レジンテーブル・一枚板

不便を楽しむ一年でした。──2025年、エコロキアの軌跡と感謝

レジンテーブル・一枚板

2025年、ありがとうございました

2025年も、いよいよ最終日となりました。
本年もエコロキアに関わってくださったすべての皆さまに、心より感謝申し上げます。

無垢フローリング、ウッドデッキ、レジンテーブル、床再生サービス「ムクリペ」。
扱っている素材は木ですが、今年一年を振り返ってみると、向き合ってきたのは木を通した人の暮らしや人生そのものだったと強く感じています。

効率や正解が見えにくい仕事を、なぜ続けるのか。
2025年は、その問いに何度も立ち返りながら、それでも「この道でいい」と確信を深めた一年でした。

ここからは、2025年のエコロキアを象徴する出来事を振り返りながら、感謝の気持ちを込めて綴っていきます。

レジンテーブル制作体験を本格的に始めた一年

体験を「仕事」として成立させる覚悟

2025年は、レジンテーブル制作体験を「イベント的な取り組み」ではなく、明確に事業の柱のひとつとして位置づけた一年でした。それまでも制作体験は行っていましたが、正直に言えば、効率や収益性だけを考えれば決して優等生な仕事ではありません。準備には時間がかかり、受講者さん一人ひとりに向き合う必要があり、完成までの工程も長い。そしてアトリエのある奈良県御所市もハッキリ言って遠い…。その分、精神的にも体力的にも負荷は大きい仕事です。

それでも本格的に取り組むと決めたのは、「作る過程そのものが、エコロキアが提供できる最大の価値だ」と確信したからでした。木を選ぶ時間、配置に悩む時間、色を決めきれず立ち止まる時間、思った通りにならず落ち込む時間。それらすべてが、完成品には刻まれない“体験の層”として残ります。

レジテーブル制作体験ワークショップ 奈良県御所市 家族でレジンテーブルを作る様子
夏休みに家族でレジンテーブル制作体験ワークショップにご参加いただいています

完成したテーブルを前にした受講者さんが、「これはもう100万円でも売れないですね」と笑いながら言う瞬間があります。その言葉を聞くたびに、体験を仕事にした意味を噛み締めました。2025年は、その覚悟を固めた一年でした。

NHK出演が突きつけてくれた現実と自信

2025年には、レジンテーブル制作体験をNHKで取り上げていただく機会がありました。

正直なところ、「テレビに出たい」「知名度を上げたい」という気持ちはほとんどありませんでした。むしろ、普段やっていることをそのまま見せて大丈夫だろうか、誤解されないだろうか、そんな不安の方が大きかったのを覚えています。

取材を受ける中で感じたのは、特別なことは何ひとつしていない、という事実でした。
派手な演出も、目新しい仕掛けもなく、ただ木に向き合い、受講者さんと話し、同じことを繰り返しているだけ。それでも「伝える価値がある」と判断してもらえたことは、大きな励みになりました。

NHK奈良「ならナビ」11月27日放送回の番組サムネイル画像。「世界に一つだけのレジンテーブル〜御所市〜」特集を知らせるビジュアル。
2025年11月27日放送のNHK奈良「ならナビ」にて、エコロキアのレジンテーブル制作が特集されました。
番組サムネイルには「世界に一つだけのレジンテーブル〜御所市〜」と題して制作の様子が紹介され、生中継でレジン注入や波づくりの工程が放送されました。

NHK出演は、ゴールではありませんでした。
むしろ、「このやり方で間違っていない」「続ける意味がある」という確認作業だったように感じています。2025年は、外からの評価によって自信をもらった年でもありました。

ムクリペで経験した、数えきれない現場

床を削るという行為が教えてくれたこと

ムクリペでは、2025年も本当に多くの現場を経験させていただきました。
築年数の経った住宅、店舗、施設など、状況はさまざまで、どの現場も一筋縄ではいきません。表面は汚れ、傷み、もう寿命だと思われていた床も少なくありませんでした。

研磨途中で一部が明るくなったヘリンボーンフローリング。未研磨部分との色の違いが大きい。
研磨するだけで、ここまで色が変わります。無垢材ならではの“リセットできる素材”の強みです。

しかし、実際に削ってみると、必ず木の表情が現れます。
新品のような均一な美しさではなく、傷も色ムラも含んだ、その家だけの時間が刻まれた表情です。その瞬間に立ち会うたび、「床はただの建材ではない」と実感します。

床を削るという行為は、単なるリフォームではありません。
その家で過ごしてきた時間を肯定し、これからも使い続けるという意思表示です。2025年は、ムクリペの現場を通して、暮らしの深い部分に触れ続けた一年でした。

効率を捨ててでも残すという選択

ムクリペの仕事は、効率という言葉とは相性がよくありません。
張り替えた方が早い。
新品の方が見栄えがいい。
そう言われる場面は、これまで何度もありました。

それでも、「この床を残したい」「思い出が詰まっている」という声に応えてきました。
削るか、残すか。
どこまで手を入れるか。
その判断は、現場ごとに異なり、正解はありません。

