います。

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