マンションのルーフバルコニーを快適な空間へ
西宮市の閑静な住宅街に位置する分譲マンション「ファミール西宮・夙川公園」。
今回ご紹介するのは、そのルーフバルコニー(約30㎡)に施工したサーモ加工ヒノキのウッドデッキです。建物の大規模修繕に合わせて、「長く使える天然木」「上品で心地よいデザイン」をテーマに施工を行いました。
これまでのデッキは経年劣化により一部が反り、塗装も色褪せていたため、リフォームを機に美観と機能を一新。特にマンションのルーフバルコニーは直射日光や風雨の影響を受けやすく、耐久性の高い木材を選定することが重要です。そこで採用したのが、サーモ加工によって防腐性を高めた国産ヒノキ。軽やかで落ち着いた色味が、都会の眺望と見事に調和します。
施工前の打ち合わせでは、お施主様のご希望で「屋内フローリングと自然につながるデザイン」を重視。外壁との色のバランスや、足触りの柔らかさにも配慮し、見た目と機能性を両立させました。結果、外に出るのが楽しみになるような“もうひとつのリビング”が誕生しました。
【施工概要】サーモ加工ヒノキが持つ美しさと耐久性
サーモ加工ヒノキとは?
「サーモ加工ヒノキ」は、高温の水蒸気で木材内部の樹脂や糖分を分解し、防腐性と寸法安定性を高めた木材です。薬剤を使わず、熱処理のみで耐久性を向上させるため、人や環境に優しく、エコロジーな建材としても注目されています。
この加工により、ヒノキ本来の淡い白色からチークブラウンのような上品な色合いへと変化。経年でさらに落ち着いた風合いになり、自然素材ならではの美しいエイジングが楽しめます。また、ヒノキ特有の芳香成分であるヒノキチオールが持続するため、屋外でも清々しい香りが漂います。
さらに、サーモ加工によって水分を吸収しにくくなり、膨張や反りが大幅に軽減。湿気の多い日本の気候でも安心して使えるのが大きな特徴です。ウッドデッキ材に求められる「耐久性・安定性・デザイン性」を兼ね備えた、理想的な天然木といえるでしょう。
ソフトウッドでも十分な耐久性
一般的に、ソフトウッド(針葉樹)はハードウッド(広葉樹)に比べて柔らかく耐久性が劣ると思われがちですが、サーモ加工を施すことで桧の弱点を克服できます。加工後のヒノキは、内部の養分が取り除かれることで虫害に強くなり、腐朽菌も繁殖しにくい状態に変化。特に湿気がこもりやすいルーフバルコニーでは、その効果を最大限に発揮します。
また、サーモ加工によって木材が軽くなるため施工性も向上。現場への搬入や取り回しが容易になり、作業時間の短縮にもつながります。仕上がりは非常に滑らかで、素足でも快適に歩ける心地よさ。まさに「日本の気候と文化に合ったウッドデッキ材」といえるでしょう。
【施工の流れ】搬入から仕上げまで丁寧な職人技
5階ルーフバルコニーへの搬入作業
今回の施工は、マンションの5階に位置するルーフバルコニー。約30㎡分の資材を人力で搬入する必要があり、職人たちにとってはかなりの重労働でした。エレベーターに入らない長尺材もあり、階段を使って慎重に1枚ずつ運び上げました。
バルコニー床面には微妙な傾斜があるため、雨水が自然に流れるよう勾配を保つことが重要です。一見、地味な作業ですが、これが後の「水はけ」「デッキの寿命」を大きく左右します。

根太の固定には、樹脂製のスペーサーとステンレスビスを使用。下地がコンクリートのため、直接ビスを打ち込むことは避け、耐水パッキンを挟みながら振動と防音性を確保しました。
午後からは実際のデッキ材を仮並べし、木目の方向や色味を確認。サーモヒノキは一枚ごとに表情が異なるため、木肌の濃淡を見極めながらバランスを取って配置します。この工程で仕上がりの印象が決まるため、美的感覚と経験が問われる最も重要な時間です。



夕方には約1/3のデッキ張りを完了。
夕陽に照らされたサーモヒノキのブラウンが、まるでチークのような艶を放ち始めました。
下地調整とデッキ張り作業
2日目は、根太(下地)の設置からスタート。雨水が滞らないよう、微妙な勾配をつけて水はけを確保しました。その上に、サーモ加工ヒノキを1枚ずつ丁寧に並べ、ステンレスビスでしっかりと固定。表面の木目を揃えながら施工することで、全体に統一感のある美しい仕上がりになります。

現場では風が強く、時折小雪が舞う中での作業でしたが、職人たちの経験と技術によってスムーズに進行。夕方にはほぼ全面が張り終わり、3日目には塗装と最終調整を行うことができました。施工スピードと品質の両立こそ、エコロキアの強みです。

仕上げ工程:塗装で深みと艶をプラス
最終仕上げには、キシラデコール「やすらぎ」を使用。透明タイプの屋外用塗料で、木の色合いを損なわず、しっとりとした濡れ色を演出します。塗装後のサーモヒノキは、まるでローズウッドのような赤みを帯びた上品なブラウンに変化し、光の角度によって異なる表情を見せます。

さらにこの塗料は、紫外線カット効果が高く、木材の退色を防止。防カビ・防藻性能にも優れており、美しい状態を長く維持できます。こうして仕上がったウッドデッキは、まるで高級リゾートのテラスのよう。上質な空気が流れる空間に生まれ変わりました。
【デザインと機能の両立】屋外リビングとしての快適性
室内と調和するカラーコーディネート
今回の施工で重視したのは、「屋内との一体感」。
お施主様のリビングには濃色の無垢フローリングが採用されており、その色味と自然につながるようにサーモヒノキの色調を選定しました。結果、窓を開けたときに屋内と屋外が自然につながる“アウトドアリビング”が実現。

また、視覚的な広がりを持たせるため、デッキ材の方向を建物に対して平行に敷設。光が滑らかに流れるような印象を与え、空間がより広く感じられます。
メンテナンス性にも優れた素材選び
サーモ加工ヒノキは、木材内部の含水率が安定しており、反り・割れ・ねじれが起こりにくいのが特長。加えて表面の滑らかさから汚れもつきにくく、定期的な清掃と数年ごとの再塗装で美しさを長持ちさせることが可能です。
天然木の経年変化を楽しみながら、必要に応じてオイルメンテナンスを行えば、10年以上快適に使用できます。
【施工を終えて】自然と調和する上質なバルコニーへ
完成したウッドデッキは、六甲山を望む壮大な眺望と見事に調和し、自然素材の持つ温かみと上品さが際立つ空間となりました。お施主様からも「まるでカフェのよう」「外に出るのが楽しくなった」とのお言葉をいただき、職人たちも大変誇りを感じる現場でした。

時間の経過とともに少しずつ色味が落ち着き、深みを増していくヒノキの表情。人工素材では決して味わえない“経年美”が、このデッキの最大の魅力です。

ウッドデッキの新設・張り替えはエコロキアへ
エコロキアでは、天然木ウッドデッキの新設・張り替え・補修工事を全国対応で承っています。
マンションのルーフバルコニー、住宅の庭、店舗のテラスなど、さまざまな環境に応じて最適な素材と施工方法をご提案。
イタウバ・ウリン・セランガンバツなどのハードウッドから、サーモ加工ヒノキなどの国産材まで、「不便を楽しむ」というエコロキアの理念のもと、手間を惜しまない丁寧な施工をお約束します。
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