シルバーチェリーと柳杉、そしてスプーンカット加工のブラックチェリー
京丹波のリフォーム現場へ、無垢フローリングを納品
本日は、京都府京丹波町にあるリフォーム現場へ、シルバーチェリーの無垢フローリングをトラックに積み込み、自ら納品に伺ってまいりました。山あいの風が心地よく、自然と調和したこの地域に、天然木のぬくもりを届けられることに感謝しながらのドライブでした。

今回の現場では、シルバーチェリーをメインに、すでに納品済みの柳杉(やなぎすぎ)の無垢フローリング、そして現在スプーンカット加工の真っ最中であるアメリカンブラックチェリーの床材が採用されています。一見バラバラなようでいて、実はそれぞれの個性が絶妙に調和する組み合わせ。完成すれば、和と洋が優しく融合する、唯一無二の住まいになることでしょう。
シルバーチェリーの無垢フローリングとは?
カバザクラとも呼ばれる国産材の魅力
シルバーチェリーは、別名「カバザクラ(樺桜)」とも呼ばれ、日本国内でも古くから親しまれてきた木材です。赤味を帯びた上品な色合いと、繊細で緻密な木目が特徴で、和風の空間にも洋風の空間にもよく馴染みます。
特に、フローリングに使用する際は、経年変化による深みの増した色合いが美しく、時間と共に愛着のわく素材です。強度や寸法安定性にも優れており、住宅の居室やリビング、店舗の床材などにも適しています。
今回納品したのは、自然塗料のオイル塗装仕上げのタイプ。お施主様の暮らし方や好みに応じて、呼吸する木の質感を存分に楽しめることでしょう。
柳杉の無垢フローリングが与える柔らかな印象
秋田杉のクローンとも呼ばれる、進化したスギ材
今回の現場では、先に中国産の柳杉(やなぎすぎ)無垢フローリングを納品させていただきました。柳杉は、元々日本の秋田杉をクローン苗として中国南部(主に四川省など)に植林し、育成されたスギ科スギ属の樹木です。見た目や質感は日本の杉に非常によく似ており、柔らかい足触りや優しい色合いが特徴です。

木目は直線的で穏やか、赤身と白太が入り混じる「源平模様」も美しく、視覚的にも温かみのある印象を与えてくれます。現地では「中国杉(Chinese Fir)」とも呼ばれ、近年日本国内のリフォーム・新築現場でも注目されている素材です。
施工性の高さと機能性が魅力
柳杉は比重が軽く柔らかいため、現場での加工性が非常に良く、施工にかかる負担も少なく済みます。また、スギ材特有の高い調湿性と断熱性を備えており、室内の湿度を自然に調整しながら、夏は涼しく冬は暖かいという快適な室内環境を実現できます。
さらに、杉ならではのほのかな芳香は、防虫効果とリラックス作用が期待され、住空間に“空気の質”という観点からも貢献します。
デザインのアクセントとしての役割
今回の京丹波の現場では、この柳杉をナチュラルなゾーンに使い、後述する国産シルバーチェリーや、スプーンカット加工を施したアメリカンブラックチェリーといった印象の強い樹種と組み合わせることで、空間全体にバランスと緩急を与える役割を担っています。
たとえば、柳杉の明るく穏やかなトーンが空間に広がりをもたらし、重厚で深みのあるブラックチェリーの存在感を引き立てることで、それぞれの木材の個性がぶつかり合うことなく共存しています。まさに、和と洋を自然に融合させる“つなぎ”の役割を果たしているのです。
注意点とメンテナンスの工夫
柳杉は柔らかさゆえに、重たい家具によるへこみや、ペットの爪などによる傷がつきやすい側面もあります。ただし、適切なオイル塗装や、圧縮加工を施した製品を選ぶことで、ある程度の耐久性を確保することが可能です。
また、水にはそれほど強くないため、脱衣所やキッチンのような水回りでは避け、居室やリビング、天井や壁面といった“乾いたゾーン”での使用が推奨されます。
無垢材を“素材”で終わらせない家づくりへ
天然木の家づくりにおいて、単一の木材で統一することは美しさの一つの形ですが、あえて異なる表情を持つ複数の樹種を使い分けることで、“奥行き”のある空間が生まれます。
今回の柳杉は、中国産でありながらも、日本の杉と見分けがつかないほどの質感と表情を持ち、コストパフォーマンスにも優れた“頼れる素材”。その実力を最大限に活かした空間づくりは、まさにエコロキアが大切にしている「素材と暮らしの調和」を体現する好例だと言えるでしょう。
アメリカンブラックチェリーにスプーンカット加工を施す理由
深みと陰影で空間に“動き”を加える
現在、加工工場ではアメリカンブラックチェリーの無垢フローリングに「スプーンカット加工」を施している最中です。
このスプーンカットとは、表面をスプーンで削ったように凹凸のある仕上げ加工で、光の当たり方によって陰影が生まれ、より表情豊かな空間を演出できます。ナチュラルな木の素材感を引き立てながら、どこか工芸品のような趣を感じさせる仕上がりになります。
アメリカンブラックチェリー自体も、赤褐色から飴色に変化していく美しい経年変化が魅力。スプーンカットを施すことで、さらに個性と温もりが増し、この現場でも大きなアクセントになることでしょう。
和と洋、それぞれの個性を活かして
この現場で使われる3種類の無垢フローリング。
- 赤みを帯びた滑らかな木肌が特徴のシルバーチェリー(カバザクラ)
- 柔らかな香りと優しい肌触りを持つ柳杉
- 深みと陰影を楽しめるスプーンカット加工のアメリカンブラックチェリー
それぞれの木が持つ個性は異なりますが、それがぶつかり合うことなく、むしろ引き立て合うのが天然木の面白さであり、設計士や工務店、そしてお施主様のセンスが光るポイントです。
このように、無垢フローリングは「どれが正解」というものではなく、「どう暮らしたいか」「どんな空間にしたいか」をベースに選び、組み合わせていくことで、唯一無二の空間が生まれます。
職人と木が紡ぐ、新しい暮らしの形
京丹波の豊かな自然の中に、こうして和と洋が融合した美しい空間が少しずつ形になっていく過程に携われることは、無垢材を扱う私たちにとって大きな喜びです。
これから、スプーンカット加工のアメリカンブラックチェリーが現場に届き、いよいよ最終工程へと進んでいきます。完成後、また現地を訪れるのが楽しみでなりません。エコロキアでは、このように「木を届けるだけではなく、暮らしの物語を共につくる」仕事を心がけています。
無垢材に興味のある方、リフォームや新築で素材選びに悩んでいる方は、どうぞお気軽にご相談くださいね。カットサンプルのご請求も随時受け付けております。



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