スギやヒノキといった国産材は、その美しさや香り、加工のしやすさから多くの場面で利用されています。しかし、その反面「柔らかい」「傷つきやすい」といった点で用途が限られることもあります。
そこで登場したのが、「圧密加工」という革新的な技術。
この加工によってスギやヒノキが本来持つ魅力を活かしながら、より耐久性と実用性を高めることが可能になりました。
今回は、圧密加工の仕組みとその効果、そして利用シーンについて詳しく解説します。
圧密加工とは?
圧密加工は、スギやヒノキのような柔らかい木材を「圧縮」して硬度を高める加工方法です。
「熱圧ローラープレス」や「ヒートローラー加工」とも呼ばれるこの技術では、熱と圧力を木材に加え、内部構造を変化させることで密度を高めます。

具体的には、以下のプロセスを経て木材が変化します。
- 熱処理
木材を加熱して柔らかくします。この工程で木材内部の水分が適度に抜け、繊維が圧縮されやすい状態になります。 - 圧縮
加熱した木材に高い圧力をかけて繊維をギュッと詰め込みます。この段階で木材の密度が上がり、硬度が飛躍的に向上します。 - 冷却・固定
圧縮状態を保ったまま冷却し、形状を安定化させます。この工程で加工された木材は、従来の柔らかさを持つ素材とは別物に生まれ変わります。
圧密加工の魅力と効果

驚異的な硬度アップ
圧密加工を施したスギやヒノキは、元の素材よりも数倍の硬度を持つようになります。その硬さは一般的な広葉樹材にも匹敵し、フローリングや家具など耐久性が求められる用途にも十分対応可能です。
美しさをそのまま活かせる
スギやヒノキ特有の美しい木目や色合い、香りは圧密加工後もそのまま残ります。これにより、デザイン性を損なうことなく実用性を向上させることができます。
環境に優しい
国産材であるスギやヒノキを活用することは、森林資源の有効活用につながります。また、圧密加工は化学処理を必要としないため、環境負荷が少ない点も魅力です。
さまざまな用途に対応
圧密加工により、スギやヒノキがこれまで使用できなかった分野にも進出可能になりました。例えば、公共施設のフローリングや耐久性が必要なテーブルなど、柔らかい木材では難しかったシーンでも活躍します。
圧密加工の実際の活用例
無垢フローリング
圧密加工されたスギやヒノキは、耐久性が格段に向上するため、住宅や商業施設のフローリング材として人気です。傷がつきにくく、木の温かみを感じられる床材は、暮らしに優しさをプラスします。

家具
ダイニングテーブルや椅子など、耐久性が求められる家具にも最適です。軽量なスギやヒノキが圧密加工によって強度を増し、持ち運びやすさと長持ちの両立を実現します。
外装材
屋外で使用する際も、圧密加工により耐久性と防腐性が向上します。デッキや外壁に使用することで、メンテナンスの手間を軽減できます。
工芸品
圧密加工されたスギやヒノキは、細かい加工が可能なため、美しい工芸品やアクセサリーの素材としても注目されています。
圧密加工の今後の可能性
圧密加工は、木材の価値を飛躍的に高める技術として、これからさらに進化が期待されています。例えば、圧密加工を活用してスギやヒノキの新たなデザイン性や機能性を引き出す試みも進んでいます。
さらに、建築や家具以外の分野、例えば自動車の内装材や高機能なスポーツ用品など、想像を超えた応用例が広がっていくでしょう。
まとめ
圧密加工は、スギやヒノキの可能性を広げる革新的な技術です。その硬度アップや美しさを損なわない特性により、これまで使用が難しかった分野にも活用できるようになりました。

日本が誇る国産材を活用するこの技術は、環境に優しく、デザイン性と耐久性の両方を兼ね備えています。スギやヒノキをもっと身近に、もっと多様な形で楽しむための鍵となるでしょう。
もしこれからフローリングや家具選びを考えているなら、圧密加工されたスギやヒノキを選択肢に加えてみてください。その優れた特性と美しさにきっと驚くはずです。
写真と文章ではなかなか伝えにくいのですが、この絶妙な凹凸が生む最高の足触りが魅力ですが、もうひとつこの圧密加工を施したことによって低温式の床暖房(熱源50℃未満)でも使用できると云うメリットもあります。
是非ご興味のある方はエコロキアにご相談下さいね。

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