無垢フローリングと接着剤の関係
無垢フローリングは、天然木ならではの風合いや温もりが魅力で、住宅や商業施設の床材として多く採用されています。しかし、その施工において軽視できないのが「接着剤の選び方」です。
「木材には木工用ボンドで十分では?」と考える方も少なくありません。確かに、一般的な木工用ボンドはDIYや家具づくりで活躍しますが、無垢フローリングの施工には不向きです。適切な接着剤を使わなければ、床鳴りや剥がれといったトラブルが発生し、せっかくの無垢材が台無しになってしまいます。
本記事では、なぜ木工用ボンドでは不十分なのか、そして施工現場で推奨される「ウレタンボンド」と「二液性エポキシボンド」の特徴やメリットを詳しく解説します。
木工用ボンドと無垢フローリングの相性
木工用ボンドの特徴
木工用ボンドは水性接着剤で、家具の組み立てや木材同士の接合に広く使われています。乾燥すると硬化し、強い接着力を持つ点は魅力です。
しかし、無垢フローリングの施工には向かない理由がいくつかあります。
無垢フローリングに適さない理由
- 弾性がない
木工用ボンドは硬化後に柔軟性を持たず、無垢材が呼吸するように膨張や収縮すると追従できません。その結果、接着面が剥がれたり、床鳴りの原因になります。 - 水分の影響を受けやすい
水性のため湿度が高い環境では接着力が低下します。特に無垢材は湿気に敏感なため、木工用ボンドではリスクが大きいのです。
つまり、DIYでは便利でも、床材施工という過酷な条件下では力不足。ここで選ばれるのが「ウレタンボンド」や「二液性エポキシボンド」です。
ウレタンボンドの特徴と利点
ウレタンボンドとは?
ウレタンボンドは、ポリウレタンを主成分とした一液型の接着剤で、無垢フローリングの施工で最も一般的に使用されています。

弾性を保持し、床鳴りや剥がれを防ぐために欠かせない接着剤です。
ウレタンボンドのメリット
- 優れた弾性
硬化後も弾力を保持し、無垢材の膨張・収縮に追従。床鳴りや剥がれを防ぎます。 - 施工のしやすさ
一液型なので混合不要。開封後すぐに使えるため、施工の効率が高いのも特長です。 - 低温環境での硬化性
2℃以上で硬化可能なため、冬場の施工でも対応可能。季節を問わず安定した施工品質が得られます。
使用時の注意点
湿気と反応して硬化するため、開封後はできるだけ早く使い切ることが重要です。長時間の放置は避けましょう。
二液性エポキシボンドの特徴と利点
二液性エポキシボンドとは?
二液性エポキシボンドは、主剤と硬化剤を混合して使用する接着剤です。施工現場では「エポキシ」と呼ばれ、特に直貼り工法や特殊な床材施工で選ばれます。

コンクリート下地やヘリンボーン張りなど、強力な接着力が求められる現場で活躍します。
エポキシボンドのメリット
- 高い初期接着力
貼り付け直後から強力な接着力を発揮。寄木張りやヘリンボーンなど、複雑な施工パターンにも適しています。 - 異素材との相性が良い
木材だけでなく、コンクリートや金属との接着にも対応。直貼り工法でコンクリート下地に直接フローリングを貼る場合に特に効果を発揮します。 - 耐久性・耐薬品性に優れる
硬化後は高い耐久性と耐薬品性を持ち、長期的に安定した性能を維持します。
使用時の注意点
主剤と硬化剤を正確に混ぜる必要があり、慣れないと手間がかかります。また、5℃以下の環境では硬化が遅れるため、冬季施工では注意が必要です。
ウレタンボンドとエポキシボンドの使い分け
施工現場では、以下のように使い分けられることが多いです。
- ウレタンボンド → 標準的な無垢フローリング施工、リフォーム現場、一般住宅向け
- 二液性エポキシボンド → 直貼り工法、寄木張り・ヘリンボーンなど特殊施工、大型商業施設や高耐久が求められる現場
施工環境や仕上がりのイメージに合わせて選択することが重要です。
接着剤選びが施工品質を左右する
無垢フローリングの施工は、木材選びや下地調整と同じくらい「接着剤選び」が大切です。適切な接着剤を選ぶことで、以下のメリットが得られます。
- 床鳴りや剥がれの防止
- 施工効率の向上
- 多様な施工方法への対応
- 長期的な安定性能
施工現場での「ちょっとした選択」が、10年先、20年先の快適性に直結するのです。
適切な接着剤を選ぼう
無垢フローリングの魅力を最大限に活かすには、木工用ボンドでは力不足。施工現場で選ばれているのは「ウレタンボンド」や「二液性エポキシボンド」です。
- ウレタンボンドは、弾性があり扱いやすい一液型。住宅の標準施工に最適。
- エポキシボンドは、強力な接着力と耐久性で直貼り工法や特殊施工に最適。
施工環境や目的に合わせて選ぶことで、無垢フローリングの美しさと快適性を長く維持できます。
「接着剤なんてどれでも同じ」と思わずに、最適な製品を選ぶこと。それが、無垢材と長く付き合うための最初の一歩です。
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