はじめに:南仏の風を感じる床材
今回ご紹介するのは、ボルドーパイン(マリティムパイン)の無垢フローリングに、ヴィンテージブラウンのオイル仕上げを施した施工事例です。

施工写真をご覧いただくと、赤みを帯びた深みのあるブラウンの中に節や杢目(もくめ)がくっきりと浮かび、年月を経たような味わいが漂います。
ボルドーパインは、その名の通りフランス南西部・ボルドー地方や地中海沿岸に広く分布する海岸松(学名:Pinus pinaster)を原料とします。地中海性気候の強い日差しと海風に耐え育った木は、はっきりとした木目と適度な粘りを兼ね備えた、魅力的なフローリング材となります。
ボルドーパイン(マリティムパイン)の特徴

1. 力強い杢目と豊かな色味
ボルドーパインは針葉樹でありながら、広葉樹に匹敵するほど存在感のある杢目を持っています。
濃淡のコントラストが明瞭で、節も大きく個性的。ヴィンテージブラウンのオイル仕上げを施すことで、この杢目が一層際立ち、アンティーク家具やクラシックなインテリアにも自然に溶け込みます。
2. 硬さと粘りの絶妙なバランス
針葉樹の中では比較的硬く、それでいて柔らかすぎないため、足触りが優しく冬場も冷たさを感じにくいのが特長です。
また、無垢材ならではの経年変化を楽しめ、年月を重ねるごとに深みのある表情へと育っていきます。
3. 南欧らしい香りと雰囲気
施工中には、ほんのりと松の香りが漂い、まるで南仏の別荘にいるような感覚を味わえます。
さらに、光の当たり方によって色合いが変化するため、朝・昼・夕方で異なる表情を見せてくれるのも魅力です。
レッドパインとの違い
日本で「パイン材」として一般的に流通しているのは、北欧産のレッドパイン(学名:Pinus sylvestris)です。ここで、ボルドーパインとの比較を整理します。
| 特徴 | ボルドーパイン(マリティムパイン) | レッドパイン |
|---|---|---|
| 原産地 | フランス南西部・地中海沿岸 | 北欧(フィンランド、スウェーデンなど) |
| 木目 | 濃淡が強く力強い | 柔らかく淡い |
| 色味 | 赤褐色〜黄褐色、節が大きい | 黄白色〜淡褐色、節は小ぶり |
| 硬さ | 中程度(針葉樹としてはやや硬め) | やや柔らかい |
| 雰囲気 | 南欧アンティーク風、重厚感 | 北欧ナチュラル、軽やか |
このように、ボルドーパインはレッドパインに比べ色味が濃く、木目が力強いため、ナチュラルカントリーよりもヴィンテージ感や重厚感を求める空間に適しています。
ヴィンテージブラウンオイル仕上げで際立つ表情
今回の施工では、無垢のボルドーパインにヴィンテージブラウンの自然オイルを浸透させています。
オイル仕上げの魅力は、ウレタン塗装のように塗膜を形成せず、木の呼吸を妨げないこと。素足で触れたときの温もりが心地よく、天然木らしい質感が存分に楽しめます。
また、オイルは木目に染み込み、節や年輪の立体感を際立たせるため、光の角度によって表情が変化します。経年変化により、やがて深い飴色へと育っていく過程もまた、無垢材ならではの楽しみです。
ボルドーパインが似合う空間事例
- アンティーク家具を配置した英国調・南仏プロヴァンス風リビング
- ヴィンテージ感を演出したカフェやレストラン
- 古民家リノベーションで重厚さと温かみを両立させた空間
実際、今回の施工事例では、クラシックな木製チェアやラウンドテーブルと抜群の相性を見せ、陽光が差し込む午後にはまるで絵画のような一枚の風景が広がります。

お手入れのポイント
ボルドーパインは比較的硬い針葉樹ですが、無垢材ゆえに尖った物を落とすとへこみができる場合があります。これは欠点ではなく、使い込むことで生まれる味わいと捉えるのがおすすめです。
日常のメンテナンス
- 掃除は乾拭き、または固く絞った雑巾で行う
- 年に1〜2回、同系色のオイルで保護メンテナンス
- 水分は長時間放置せず、こぼしたらすぐ拭き取る
こうした日常ケアを行うことで、美しい風合いを長く保つことができます。
床は部屋の額縁
ボルドーパイン(マリティムパイン)は、南仏の風土が育んだ力強く美しい無垢材です。レッドパインとは一線を画す重厚感と存在感を持ち、ヴィンテージブラウンのオイル仕上げによって、その魅力が存分に引き出されます。
「床は部屋の額縁」という言葉があるように、床材は空間の印象を決定づける重要な要素です。重厚でありながら温もりのある空間を求めるなら、ボルドーパインは理想を叶える選択肢になるでしょう。

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