レジンテーブルの「研磨体験だけ」は正直おすすめしていません
電話での問い合わせに正直に答えた理由
今回、レジンテーブルの「研磨だけ」を体験したいというお問い合わせをいただきました。
ただ、その時にお伝えしたのは少し意外な内容です。
「正直、研磨だけって大変だし面白くないですよ」
これは決して突き放したわけではなく、本音です。
レジンテーブル制作の中でも、研磨は最も地味で、体力も使い、しかも仕上がりを左右する非常に重要な工程です。
華やかなレジンの流し込みとは違い、ただひたすら表面を整え、艶を引き出す作業。
体験として“楽しいか”と言われると、決してそうとは言い切れません。
それでも来ていただいた理由
それでも今回の方は、実際に奈良県御所市まで足を運んでくださいました。
お話をしていく中で分かったのは、単に体験がしたいのではなく、ご自身もレジンテーブルを販売している家具屋さんを営んでおり、「研磨の技術を学びたい」という目的でした。
見た目の華やかさではなく、完成度を決める裏側の技術。
そこに興味を持っていただけたことが、とても印象的でした。
同業の家具屋同士だからこそ分かる話
職人ではない「つくる側」の共通点
今回来てくださったのは、東大阪でオーダー家具などの設置施工を営む家具屋の社長さん。でも家具だけではなく飲食店や運送業なども営んでおり、色々なことにチャレンジ精神が旺盛な方でだからこそ話が合う部分があります。
木材の仕入れの話、価格の話、見せ方の話、そして実際の現場での苦労。
単なる技術論ではなく、「どう価値を届けるか」という視点での会話が自然と生まれました。
失敗談で一気に距離が縮まる
作業をしながら盛り上がったのは、やはり失敗談でした。
- 木枠からレジンが漏れてしまった話
- レジンを入れ過ぎて熱暴走した経験
- 気泡が抜けずに苦労した話
これはレジンテーブルづくりのあるあるで「つくる側」に立った人間なら誰もが通る道です。
「それ、めちゃくちゃ分かります!」
そんな一言で、一気に距離が縮まる。
この空気は、現場で一緒に手を動かさないと生まれません。
気がつけば“体験”ではなく“仕事”になっていた
納品前のレジンテーブルを一緒に研磨
今回は、月末に納品予定のレジンテーブル2台の研磨を一緒に行いました。

完全な透明ではなく、あえて濁りを残した色味にすることで、奥行きと落ち着きのある表情に仕上がっています。
光の映り込みと内部の揺らぎが、見る角度によって変化します。
つまり、体験用のサンプルではなく、実際にお客様にお届けする本番の仕事です。
研磨は、ほんのわずかなムラや傷も許されない工程。
だからこそ、集中力も必要で、決して気楽な作業ではありません。
それでも一緒に手を動かすことで、単なる見学では得られない理解が生まれます。
チェスナット×スモークグレーという選択
今回のテーブルは、チェスナットにスモークグレーのレジンを組み合わせた一台。
透明なレジンではなく、あえて少し濁りを持たせたグレー。
これにより、派手さではなく、落ち着きと奥行きのある表情になります。
木のやわらかさと、レジンの静かな存在感。
空間に馴染みながらも、しっかりと印象を残す仕上がりです。
モノづくりを通じて生まれる“関係性”
一番良かったのはモノではなく人とのつながり
レジンテーブル制作体験を続けていて、改めて感じることがあります。
それは、モノを作ること以上に人とのつながりが生まれることの価値です。
同じ工程を経験し、同じように悩み、同じように仕上げる。
その時間を共有した人とは、自然と関係が深まります。
今回も、気がつけば“体験”というより“仕事仲間”のような感覚になっていました。
御所市まで来ていただける意味
奈良県御所市という場所は、決して便利ではありません。
それでも、わざわざ来ていただける。
それは単にレジンテーブルを作るためではなく、この場所でしか得られない体験や空気があるからだと思います。
本当にありがたいことです。
よくある質問
- Qレジンテーブルの研磨だけを体験することはできますか?
- A
可能ではありますが、あまりおすすめはしていません。研磨は非常に重要な工程ですが、単体で行うと地味で体力的にも大変な作業です。そのため、制作全体の流れの中で体験していただく方が理解も深まり、満足度も高くなります。
- Q同業の家具屋でも参加できますか?
- A
はい、歓迎しています。実際に同業の方との情報交換や経験の共有は非常に価値があり、今回のように現場での気づきや学びも多く生まれます。職人さんである必要はなく、「つくる側」の方であれば十分意味のある体験になります。
- Qどの程度の技術が学べますか?
- A
木材選びからレジンの流し込み、研磨、仕上げまで一連の工程を実践的に学べます。特に重要なのは「なぜその判断をするのか」という考え方であり、これは現場での体験を通じて理解することができます。
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