2025年は、そうした判断を何度も積み重ねる一年でした。
効率の外側にある価値を選び続けたことで、エコロキアが大切にしている軸が、よりはっきりした年だったと感じています。

出雲での出会いが残したもの

「急がない」土地で得た感覚

2025年、出雲でのご縁は、僕にとって非常に印象深いものでした。
出雲という土地には、不思議と時間の流れが違う感覚があります。結果を急がず、人との関係をじっくり育てる。その空気に触れ、自分自身の仕事の進め方を見直すきっかけになりました。

数字や成果を急ぐと、どうしても判断が荒くなります。
しかし出雲で感じたのは、「待つこと」「積み重ねること」の強さでした。
エコロキアがこれまで大切にしてきた価値観と、どこか重なる部分があり、深く腑に落ちたのを覚えています。

人との縁が次の仕事をつくる

出雲での出会いは、すぐに仕事につながるものばかりではありませんでした。
しかし、「また会いたい」「また話したい」と思える関係が生まれたこと自体が、大きな収穫でした。

大型のスライドソーで無垢材を正確にカットする作業台。家具製作やレジンテーブルの素材づくりに用いられる。
長尺の木材を正確にカットできるスライドソー。家具やレジンテーブル製作の下準備として、木取りや寸法調整に欠かせない重要な機械です。

エコロキアの仕事は、いつも人との縁から始まります。
2025年は、その原点を改めて実感した一年でした。

2025年を支えてくださったすべての方へ

お客様へ伝えたい感謝

2025年、エコロキアを選んでくださったお客様、本当にありがとうございました。
無垢材やレジンテーブル、ムクリペは、決して万人向けではありません。それでも、その価値を理解し、選んでくださったことが、何よりの励みでした。一つひとつの現場、一つひとつの制作体験が、エコロキアを成長させてくれました。

関わってくださったすべての方へ

職人さん、協力会社の皆さま、受講者さん、取引先の皆さま、そして家族や仲間。
2025年は、ひとりでは絶対に乗り越えられない一年でした。

エコロキアのアトリエで、完成したレジン作品を手に笑顔で並ぶ参加者たち。ポプラやオリーブ、波レジンなど多彩な作品が揃った制作体験後の集合写真。
レジンテーブル制作体験の終わりに撮影した一枚。
ポプラ×波レジン、オリーブ、パリサンダ、ブルーグラデーションなど、
それぞれが自分の感性で作り上げた“世界にひとつだけ”の作品を手に、参加者の皆さんが笑顔で並んでくれました。
無垢材の個性とレジンの色彩が融合する瞬間に立ち会えるのは、この仕事の大きな喜びです。

心から、感謝しています。

「木の魅力を伝える」ことに向き合った一年

血液型別おすすめ無垢フローリングと、木のうんちくシリーズ全20回

2025年、このブログでは「無垢フローリングとは何か」「どの樹種が優れているか」といった、いわゆる性能やスペックの話だけではなく、もっと感覚的で、暮らしに近い切り口で木の魅力を伝えることにも力を入れてきました。その象徴が、血液型別おすすめ無垢フローリングの記事や、「木のうんちくシリーズ」全20回です。

血液型別という一見すると少し遊び心のあるテーマも、単なる占い的な話ではなく、「人の性格や好みの傾向」と「木の個性」を重ね合わせることで、無垢材をより身近に感じてもらうことを目的に書きました。無垢フローリングは決して画一的な建材ではなく、向き・不向き、好き・嫌いがはっきり分かれる素材です。だからこそ、性能表ではなく、「あなたなら、この木が合うかもしれません」という提案をしてみたかったのです。

また、「木のうんちくシリーズ」では、第1回の「木の年輪が語る地球の歴史」から始まり、「木の香りと防虫効果」「樹木のコミュニケーション」「竹は木ではなく草」「ファラオの木棺」「毒と木」「恋愛と木と…」「音楽ホールはなぜ木造が多いのか」、そして最終回の「木と月」まで、木を軸にしながらも分野を限定せず、文化・歴史・科学・感覚のあいだを行き来するような内容を書き続けました。

正直に言えば、これらの記事がすぐに売上につながるわけではありません。それでも、「読んで面白かった」「木の見方が変わった」「次の記事も楽しみにしています」といった声をいただくたびに、このブログの役割を再確認することができました。2025年は、木を売る前に、木を好きになってもらうという原点に、改めて立ち返った一年だったと感じています。

2025年の終わりに

不便を楽しむという選択を続けた一年

2025年も、エコロキアは効率の良い道を選びませんでした。
それでも、その選択に後悔はありません。
むしろ、「この道しかない」と確信を深めた一年でした。

2026年へ向けて

来年も、急がず、誤魔化さず、手を抜かず。
木と人に向き合い続けていきます。

2025年、本当にありがとうございました。
どうぞ良いお年をお迎えください。

コメント