無垢フローリングで後悔しないための7つのポイント

無垢フローリングで後悔しないための7つのポイント

無垢フローリングを採用したコトで後悔してしまう方がいなくなって欲しいと云う願いを込めて毎日仕事をしております。

せめて誰ひとりエコロキアの無垢フローリングを採用して後悔することなく、喜んで頂ければ専門店冥利に尽きると云うもので、しっかりと無垢フローリングの特性などご納得頂いた上でご採用頂くべき建材だと思っております。

そのため、これから挙げるポイントは無垢フローリングを購入してから後悔しないためにもご理解頂ければ幸いです。

無垢フローリングは伸び縮みします。

これはご存じの方も多いかと思いますが、無垢フローリングは天然木でできており、季節によって横幅方向に伸びたり、縮んだりします。

これはよく「無垢フローリングが呼吸をしている」、「木が生きている」と云われますが、空気中の湿度を一定に保つため吸ったり吐いたりしており、そのため伸びたり縮んだりします。

梅雨の時期などに室内の湿度が高くなると、無垢フローリングはその湿気を吸って膨張し、逆に乾燥する冬の時期は湿気を吐いて収縮します。

樹種によって伸縮しやすい樹種、しにくい樹種はありますが、基本的に無垢フローリングは四季を通じて伸縮を繰り返すため、フローリングとフローリングの隙間が夏はピッタリと隙間がなくなり、逆に冬は隙間ができます。

冬の乾燥した時期、無垢フローリングが最も痩せているときに施工をする場合、梅雨の時期に膨張することを見越してスペーサーを入れて施工しなければなりません。

しかしクリアランスが足りず、膨張が限界を超えると「突き上げ」を起こすことがあります。

その場合、軽微であれば乾燥の時期を待ち、重症であればフローリングとフローリングの隙間を丸ノコでサネを落として納めなければなりません。

特に冬の無垢フローリングが痩せた時期にRC造のマンションなどで壁はビニールクロス、床下地は遮音マットなどの場合、室内に溜まった湿気を無垢フローリングが吸収し膨張するのですが遮音マットで建物の躯体に無垢フローリングを留めることができないため突き上げ事故が起こりやすくなります。

無垢フローリングはおおむね 3~5 年程度は季節に応じて伸縮を繰り返します。そのため、少し隙間が空いてもすぐに補修せず様子を見て下さい。ある程度四季を繰り返すことで伸縮も落ち着いてきます。

対策方法としては、調湿効果のある漆喰や珪藻土などの壁材と併用することや、伸び縮みの大きいオーク(ナラ / 楢)やパインなどの樹種は避けると云うのも手段です。

無垢フローリングは色が変わります。

無垢フローリングに限らずあらゆるものが紫外線や酸化の影響を多かれ少なかれ受けています。

特に無垢フローリングだからと云うワケではありませんが、ブラックチェリーやマホガニーなど樹種によってはあっと云う間に色が変わる樹種もあり、施工途中の養生の隙間だけ色が濃くなった…と云う事例もあります。

ざっくりとした云い方になりますが、経年変化で元々色の濃い樹種は薄くなり、元々色の薄い樹種は濃くなります。

例を挙げるならブラックウォルナットやアジアンウォルナット、クマルのように黒系の樹種は褪色してやや灰色になります。

そしてパインやオーク(ナラ / 楢)、チェスナット(クリ/ 栗)のような黄白色の樹種は黄色味が強くなり飴色へと向かいます。

色調変化も無垢フローリングの魅力のひとつ!」と割り切って頂ければ良いのですが、ラグを敷いていた箇所やソファを動かしたらそこだけ色が違う…なんてコトが起こります。

もちろん、これは無垢フローリングだからと云う現象ではなく合板フローリングや樹脂のフローリングでも起こる現象です。

むしろ、日焼けに関しては無垢フローリングの場合、塗装によってある程度変化を緩やかにすることが可能ですし、樹種によってどのような色調変化を起こすか、それをあらかじめ知ったうえで樹種選びをすると後悔しない無垢フローリング選びができます。

無垢フローリングだから温かいワケではありません。

よく「無垢フローリングにすると素足でも温かい」と云われますが、全ての樹種に当てはまるものではありません。

無垢フローリングの「温かい」、「冷たい」は言い換えると「温かい=冷めにくい(熱伝導率が低い)」、「冷たい=冷めやすい(熱伝導率が高い)」と云うコトで、内部に空気を多く含んでいるスギやヒノキ、パインと云った柔らかい樹種はスポンジのようなもので冷めにくく、逆にローズウッドやアジアン ウォルナット、イペ、ウリンなど高密度な樹種は鉄のように熱しやすく冷めやすい特性があります。

無垢フローリングにしたのに全然冷たいぞ!…と後悔しないためにも樹種選びは非常に重要です。

無垢フローリングには少しメンテナンスが必要です。

無垢フローリングはメンテナンスフリーと云うワケにはいきません。

かと云って「無垢フローリングはメンテナンスで手間がかかって大変だから辞めておいた方が良い!」…と脅す人ほど大変ではありません。

そもそも、無垢フローリングは塗装をしてようやく完成品です。

メンテナンスが必要なのはその塗装の方で、何を塗るかによってメンテナンス方法も異なりますし、大変さも変わってきます。

理想的なメンテナンス方法を書くと…

ウレタン塗装の場合、使用する樹脂ワックスの耐久性にもよりますが、一般的に1年に1回、古くなったワックスを剥離剤で全て綺麗に落として、新しく樹脂ワックスを塗布して下さい。

