無垢フローリングの現場で傷がつくのはよくあること
住宅や店舗の建築現場では、多くの職人が出入りします。大工、水道、電気、塗装、建具、クロスなど、それぞれの専門職が順に作業を進めながら空間を完成させていきます。
もちろん、どの職人さんも注意深く作業をしていますが、それでも床に傷や汚れがつくことは避けられません。特に天然木の無垢フローリングは、柔らかさと温もりが魅力である一方で、硬い工具や金具の接触によって傷が入りやすい素材でもあります。

今回の事例では、建具メーカーによる引き戸の取り付け作業中に床を引きずってしまい、アカシア無垢フローリングに複数の傷が発生しました。
無垢フローリングは「傷ついても再生できる」素材
オイル仕上げ・無塗装なら補修が可能
無垢フローリングの魅力のひとつは、「削って直せる」ことです。合板フローリングやウレタン塗装仕上げの場合、表面に厚い塗膜があり補修は難しいのですが、オイル仕上げや無塗装の無垢フローリングなら研磨と再塗装で自然な状態に戻せます。
今回のアカシアフローリングは、当社エコロキアで塗装を施して納品していたため、使用した塗料の種類や色味を正確に把握しており、自然な補修が可能でした。もし塗料が不明な場合でも、木の表情に合わせたグラデーション補修で違和感のない仕上がりに整えられます。
傷補修の手順①:まずはサンディングで表面を整える
紙やすりで段差をならす基本工程
補修の第一段階は、傷周辺を軽く研磨して平滑に整えることです。
いきなり凹みを直そうとせず、木目に沿って30cmほどの範囲を#240〜#400の紙やすりでグラデーション状に削ります。これにより、木の繊維が均一に開き、後のスチーム補修(アイロン工程)で膨らみやすくなります。
傷補修の手順②:アイロンと水で木を復元する
スチームで繊維をふっくらと戻す技術
木の凹みは、熱と水分を利用して自然に膨張させることができます。
傷部分に水を含ませ、当て布を置いてアイロンをあてると、水蒸気が木の内部に浸透し、繊維が膨らんで元の高さまで戻ります。

焦らず、少しずつ熱を与えながら進めるのがポイントです。この工程では、焦げやオイルの飛びを防ぐために温度調整が重要で、経験豊富な職人の感覚が仕上がりを左右します。
傷補修の手順③:再研磨と再塗装で仕上げる
仕上げ塗装で統一感を取り戻す
アイロン補修の後、木の表面は毛羽立ちやすくなります。そのため再びサンディングして滑らかに整え、同じ塗料で再塗装します。

アカシア無垢フローリングは、明るい部分と濃い部分が美しく混在する木目が特徴。その個性を損なわないよう、既存の塗料を再現しながら艶と色調を微調整して仕上げます。
遠方でも安心!オンラインで補修アドバイスを実施
エコロキアでは、無垢フローリングやウッドデッキを全国へ販売しています。
関西近郊であれば現地対応も可能ですが、遠方のお客様にはZoomや電話を通じて無償で補修方法をレクチャーいたします。
「水染みが消えない」「塗装のツヤが合わない」「補修のやり方がわからない」などのお悩みにも、写真を共有いただければ最適な方法をお伝えします。
全国どこでも、天然木を美しく再生するための知識と技術をお届けするのが、エコロキアの使命です。

無垢フローリングを美しく長く使うために
傷も味わいとして楽しむメンテナンスの心
無垢フローリングは「生きている素材」です。湿度や日差しによって伸縮や色の変化が起こり、年々深みを増していきます。その過程でできる傷やシミも、住まいと共に歩んだ“時間の跡”として愛着が湧くものです。
それでも、美しく使い続けるためには定期的なメンテナンスが欠かせません。エコロキアでは、販売だけでなく、補修・再塗装・研磨といったアフターサポートまで一貫対応しています。無垢材の専門店として、永く付き合える床づくりをお手伝いします。



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