アカシアとヴィンテージ加工の出会い
無垢フローリングの世界の中でも、アカシアは独自の存在感を放つ樹種です。深みのあるブラウンの色調、ランダムに現れる杢目、そして経年変化によってさらに味わいを増す特徴から、多くの住まい手に愛されてきました。
そのアカシアに「ヴィンテージ加工」を施した特別なフローリングは、単なる床材を超えて“インテリアの主役”として多くの方から支持を集めました。表面をあえてフラットに仕上げず、手仕事でダメージや凹凸を与えることで、まるで長い時間をかけて使い込まれたかのような風合いを再現したのです。
工場で量産される既製品とは違い、ひとつひとつ表情が異なる仕上がりは「自然素材+人の手仕事」だからこそ生まれる魅力でした。
廃盤となった背景
残念ながら、このアカシアのヴィンテージ加工フローリングは現在廃盤となっています。
その理由は単純に「人気がなくなった」からではありません。むしろ逆で、根強いファンの方々から「もう一度販売してほしい」とのお声を今でも頂いているほどです。
廃盤に至った背景には、主に以下の要因があります。
- 生産コストの上昇:インドネシアの現地工場で職人が一枚ずつ加工を施すため、通常のフローリングに比べ手間も時間も多くかかりました。
- 輸入ロットの問題:大量生産を前提にしていたため、国内での需要に対して供給が過剰になるリスクを抱えていました。
- 品質の安定性:自然素材と人の手作業がゆえに、均一性を求めるお客様の中には合わない方もおられました。
こうした要因が重なり、惜しまれつつも商品としては一旦幕を下ろすことになったのです。
職人としての思い入れ
実を言うと、この商品には僕自身も特別な思い入れがあります。インドネシアの現地工場で、何度も試行錯誤を繰り返し、試作品を作っては壊し、納得いくまで加工方法を模索しました。
「新品なのに、古く見える」――この一見矛盾したテーマを、どこまで自然に再現できるか。
まるでヴィンテージ家具のように存在感がありながら、同時に住まいの空間にしっくり馴染む。そこを目指して、何度も挑戦を続けたのです。
完成したときの喜びは今でも忘れられません。そして多くのお客様に選ばれ、施工事例として美しい空間を彩ってくれたことは、私にとっても誇りとなっています。
ご要望があれば、少量だけでも
廃盤となったとはいえ、「どうしてもあの表情が欲しい」というお声をいただくこともあります。もちろん、もう海外工場で大量生産することは難しいのですが、少量であれば僕自身が加工を施すことも可能です。

実際に写真のように、研磨機や手工具を使ってダメージを加えたり、独自のテクスチャーを作り出すことができます。木目の流れに沿って微妙な凹凸を残すことで、光の当たり方によって表情が変わり、深みのあるヴィンテージ感を演出するのです。

加工の流れ
- ハンドスクレイプ:無垢フローリング表面に凹凸をつける。
- ダメージ加工:手工具やディスクグラインダーでダメージ加工を施す。
- 仕上げ研磨:全体の質感を馴染ませる。
- オイル仕上げ:木の色調と風合いを最大限に引き出す。
もちろんこれは一枚一枚の板と真剣に向き合う作業であり、量産はできません。だからこそ世界に一つだけの表情を持つ無垢フローリングが完成するのです。
ヴィンテージ加工の魅力
ヴィンテージ加工には、単に「古さを出す」以上の価値があります。
- 生活キズとの相性が良い:日常で付く小さなキズや凹みも、もともとの加工と馴染みやすく、味わいに変わっていきます。
- インテリアとの調和:アンティーク家具やインダストリアルスタイル、ブルックリンテイストなど、多様なインテリアと相性抜群。
- 時間と共に深まる風合い:オイル仕上げを重ねることで、さらに奥行きのある色合いへと変化していきます。
つまり「新品から使い込んだ美しさへ」――その時間をショートカットして得られるのが、この加工の大きな魅力なのです。
希少だからこそ価値がある
アカシアのヴィンテージ加工フローリングは、残念ながら廃盤となりました。しかし、その価値が消えたわけではありません。むしろ「もう手に入らない」という希少性が、かえって特別な存在感を際立たせています。
私自身、量産はできませんが、少量であればダメージ加工を施し、唯一無二の表情を持つフローリングをお届けすることは可能です。
「人とは違う床にしたい」「本物の味わいを暮らしに取り入れたい」
そんな方には、ぜひご相談いただきたいと思っています。

無垢材は手をかけるほどに応えてくれる素材です。そして不便を楽しむことでこそ、その本当の豊かさに気づくことができます。
あなたの暮らしの中に、この特別なヴィンテージ加工のアカシアを迎えてみませんか?


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