オイル仕上げ、自然塗料蜜蝋ワックスの場合、こちらも使用した塗料によりますが、1~2年に1回程度、汚れを落として同じ塗料を上から塗って下さい。殆どの塗料が乾燥に24時間掛かるので、その間は入室できません。

…と書くと無垢フローリングにしたことに後悔するかも知れません。

実際に家具などが入って、住んでいる部屋の再塗装は非常に困難ですし、1日その上を歩行できないとなると余程の覚悟がないと出来ません。

実はこんな大変な作業をしなくても、日々のお掃除に+αするだけで、1~2年に一度の塗り直しはハッキリ云って不要です。

無垢フローリングは塗装をして完成品なので、塗料に関する知識がないと無垢フローリングのメンテナンスは大変!になってしまいますが、塗料を理解していると決して大変な作業ではありませんので、無垢フローリングにしたコトを後悔せずにお使いいただけます。

無垢フローリングには加工精度の良し悪しがあります。

無垢フローリングは世界各国の様々な工場で生産されています。

同じ樹種、同じ形状、同じサイズの無垢フローリングでも、製材している工場の機械の精度、乾燥窯での人工乾燥の手法、さらに云えば製材前の材木の保管方法などによって精度は雲泥の差です。

工場からすると、加工精度の良い新しい機械を導入し、乾燥窯で丁寧に時間を掛けて乾燥させ、きちんと保管状態の良い材木を使用すると当然コストが上がり、販売価格に反映されます。

我々バイヤーとしては1ドルでも安いところを探すことは重要ですが、品質が劣ってしまうと元も子もなくなってしまいます。

特に最近では価格競争の激化しているアカシアあたりはこの状況が続いており、安かろう悪かろう…と云った商品が出回っているので注意が必要です。

高ければ良いと云うモノでもありませんが、安価なモノにはそれなりの理由もあり、含水率が高い無垢フローリングは施工後にトラブルを起こす可能性が高いため、後悔しないためには出所のハッキリしている無垢フローリングを選ぶ必要があります。

無垢フローリングの施工は注意が必要です。

無垢フローリングは合板や樹脂のフローリングとは異なり、施工に特別な注意が必要です。

一番最初にも書きましたが、無垢フローリングは季節によって伸び縮みをするため、乾燥して痩せている時期にはスペーサーを挟んで施工しなければなりません。

また巾木の下にも5mm程度のクリアランスを設けて、無垢フローリングが膨張したときの「逃げ」を考えて施工しなければなりません。

しかし無垢フローリングが床材全体で占める割合は10%未満と云われており、単純に床を貼る職人さんの10人に1人ぐらいしか無垢フローリング施工の経験がありません。

施工指示書に従がって使用する釘の種類、そしてピッチや、使用する接着剤の種類と塗布量などを理解して施工して頂ければ問題ありませんが、未だに木だから木工用ボンド、釘はフィニッシュ…と云う施工現場も見かけます。

前述した伸び縮みに関するトラブルは含水率が高く加工精度の悪い無垢フローリングを使用している場合もありますが、殆どの場合、正しい施工が行われていないために発生しています。

無垢フローリングで後悔しないためには施工して頂く職人さんの腕次第と云っても過言ではありません。

「施主支給」は特に注意して下さい。

無垢フローリングに限らず最近では施主支給OKの工務店さんも増えてきました。

ただ、施主支給は工務店さんの本音で云えばあまり歓迎されません。

例えるなら、自分で買ってきた食材をレストランに持ち込んで料理をしてもらうようなモノで、レストランからするとその食材の良し悪しが分からないのに味の保証をしなければなりません。

施主支給は商品に関する情報が、工務店さんお施主さん販売店となるためテクニカルな内容などが伝わりにくくなる場合があります。

そのため円滑に進めるためには工務店さん販売店で商品に関する質疑が出来ると云うコトが重要です。

建材の場合、その情報の伝達不備で誤った施工をしてしまう恐れもあり、後々トラブルが発生したときに責任の所在が不明瞭になるため要注意です。

追記

無垢フローリングは何十年、時には何百年と云う時間をかけて成長した木を伐り、山から運搬し、丸太を粗挽きしてフリッチに加工し、乾燥窯で適切な含水率にコントロールされて、様々な形状の無垢フローリングに製材されます。

そして樹種によっては遠い海外から船便で日本に運ばれて、皆様にご採用頂き、場合によっては塗装や表面加工を施して、倉庫から運送会社の手によって施工現場に運ばれて、職人さんの手によって施工されてようやく完成します。

多くの方が携わり、誰ひとりとしてこの無垢フローリングで後悔などして欲しくはありません。

他の建材と比較して無垢フローリングは確かに少し手が掛かりますが、その代わりに正しい知識でお使い頂ければ生涯使い続けて頂ける建材であり、決して後悔するようなモノではありません。

無垢フローリングで後悔しないために最善を尽くしますので、すでに後悔してしまっている方も、他店で購入されたものでもお気軽にご相談下さいね。